トヨタ自動車(株)は、小型キャブオーバー型トラック「ダイナ」ならびに「トヨエース」のディーゼル車2t積系(1.75t~3.5t積)をフルモデルチェンジするとともに新たに4t積を追加し、5月10日より発売した。

ガソリン車、LPG車は現行型を継続して販売

  • ダイナカーゴ 標準キャブ標準デッキ フルジャストロー 2.0トン積 ディーゼル車
    ダイナカーゴ 標準キャブ標準デッキ フルジャストロー 2.0トン積 ディーゼル車
  • トヨエースカーゴ ワイドキャブセミロングデッキ フルジャストロー 2.0トン積 ディーゼル車
    トヨエースカーゴ ワイドキャブセミロングデッキ フルジャストロー 2.0トン積 ディーゼル車

新型車は、「21世紀の物流をリードするトラック」を開発テーマとし、物流の効率化に資する経済性の向上、社会との調和を図る安全性の追求と環境への配慮そしてドライバーを考えた快適性の進化を特長とする新世紀型トラックである。

  1. 経済性の向上

  • 5種類のディーゼルエンジンを新開発し、低燃費による燃料経済性を確保するとともに、動力性能を高め機動性を向上
  • フレーム板厚をクラストップの6mm(標準キャブ : 一部車種を除く)としたうえ、トランスミッションやディファレンシャルなど基本コンポーネントの耐久性を大幅にアップ
  • 標準キャブ4t積、このクラス最長のロングデッキの新設定や床面高が最も低い855mmを実現した低床ダンプの設定、さらにミキサー車など各種特装専用シャシーを新設定し、多様な用途にジャストフィットさせることで積載効率を追求

  1. 安全性の追求・環境への配慮

  • 操縦性、走行安定性を高めた新設計フロントサスペンションをはじめABS付高性能ブレーキの全車標準装備など予防安全に重点を置いた高い安全性の追求
  • 低騒音で、長期排出ガス規制をクリアした、5種の高性能ディーゼルエンジンを新開発
  • 威圧感を抑え親しみの感じられる外観とし、都市の景観への調和に配慮

  1. 快適性の進化

  • キャビンスペースの拡大、乗降性の向上、ドライバーシートの一新に加えクラス初のUVカットガラス、抗菌仕様ステアリングホイールの採用など乗用車と同等の快適性、高品質感を追求
  • 新設計フロント独立サスペンション、大型液封キャブマウントなどで振動、騒音を抑え、快適な乗り心地を実現
  • 坂道発進時でのブレーキの踏み換え操作や信号待ち時でのブレーキを踏み続ける操作を不要としたESスタート(Easy & Smooth Start)を採用し運転疲労を軽減

また、TECS(メーカー完成特装車)および「ダイナ150」「トヨエースG15」ならびに「クイックデリバリー」についても、搭載エンジンを変更し一部改良している。

ダイナ、トヨエースの概要

  1. 経済性の向上

低燃費による燃料経済性と高い動力性能による機動性を高めた5種のディーゼルエンジンを新搭載したほか、基本コンポーネントの耐久性を大幅に向上させ、重架装、長期間走行など過酷な使用条件に余裕をもって対応できるものとするとともに、多様なニーズに応える各種デッキ、各種特装専用シャシーなどを新設定

  1. 機動性を高める高性能ディーゼルエンジン

  • 低燃費と動力性能に優れ、トラックの機動性を高める新開発ディーゼルエンジン5種をラインアップ
  • 長距離走行ニーズを念頭に新開発した4.9リットル直噴ディーゼル(S05D)4.6リットル直噴ディーゼル(S05C)は、電子制御燃料噴射の採用などにより低燃費とともに低速から高速までよりスムーズなレスポンスを実現
  • 3.7リットルディーゼル(4B)は、排気量をアップし出力を向上させ、4.1リットル直噴ディーゼルターボ(15B-FTE)は、電子制御燃料噴射や高効率ターボチャージャーの採用によりクラストップレベルの170PSを実現
  • 5.3リットル直噴ディーゼル(J05C)は、高出力し、搭載車両を拡大
搭載エンジンの主要諸元
  型式 排気量
(リットル)
最高出力[ネット値]
(PS/rpm)
最大トルク
(kg・m/rpm)
ディーゼルターボ 15B-FTE 4.1 170/3,000 43/1,600
ディーゼル J05C 5.3 150/2,900 38/1,600
S05D 4.9 140/3,000 36/1,600
S05C 4.6 130/3,000 34/1,600
4B 3.7 100/3,500 25/1,800

  1. 耐久性の大幅向上

  • 板厚を従来の4.5mmからクラストップの6mmとした新開発フレームを採用(標準キャブ : 一部車種を除く)
  • 新開発の5速マニュアルトランスミッションは、1~4速の各ギヤ歯幅を拡大し大容量ベアリングを採用、またフロントおよびリヤアクスルのハブベアリングを大容量化し、さらにディファレンシャルもベアリング素材を変更するなど、長期間走行において高い耐久性を確保

  1. 輸送効率を高める幅広いニーズへの対応

  • 専用の新型ボックスフレームにより強度・剛性を高める一方、ホイールベースをクラス最長の4,200mmとし長尺物ニーズに対応したロングデッキの新設定や床面高がこのクラスで最も低い855mmを実現した低床ダンプの設定、さらにミキサー車、塵芥収集車など各種特装専用シャシーを新設定し用途にジャストフィットさせることで積載効率を追求
  • トーションバーの位置を前方へ移動させ、キャブ後端からリヤアクスル間を長くすることで架装スペースを拡大し、より多様な架装に応えられるようにするとともに、6速マニュアル車とオートマチック車あるいは4WD車の設定車種を拡大し多様な使用ニーズに対応

  1. 安全の追求・環境への配慮

予防安全に重点を置き、高い安全性を確保するとともに、低燃費、クリーン、低騒音、リサイクル性などエコロジーを多面的に追求

  1. 高い安全性の追求

予防安全
  • ブレーキはABS機能に加えフル積載での降板時といった厳しい条件下でも、電動ポンプによるアシストにより高い制動力を発揮できるシステムを新開発し全車に標準装備
  • 直進安定性、高速走行時の操舵感、ロール安定性に優れた新設計のスタビライザー付フロント独立サスペンションを採用
  • フロントウインドウを上下に拡大したうえ、ワイドビューミラーを採用することにより運転席の視認性を向上
  • 運転席周りの操作系、インストルメントパネルのスイッチ類は使用頻度や重要度に応じ、最も使用操作性に優れた位置を追求しレイアウト
衝突安全
  • キャビン骨格の強化、ドアビームの採用、フレームとの結合強化などにより、衝突時のキャビン変形を抑制するとともに小型トラックとしては初のデュアルSRSエアバッグとプリテンショナー付シートベルトをオプション設定
    SRS
    Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置)
  • 車両衝突時、ドライバーがステアリングホイールに2次衝突する際、ステアリングコラム、ステアリングホイールが変形し、ドライバーへの衝撃を効果的に吸収する新開発の衝撃吸収ステアリングコラムを採用

  1. 地球環境に配慮したエコロジーの多面的追求

  • ディーゼルエンジンは、制振・遮音を徹底することで、より低騒音化するとともに、最新の排出ガス規制に対応し、排出ガスをクリーン化
  • 木製デッキの荷台の一部に森林資源保護に寄与するケナフ(アオイ科の一年草)を、乗用車の廃棄バンパーからのリサイクル樹脂で固めたエコロジー素材のエコボードを新採用
  • インストルメントパネルやクラスターなど内装部品に、リサイクル性に優れたトヨタスーパーオレフィンポリマー(TSOP)を採用
  • 地球温暖化の要因のひとつとされるエアコン冷媒(HFC-134a)の使用量を従来型に比べ約15%削減

  1. 都市景観に調和する外観

  • フロントからサイドへ回るラインに丸みをもたせ、大型のヘッドランプやフォグランプを採用するとともに、外板色には、シルバーメタリック、ブルーを含め4色を設定し、トラックの無骨なイメージや威圧感を抑え都市景観に調和するスマートで親しみ感じられる意匠を実現

  1. 快適性の進化

ワークキャビンに求められる使用性、快適性を追求し、キャビンスペースの拡大、乗降性の向上、収納スペースの充実などとともに、新設計のサスペンションにより快適な乗り心地を実現

  1. 機能と質感を追求した明るくスマートな室内空間

  • フロントピラー角を立てフロントガラスを起こすことにより、キャビンスペースを拡大し居住性を向上させるとともにドアの開度をフロントで11度、ダブルキャブのリヤでは13度広げ乗降性を向上
  • 運転席のシートスライド量を180mm(従来型比+30mm)とし、長身の方でも余裕を持って着座出来るほか、シートバックサスペンションの採用、シートクッション長の拡大により乗心地を向上。さらにワイドキャブのフロントシートには、30度のリクライニング機構を採用し、快適性を向上
  • リヤビューモニターなどもセットできるセンターアッパーボックスをはじめ、各所に収納スペースを設定し、利便性を追求
  • ダブルキャブのフロントシートには、クラス初のリクライニング助手席シートを採用。また、リヤシートにはヘッドレストを標準装備するとともにリヤドアガラスパワーウインドウやパワードアロックを標準装備し乗用車と同等の装備を充実
  • クラス初のUVカットガラス(サイドウインドウ)の採用をはじめ、抗菌仕様を施したステアリングホイール、パーキングレバー、シフトチェンジレバーの採用など乗用車と同等の高品質感を実現
  • 全車にエアコンを標準装備したうえ、一部車種にオートエアコンを設定
  • 坂道発進時のブレーキの踏み換え操作や渋滞、信号待ち時でのブレーキを踏み続ける操作を不要としたESスタートをマニュアル車に採用し、運転疲労を軽減

  1. 乗り心地も重視したシャシー

  • 新設計のフロント独立サスペンションやキャブとフレームの結合に採用した大型液封キャブマウントなどにより車両の振動、騒音を抑え乗用車に匹敵する快適な乗り心地を実現

TECS(メーカー完成特装車)の概要

  • ベース車のモデルチェンジにあわせて、TECSについても新開発エンジンの搭載、オートマチック車、4WD車の設定拡大を実施するとともに、架装メーカーも新たに4社を採用しバリエーションを充実
  • バン型車を中心に仕様・装備を一新するとともに、車両運搬車に、クラス初のクレーン付5.7mデッキの低角度スライドボディ車を設定

ダイナ150、トヨエースG15、クイックデリバリー100の一部改良

  • ディーゼルエンジンの排気量をアップにともない、バッテリー、スターターの容量をアップさせるとともに最新の排出ガス規制に適合。また、ガソリンエンジンは触媒性能を向上させるなどの改良を実施し最新の排出ガス規制に適合
  • 外板色に新色のブルーを含む3色を設定するとともに、エアコンを全車に標準装備したほか、サイドウインドウガラスにUVカット熱線吸収グリーンガラスを採用するなど乗用車と同等の装備を新たに採用(除くクイックデリバリー100)

販売概要

  1. 販売店
ダイナ
全国のトヨタ店
トヨエース
全国のトヨペット店
クイックデリバリー100
全国のトヨタ店ならびにトヨペット店
  1. 月販目標台数
ダイナ(含むダイナ150)
1,800台
トヨエース(含むトヨエースG15)
1,200台
クイックデリバリー100
50台
  1. 店頭発表会
ダイナ
6月11日(金)より各販売店ごとに実施
トヨエース
6月の中旬より各販売店ごとに実施

主要車型 メーカー希望小売価格

ダイナ、トヨエース

(北海道、沖縄のみ価格が異なる。消費税は含まず、単位 : 千円)
  駆動 エンジン キャブ デッキタイプ 最大
積載量
(t)
リヤ
タイヤ
サスペンション トランス
ミッション
価格
デッキ長 材質 形状
カーゴ 2WD 4B 標準
シングル
標準 スチール 低床 2.0 シングル リジット 5速
マニュアル
2,515
木製 ジャスト
ロー
ダブル 独立懸架 2,630
S05C フル
ジャスト
ロー
2,880
4速
オート
マチック
3,038
標準
ダブル
5速
マニュアル
3,050
4WD 標準
シングル
リジット 3,120
2WD ワイド
シングル
ロング 6速
マニュアル
3,185
S05D 標準
シングル
高床 3.0 3,220
ワイド
シングル
超ロング 3,435
4WD S05C ロング フル
ジャスト
ロー
2.0 5速
マニュアル
3,450
2WD 15B-FTE 超超
ロング
3.5 6速
マニュアル
3,790
J05C 高床 4.0 3,795
ダンプ 2WD S05C 標準
シングル
標準 スチール フル
ジャスト
ロー
2.0 ダブル リジット 5速
マニュアル
3,100
ルート
バン
2WD 4B 4ドア 標準 スチール ジャスト
ロー
3人乗り
2.0 ダブル 独立懸架 5速
マニュアル
2,550
S05C 5ドア 2,850

TECS

(北海道、沖縄のみ価格が異なる。消費税は含まず、単位 : 千円)
  駆動 エンジン キャブ デッキタイプ 最大
積載量
(t)
リヤ
タイヤ
サスペンション トランス
ミッション
価格
デッキ長 形状
アルミバンS 2WD S05C 標準 標準 フルジャストロー 2.0 ダブル 独立懸架 5速マニュアル 3,290
中温冷凍車 S05D 4,116
クレーン付
車両運搬車
J05C ワイド 超超ロング 高床 2.9 リジット 6速マニュアル 7,100

ダイナ150、トヨエースG15

(消費税は含まず、単位 : 千円)
駆動 エンジン キャブ デッキタイプ 最大
積載量
(t)
リヤ
タイヤ
サスペンション トランス
ミッション
東京 名古屋 大阪
デッキ長 材質 形状
2WD 3Y シングル 標準 スチール スーパーシングルジャストロー 1.25 シングル 独立懸架 5速
マニュアル
1,474 1,469 1,474
5L ロング 木製 ジャストロー 1.5 ダブル 1,831 1,826 1,831

クイックデリバリー100

(消費税は含まず、単位 : 千円)
駆動 エンジン デッキタイプ 最大
積載量
(t)
リヤタイヤ サスペンション トランスミッション 東京 名古屋 大阪
デッキ長 材質
2WD 5L 標準 木製 1.25 ダブル 独立懸架 5速マニュアル 2,270 2,265 2,270
ダイナ カーゴ 車両情報はこちら
https://toyota.jp/dynacargo/
ダイナ ダンプ 車両情報はこちら
https://toyota.jp/dynadump/
ダイナ ルートバン 車両情報はこちら
https://toyota.jp/dynaroutevan/

以上

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  • ダイナカーゴ 標準キャブ標準デッキ フルジャストロー 2.0トン積 ディーゼル車
    ダイナカーゴ
    標準キャブ標準デッキ
    フルジャストロー
    2.0トン積 ディーゼル車
  • トヨエースカーゴ ワイドキャブセミロングデッキ フルジャストロー 2.0トン積 ディーゼル車
    トヨエースカーゴ
    ワイドキャブセミロングデッキ
    フルジャストロー
    2.0トン積 ディーゼル車

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