6月10日(日)、2018年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・イタリア サルディニアの競技最終日となるデイ4が、サルディニア島のアルゲーロを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(ヤリスWRC #9号車)が総合3位で、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(#7号車)が総合7位で、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(#8号車)が総合9位でフィニッシュ。ヤリスWRCは全3台が完走を果たしました。
- #9号車(エサペッカ・ラッピ、ヤンネ・フェルム)
ラリー・イタリア サルディニアの最終日デイ4は、アルゲーロの北側で4本のSSが行なわれました。前日から続いた好天により路面は全体的にドライコンディションとなりましたが、それでも一部濡れた路面も残り、突然タイヤがグリップを失うような難しいコーナーも数多くありました。デイ3で総合3位に順位を上げたラッピは、2位とも4位ともタイム差が大きく開いていたため、無理に攻めることはせず安定した走りを続け総合3位を堅守。今シーズン初めて表彰台に上がり、ドライバーズ選手権ランキング4位に順位を上げました。オルタネーターのトラブルによりデイ3の最終SSを走り終えた後リタイアしたラトバラは、サービスでクルマを修復しラリー2規定に基づき再出走。デイ3よりもひとつ順位を上げ、総合7位でフィニッシュしポイントを獲得しました。また、デイ3で再出走したタナックはトップ3タイムを何度も記録し、ボーナスの選手権ポイントがかかる「パワーステージ」に指定された最終SSでも3番手タイムをマーク。総合順位を上げることはできませんでしたが、貴重な選手権ポイントを獲得しドライバーズ選手権ランキング3位の座を守りました。
- ヤンネ・フェルム、エサペッカ・ラッピ
- トミ・マキネン(チーム代表)
- 表彰台フィニッシュというエサペッカの結果は、素晴らしいものです。金曜日には少しタイムを失いましたが、その後は本当に良い走りでした。集中力を切らさず、ミスもしなかった彼の今回の戦いは、ポディウムに相応しいものでした。もっとも、ヤリ-マティもオットも表彰台争いをできるだけの速さがあったので、完全には満足していません。彼らふたりのクルマに問題が起こってしまい、本当に運が悪かったと思いますが、これがラリーというものですし、あのような事は特に今回のように荒れたラリーでは十分に起こり得るものです。今年のサルディニアは我々が予想していた以上にタフで、多くのクルマに問題が起こりリタイアをしました。荒れた路面にも関わらず皆全開でアタックしているので、クルマが強いだけでは十分ではなく、運も少し必要なのです。
- ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #7号車)
- 昨日は残念な結果となってしまいましたが、再出走することができて本当に良かったと思います。クルマのフィーリングは良く、タイヤをセーブしていたにも関わらずタイムも上々でした。運悪く最後のパワーステージではコーナーでエンジンをストールさせてしまいました。左コーナーに少し高い速度で入ったところ、轍が非常に深く失速したのです。今回は本当に表彰台に立ちたかったのですが、ポジティブな気持ちで休暇をとり、次戦フィンランドで再挑戦します。
- オット・タナック(ヤリスWRC #8号車)
- とてもタフな週末でしたが、多くを学びました。何が、どのような理由で起こったのかをきちんと理解し、今後同じ問題が起こらないようにする必要があります。全体的にクルマのフィーリングは良く、速さも十分にありました。我々に少し足りていなかったのは一貫性ですが、必ずや克服できると思います。チームは依然成長過程にありますが、急速に学習しています。私はチームを信頼していますし、困難を乗り越えることで我々はより強くなれると信じています。
- エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #9号車)
- 今日は問題なくクルマをフィニッシュに導くことが、自分たちの仕事でした。私自身とチームの自信を高めるために、今回の結果はとても重要な意味があります。ポディウムフィニッシュに値する戦いをしたと、自分でも思います。今回より前にもチャンスはありましたが、自分のミスでその機会を失ってしまいました。前戦ポルトガルと今回のサルディニアではミスなくラリーを戦うことができ、一貫性とパフォーマンスを両立できたので、この良い流れを次戦フィンランドに繋げたいと思います。
- 1
- ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー(ヒュンダイ i20 クーペ WRC)3h29m18.7s
- 2
- セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(フォード フィエスタ WRC)+0.7s
- 3
- エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(トヨタ ヤリス WRC)+1m56.3s
- 4
- ヘイデン・パッドン/セバスチャン・マーシャル(ヒュンダイ i20 クーペ WRC)+2m55.2s
- 5
- マッズ・オストベルグ/トシュテン・エリクソン(シトロエン C3 WRC)+3m10.9s
- 6
- クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン(シトロエン C3 WRC)+4m31.7s
- 7
- ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ(トヨタ ヤリス WRC)+11m22.1s
- 8
- ヤン・コペツキ/パヴェル・ドレスラー(シュコダ ファビア R5)+13m14.6s
- 9
- オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ(トヨタ ヤリスWRC)+13m18.2s
- 10
- テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ(フォード フィエスタ WRC)+15m30.4s
WRC次戦は、7月26日(木)から29日(日)にかけて、フィンランドのユバスキュラを中心に開催される第8戦「ラリー・フィンランド」です。ユバスキュラ近郊にファクトリーを構えるTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamにとってはホームイベントであり、昨年はラッピがWRC初優勝を果たし、ユホ・ハンニネンが3位に入るなどチームにとって2017年のベストラリーとなりました。ラリー・フィンランドはWRCでもっとも平均速度が高いグラベルラリーであり、サスペンション、エアロダイナミクス、エンジンパフォーマンスなど、クルマの総合的なパフォーマンスが求められる1戦です。
- #7号車(ヤリ-マティ・ラトバラ、ミーカ・アンティラ)
- #8号車(オット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ)
- #9号車(エサペッカ・ラッピ、ヤンネ・フェルム)
以上