取締役・副社長 Didier Leroy(ディディエ ルロワ)
取締役・副社長 Didier Leroy(ディディエ ルロワ)
*2019年12月時点の役職名です

100年に一度の変革期に直面するなか、トヨタはモビリティカンパニーへの変革に向けた取り組みを加速しています。これまでのビジネスで行ってきたクルマの販売にこだわらず、お客様にトヨタ車を利活用いただく「新しいモビリティサービス」への挑戦や、多様なステークホルダーと連携した「水素社会の実現」への貢献など、各地で取り組みを進め、競争力の強化を図っています。

また、引き続き1人でも多くのお客様にトヨタを選んでいただくため、3つの柱からなるブランド強化に注力しています。第1の柱として2017年、トヨタ初の世界規模のマーケティングキャンペーン「Start Your Impossible」をスタートしました。これは、オリンピック・パラリンピックのワールドワイドパートナーとしての精神にも共通した取り組みで、「すべての人に移動の自由(Mobility for All)」を提供するモビリティカンパニーをめざすという、トヨタの想いを示しています。

ブランド強化の第2の柱が環境車で、ここでの強みで差別化を図っていきます。さらにクルマのみならず、クルマのつくり方を革新する「工場CO2ゼロチャレンジ」を通じて、地球(プラネット)そのものを守っていく「ホームプラネット」の視点で取り組んでいます。

第3の柱が、GAZOO Racingによるモータースポーツです。モータースポーツを通じて、もっといいクルマに磨きをかけるとともに、より多くの人にクルマを好きになっていただけるよう活動していきます。お客様の嗜好の変化や技術の革新がかつてない速さで進むなか、トヨタは起業家精神を持って世界中の販売力向上に取り組む必要があると考えています。その基本となる販売におけるトヨタウェイが、「町いちばん」と「現地現物」です。

「町いちばん」とは、各国・地域の市場はそれぞれ異なることを前提に、現地で聞き、学び、行動し、それぞれの市場、町でいちばんのブランドをめざすことです。「現地現物」は、現地に赴き、本当の情報を手に入れることです。

こうした販売のトヨタウェイを世界中で共有し、販売活動を「ベターベターベター」の精神で一歩ずつ改善していくことで、お客様それぞれの心のなかのNo. 1メーカーになることができると信じています。

課題先進国の日本から変革に着手

トヨタは、モビリティカンパニーへの変革に向け、日本から新たな取り組みを始めています。

日本におけるビジネス変革のイメージ

2016年より開始した「J-ReBORN計画」に基づき、トヨタと国内販売会社が日本、そして各地域を元気にすることをめざし、従来の「チャネル軸」から「地域軸」へと体制・働き方を見直すことで、各地域のお客様ニーズへの対応や行政および他企業との連携強化を図り、新たなモビリティサービス提供によるビジネスモデル変革に挑戦していきます。

モビリティサービスの変化がもっとも早い東京から活動を開始し、2019年4月に東京のメーカー直営販売店4社を融合した新会社「トヨタモビリティ東京」を立ち上げました。

これにより、他地域に先駆け全店舗での全車種販売を始めています。東京を含めた全国6,000店舗の全車種併売化は、2022年~2025年をめどとしていましたが、2020年5月に前倒しする予定です。

また、新たなモビリティサービスとして個人のお客様向けの月額定額サービス「KINTO」も東京でのトライアルを経て、現在では全国でサービスを展開しています。

今後のビジネスの変革では、全国6,000店舗のネットワークと11万人の従業員が、長年リアルの世界で築き上げてきた信頼関係をもとに、「既存ビジネスの強化」とともに、お客様・地域の「困りごと」を解決する「生活サービス業」の拡充を図っていきます。

給電の様子
給電の様子

お困りごとへの対応の一例として、本年も各地で相次いだ台風・豪雨等の自然災害により停電した地域で、外部電源供給が可能なFCVやPHV、HVなどの電動車が、給電サポートを実施しています。また、もしもの時に、給電可能なクルマをお役立ていただけるよう、啓発活動も行っています。

これまで、既存の自動車ビジネスに関しては、純正部品用品を扱う部品共販店と、カーショップ運営会社の統合による物流効率化を進めているほか、サービス/メンテナンスの取り込みや中古車の取り扱いなどバリューチェーン全体を包含した総合営業の取り組みでお客様の所有ビジネスを強化してきました。今後はここに利活用の観点から、法人向けのサービスや、個人向けのKINTOやシェアリングの取り組みを進め、お客様のニーズに対応できるプラットフォームをつくります。この領域を高回転で回し、稼ぐ体質を強化することで「生活サービス業」に投資し、「この町いちばん活動」を進めていきたいと考えています。

ビジネスを広げるにあたっては、まずは移動に関するサービスから取り組みを進める予定です。地域のお客様の移動に関するお困りごとに向き合うことで、例えば免許返納後もお客様のお役に立ち続けるお店やサービス、といった「生活サービス業」へ発展する道があると考えています。

トヨタは、長年ご愛顧いただいたお客様の足元にある「困りごと」に対して、「顔が見える」「心のこもった」サービスを提供することで、一生涯寄り添うパートナーとなることをめざします。

2019年12月
取締役・副社長 Didier Leroy(ディディエ ルロワ)