取締役・副社長 小林 耕士
取締役・副社長 小林 耕士

私の役目はCFOとして、かつ社長補佐として、経営全体に目配りしながら、社長と日々コミュニケーションを取り、社長の想いや戦略を実現する方法を考え、適切に指示することです。

企業価値を持続的に向上させることは、企業としての責務です。当社がモビリティカンパニーとして100年に一度の変革期に挑むにあたり、積極的な先行投資やビジネスモデル改革を進めていかなければなりません。そうしたなかで、企業価値を維持、向上させるために私が大切に考えていることをお伝えしたいと思います。

人材価値の向上

企業の真の価値とは、工場や機械などの資産ではなく、それを扱う人にあります。私の好きな言葉に、武田信玄の「人は石垣」という言葉があります。いろいろな形や大きさの石が組み合わさって強い石垣が作られるように、多様な価値観・専門性を持った人材を育て適材適所で配置することが、強い企業をつくるために不可欠だと考えています。

トヨタに関わるすべての人が努力し、支え合う集団となるために、マネジメントは会社の戦略を定め、課題を明確にすることで、従業員の頑張りを引き出す。従業員は自らの専門性を磨き、プロ人材として責任を果たしていく。日々のこうした取り組みこそが、企業価値を高める原点であり、トヨタを支える礎になると考えています。

原価低減・TPSの徹底と次世代投資

従業員との対話の様子
従業員との対話の様子

「原価低減」と「トヨタ生産方式(TPS)」は、先人たちが強みとして受け継いできたトヨタのDNAとも呼べるものです。しかし、私はこの二つが自分たちの本当の血肉になっているとは思っていません。

「原価」を見るとは「行動」を見ることです。一人ひとりが鉛筆一本にもこだわり、日々の業務から大きなプロジェクトに至るまで、あらゆる行動を精査し、自分たちの行動の何が「ムダ」か、総知総力で考え、見直していきます。私自身も現場に出向き、従業員と語り合うなかで、一人ひとりが「原価意識」や「相場観」を持つことができるように徹底的に取り組んでいきます。こうした活動を世界中のトヨタで実践していくことで、電動化、自動化、コネクティッドなどの次世代技術へ持続的に投資するための原資を稼ぎ、協業パートナーへの出資やベンチャー投資を加速させていきます。

グループ競争力の最大化

グループ競争力の最大化

トヨタグループは喜一郎が基礎を築き、お互いに切磋琢磨し成長してきました。トヨタグループの強みは根っこが同じ、すなわち、基本的な価値観を共有していることにあると思います。新しいライバルと未知の闘いに挑むからこそ、グループの原点に立ち返り、総力を結集していかなければなりません。グループ各社が、得意分野に注力することで競争力を一段と高める。そのために既存の枠組みも再構築していく。社長が言う「ホーム&アウェイ」という戦略も、価値観を共有している企業集団だからこそ、実現できるものだと考えています。そのうえで、連結固定費の低減、開発・投資の効率化、原価競争力強化、人材育成を進め、グループ従業員の頑張りをより大きな成果につなげ、グループ全体の企業価値を高めていきます。

今後は、こうした取り組みの進捗や成果を、毎期、投資家、株主の皆様にご報告していきたいと思っています。

2019年12月
取締役・副社長 小林 耕士