スクロール

スワイプ

クルマをつくる時にどんな工夫をしていますか?

1.品質(ひんしつ)のいいクルマをつくるための工夫〔例〕

指示(しじ)ビラ

クルマに取り付ける部品が記号で書いてある用紙。

トヨタでは、1つのラインで複数のちがう種類のクルマを
つくっています。また、お客様のご注文どおりにクルマを
つくっていますので、1台1台異なる部品を取り付ける
必要があります。

たくさんの種類の部品から間違えなく部品を取り付ける
ために、「指示ビラ」を見て作業をしています。

呼び出しボタン

問題があった時などに押して応えんを求め、ラインを
止めるなどの情報(じょうほう)を職場(しょくば)全体に
知らせることに使います。

トヨタでは、部品がうまく付けられていないなど品質の
良くないクルマを見つけた場合には、必ずその場で直して
から次の工程(こうてい)へ送るようにしています。機械の
異常があったり、部品の取り付けがおくれたりした時など
にも「呼び出しボタン」を押します。

すると「アンドン」とよばれる表示板(ひょうじばん)に
電気がつき、どの場所で「呼び出しボタン」を押したのか
一目でわかるようになっています。それを見て応えん者が
かけつけて問題を解決(かいけつ)します。

もし一定の時間内に直らなければ、コンベアは自動的に
止まり、そのまま次の工程へ送らない仕組みになって
います。

かんばん

部品の種類や数などが書かれたカード。

トヨタでは、「必要な時に必要なものを必要なだけ」つくる
しくみになっています。部品箱には「かんばん」とよばれる
カードが付いていて、これには、必要な部品の種類・数などが記入してあります。

これを使って、部品工場はつくり過ぎのムダがなくなり、
組み立て工場は使わない部品を置くスペースのムダが
なくなります。これによって、必要な部品が必要な時に
必要なだけ、届くしくみになっています。

1台のクルマは約3万個の部品からできています。これらの
部品は、トヨタと世界中にある協力会社がつくっています。
その部品の注文や納品に役立つのが「かんばん」です。

部品箱から最初の部品を使うときに、箱に付いている
「かんばん」を外します。組み立て工場で定期的に
「かんばん」を回収(かいしゅう)して協力会社へ行き、
必要な部品を引き取りに行きます。協力会社では、その時
わたした部品をまたつくります。

こうすることによって、自動車の組み立て工場は、部品を
置く場所が少なくてすみ、協力会社は部品をつくりすぎる
ムダがなくなります。

2.働く人のための工夫〔例〕

ドアレス工程

とそうした車体が組み立て工場にくると、まずドアを外して、車体への部品の取り付けを行い、最後にドアを取り付けること。

車内外の作業がやりやすくなり、シートなどロボットによる
自動積みこみも楽にできます。部品箱もドアがない分、
近くに置くことができるので作業者にとってムダな動作が
少なくなります。

それに、ドアにきずがつくのを防ぐことにもなります。また、
ドアは、別のラインで部品の取り付けを行います。

らくらくシート

イスにすわったまま、クルマの中の作業ができるもの。
トヨタで働く従業員(じゅうぎょういん)のアイデアによって
つくられた。

組み立て工場での部品の取り付けは、その多くが車内での
作業になります。

車内の部品を取り付けるとき、前かがみで出入りし、中腰
(ちゅうごし)のまま向きをかえて作業するので、腰(こし)に
負担(ふたん)がかかっていましたが、「らくらくシート」によって、楽にできるようになりました。

作業者は、つりさがった形のイスにすわり、そのイスごと
クルマの中に入っていろいろな方向にくるくると向きを
かえて部品を付けます。ネジなどもイスの横に取り付けて
あるので効率(こうりつ)良く作業できます。

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