Challenge5 循環型社会・システム構築チャレンジ

基本的な考え方

世界的に人口が増加し、経済発展や利便性追求により、資源の消費スピードが上がっています。このまま大量採掘が続けば資源は枯渇し、大量消費によって廃棄物が増えれば適正な処理が追いつかず、環境汚染につながるといったリスクをともなっています。そのため、環境負荷を抑えて廃車を処理する社会システムの構築を目指す「Toyota Global 100 Dismantlers*1 Project」を立ち上げ、推進していきます。

理想的な資源循環社会を実現するためには、資源枯渇リスクと事業機会創出の可能性を把握し、「エコな素材を使う」「部品を長く使う」「リサイクル技術の開発」「廃車されるクルマからクルマを作る」の4本柱で取り組む必要があります。

究極の循環型社会の実現を目指し、世界各地で使用済み自動車(廃車)の資源が再びクルマを製造する際の資源として活用できるよう、「Toyota Global Car-to-Car Recycle Project」を推進していきます。

これらの取り組みを通じて、SDGsの9.1(インフラ開発)、9.4(持続可能な産業プロセス)、11.6(都市の環境負荷低減)、12.2(資源の持続可能な管理・利用)、12.4(廃棄物の管理)、12.5(廃棄物の削減)の達成に貢献します。

*1
Dismantlers(ディズマントラーズ)
クルマなどの解体業者
関連するSDGs

自動車リサイクルへの取り組み(冊子)

クルリサ ~クルマとリサイクル~

冊子で紹介「クルリサ ~クルマとリサイクル~」

限りある地球上の資源を有効に利用し、未来の子供たちがいつまでも豊かに暮らし続けていけるように、トヨタは、その実現のために資源循環の分野においても常に最先端の取り組みをしています。そして社会・地球の持続可能な発展に貢献します。

詳しくはこちら

クルリサ ~クルマとリサイクル~

HVバッテリーリサイクル

トヨタは、かねてより持続可能な循環型社会の構築をめざし、資源循環の分野において常に最先端の取り組みをしております。2010年10月からは、使用済みとなったハイブリッド車用ニッケル水素バッテリーからニッケルを抽出し、バッテリー原料として再資源化する世界初の“バッテリー to バッテリー”リサイクル事業を推進しています。

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回収・リサイクルマニュアルはこちら

再生可能資源・リサイクル材活用による枯渇天然資源の使用量低減

石油由来の樹脂の使用量低減

石油由来樹脂の使用量を低減するため、90年代初頭から、トヨタ販売店で修理交換されたバンパーを回収・リサイクルしています。廃車から回収される樹脂部品は、中古部品として再利用される以外は、熱源としてエネルギー利用されるか、機械分別の工程を経て、自動車用途以外の樹脂にリサイクルされています。

「TMC 修理交換済みバンパーの回収量の推移」についての詳細はこちら(環境データI)(PDF : 20MB)

希少資源/リサイクル材の再利用推進

ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)などの電動車には、従来のガソリン車に比べ、多くの希少資源が用いられています。これらの資源の中には、資源枯渇や地域偏在などのリスクを有するものも少なくありません。そこで、こうした希少資源やリサイクル材の再利用を推進するため、関係協力会社と共同で、HV用バッテリー・自動車用モーターの部品や、生産で使用する超硬工具などを回収・リサイクルする仕組みを立ち上げています。2019年3月時点の累計回収台数は、13万2,000台、自動車用モーターの磁石累計リサイクル量は41トン、タングステン*2が刃先に使われている超硬工具の累計回収量は約196トンとなりました。

*2
タングステン
全量輸入の資源で、超硬工具の刃先部の8割に使用されており、代替可能性が少ない資源

2018年度の主な取り組み

タイの事業体TMTが世界遺産で有名なアユタヤに6つのチャレンジを体現した施設をオープンし、再生可能エネルギーやリユースバッテリーを積極利用。また、同事業体のゲートウェイ工場で、日本以外では初となる使用済みバッテリーの3Rスキームを構築

詳細情報 Sustainability Data Book 2019[循環型社会・システム構築チャレンジ]再生可能資源・リサイクル材活用による枯渇天然資源の使用量低減(PDF : 20MB)

トヨタならスルスルっとバラバラに
資源回収しやすい易解体性を実現しています

銅や希少金属など、廃車の資源循環を推進するため、解体しやすく分別しやすい構造を、2003年発売の「ラウム」以降、新型車両に積極的に採用しています。

スルスルっと引き剥がされる状況をご覧ください。

  • 易解体性設計の解説ビデオ
    易解体性設計の解説ビデオ
    (解体の様子は0:55からご覧頂けます)
  • ワイヤーハーネス プルタブ式アース端子部採用
    ワイヤーハーネス プルタブ式アース端子部採用
    缶詰のフタのように引っ張るだけで容易に解体ができるようにしています。
  • ワイヤーハーネス配置の工夫
    ワイヤーハーネス配置の工夫
    ワイヤーハーネスが極力他部品に干渉することなく引き剥がすことができます。
  • ワイヤーハーネス視認性向上テープの採用
    ワイヤーハーネス視認性向上テープの採用
    重機からでも引きはがしポインが見易いように「黄緑色」テープを巻きつけています。

解体工具の変更に伴い、引きはがしポイントの形状や目印を変えてきました。(写真左が解体工具、写真右が引きはがしポイント)

  • フック掛け
    フック掛け
    (2003年以降~)
  • チェーン巻き付け
    チェーン巻き付け
    (2007年以降~)
  • 重機による引き剥がし
    重機による引き剥がし
    (2011年以降~)

解体性向上の為に、下記の取り組みも行っています。

解体性向上マーク

トヨタ独自の「解体性向上マーク」の採用

解体作業のきっかけとなるポイントに「解体性向上マーク」を付けました。

  • ハイブリッド車用バッテリーの重量部品の取外し
    ハイブリッド車用バッテリーの重量部品の取外し
    吊り具の取付位置へ解体性向上マークを付けました。
  • ドアトリムの引き剥がし
    ドアトリムの引き剥がし
    より引き剥がし荷重を低減できるポイントを割り出し、解体性向上マークを付けました。
  • インストルメントパネルの取外し
    インストルメントパネルの取外し
    V字ミゾの設置によりインパネ部分を強く引っ張ると容易に取り外せるようにしています。

「トヨタはトヨタグループ企業と共同で、2001年に「自動車リサイクル研究所」を豊田メタル(株)内に設立しました。そして、廃車の解体・部品リサイクル向上に向けた技術やノウハウを開発し、自動車設計に反映しております。

豊田メタル株式会社 自動車リサイクルの研究

2018年度の主な取り組み

「センチュリー」「カローラスポーツ」「クラウン」、レクサス「ES」「UX」に、ワイヤーハーネスの引き剥がしなどの解体作業が安全かつ短時間で行えるよう、易解体設計を織り込み

詳細情報 Sustainability Data Book 2019[循環型社会・システム構築チャレンジ]資源回収しやすい「易解体性トップレベル」の実現(PDF : 20MB)

日本で培った廃車適正処理による国際貢献

廃車が不適切に放置されたり解体されたりすると、地域の環境に影響を及ぼしたり、地域住民の健康や安全を脅かしたりする恐れがあります。こうした事態を未然に防ぐため、世界各地で環境に負荷をかけず、廃車を適正に処理する社会システムの構築を目指す「TOYOTA Global 100 Dismantlers Project」を推進しています。

2018年度の主な取り組み

  • アジア地域およびアフリカ地域における廃車処理の実態調査に着手
  • 先進国対応として、PHVの『大型電池取り外し動画マニュアル』、およびFCVの『水素ガス抜き取り動画マニュアル』を作成
  • ベトナムの事業体TMVが廃車の解体モデル工場を設置

再資源化等の実績はこちら

詳細情報 Sustainability Data Book 2019[循環型社会・システム構築チャレンジ]日本で培った廃車適正処理による国際貢献(PDF : 20MB)

廃車資源に対するオリジナルリサイクルシステムの海外展開

究極の循環型社会を実現するために、リデュース・リユース・リサイクルの考えに基づき、資源リスクや地球温暖化への対応を軸に進めている「TOYOTA Global Car-to-Car Recycle Project(TCCR)」を推進しています。

「Car-to-Car リサイクル」の推進イメージ

2018年度の主な取り組み

  • グローバルにHV電池回収、適正処理システムの再検証を実施
  • 電動車導入済みの主要地域を中心に情報連携を強化するとともに、地域ごとの課題を抽出

詳細情報 Sustainability Data Book 2019[循環型社会・システム構築チャレンジ]廃車資源に対するオリジナルリサイクルシステムの海外展開(PDF : 20MB)

生産活動における排出物の低減と資源の有効利用

生産活動における廃棄物の低減に向けて、発生源対策(設計や作り方の工夫)、再資源化や結果として得られるコスト低減などの観点から、生産技術の開発・導入および継続した日々の低減活動に取り組んでいます。2018年度のトヨタ自動車(TMC)の廃棄物量(総量)は32.2千トン(前年度比1.5%減)、生産台数当たりの廃棄物量11.2kg/台(前年度比0.4%減)となりました。グローバル廃棄物量(総量)は496千トン(前年度比0.6%減)、生産台数当たりの廃棄物量は46.2kg/台(前年度比2.7%減)となりました。

グローバル総廃棄物量と生産台数当たりの廃棄量の推移

物流活動における梱包・包装資材の低減と資源の有効利用

物流にともなう梱包・包装資材を低減するため、TMCでは出荷容器充填率の向上、使い捨ての梱包・包装資材を減らすためのリターナブル化*4、梱包・包装資材のスリム化・軽量化などに取り組んでいます。2018年度のTMCの年間総使用量は46.4千トン(前年度比1.3%増)、出荷容積当たりの梱包・包装資材使用量は6.21kg/m3(前年度と同じ)となりました。グローバルにおいては、各事業体の好事例の収集および共有に努めています。

*4
リターナブル化
物流に使用した梱包資材を出荷元に戻し、再利用すること
物流活動における梱包・包装資材の低減と資源の有効利用

適正処理関連マニュアル

トヨタでは、HVバッテリーや、CNG(圧縮天然ガス)車用ガス容器、FCV(燃料電池自動車)の水素タンクなどの適正処理や再資源化が、安全かつ効率的に行えるように、車種別のマニュアルを作成しております。

車種・型式を必ずご確認のうえ、該当車種のマニュアルを熟読していただき、安全な作業を行ってください。

トヨタの取り組みをもっと詳しく

環境報告書(PDF : 13MB)

トヨタの環境への取り組みについて年次報告書を発行しています。