環境マネジメント

基本的な考え方

トヨタは企業活動を通じて社会・地球の持続的発展に貢献することを目指し、「トヨタ基本理念(1992年、改訂1997年)」のもと、環境に対する取り組み方針を「トヨタ地球環境憲章(1992年、改訂2000年)」として定めています。また、2011年に発表した「トヨタグローバルビジョン」の中でも、「地球環境に寄り添う意識を持ち続ける」と謳うなど、トヨタが社会に提供する3つの価値*1の一つとして環境を位置付けています。こうした考え方に基づき、2015年には、環境取り組み長期ビジョン「トヨタ環境チャレンジ2050」を策定し、2016年度よりその実行計画としての第6次「トヨタ環境取組プラン(2016~2020)」を開始しました。経営に影響を及ぼす環境リスクと機会を把握し、経営計画に織り込むことで社会と共に持続的に発展できるよう取り組んでいます。この体系のもと、遵法活動やビジネスパートナーとの連携、従業員教育など、「環境マネジメント」の取り組みをグローバルで着実に推進しています。

これらの取り組みを通じて、SDGsの3.9(環境汚染の低減)、6.3(水質の改善)、11.6(都市の環境負荷低減)、12.4(廃棄物の管理)、12.6(持続可能な商慣行・報告)、12.8(持続可能なライフスタイル)の達成に貢献します。

*1
3つの価値
安全、環境、感動(ワクドキ)
関連するSDGs
環境取り組みの体系

トヨタ地球環境憲章

基本方針・行動指針・体制から構成されるトヨタの環境に対する取り組み方針を「トヨタ地球環境憲章」として定めています。

詳しくはこちら(PDF : 20MB)

トヨタ自動車(TMC)の環境マネジメント体制

チーフリスクオフィサー(CRO)を議長とした「サステナビリティ会議」においては、コーポレートガバナンスやリスクマネジメントなどの重要課題と環境に関するリスクと機会、およびそれらに対する取り組みを議論しています。さらに、「製品環境委員会」「生産環境委員会」「資源循環委員会」の3つの委員会では、各分野の課題や対応方針を検討するとともに、関係するすべての部署が連携した全社的な取り組みを推進しています。

海外の主な対象範囲(2019年3月末時点)

推進体制

連結EMSの対象会社は、財務会計上の全連結子会社および、財務上は非連結であっても環境マネジメント上重要であると判断した会社を対象としており、海外事業体における確実な環境取り組み推進と、グローバルでの取り組み体制充実のために、トヨタが事業を展開する世界6地域に環境委員会を設置しています。また、世界6地域の環境事務局リーダーおよびTMC環境部、関係部署が一堂に会す会議体(グローバル環境会議/環境戦略会議)を設置し、地域をまたぐグローバル課題に関する議論や情報共有を推進しています。

海外の主な対象範囲(2019年3月末時点)

トヨタ環境取組プラン

「トヨタ環境取組プラン」は、「トヨタ地球環境憲章」をより具体的に企業活動に反映させ、着実に推進するために取りまとめられたアクションプランで、5カ年ごとに目標を見直し、実行しています。第6次「トヨタ環境取組プラン」は、「トヨタ環境チャレンジ2050」で掲げた6つのチャレンジを具現化するため、2016~2020年度に実施すべき活動を明確にしたものです。地球環境と調和したモノづくり、クルマづくりと商品およびサービスの提供を通じて、社会、地球の持続可能な発展に寄与していきます。

第6次「トヨタ環境取組プラン」2018年度レビュー(PDF : 20MB)

連結環境マネジメントの強化推進

生産事業会社におけるISO14001認証

国内外のすべての生産事業会社を対象に、認証取得の更新により100%を維持しています。

エコ・ファクトリー活動

環境取り組みを確実に織り込み、その地域で「一番の工場」を目指すことを目的に、2003年度よりエコ・ファクトリー活動を推進しています。これは、新工場の建設や大規模な改装・生産能力の増強などのプロジェクトを対象に、企画、設備計画、操業の各段階で、環境対応を確実に織り込む仕組みを構築・展開する活動です。

2018年度の主な取り組み

  • メキシコ、米国、中国、マレーシアの6工場で実施

グローバル環境表彰

グローバル環境表彰

海外事業体の「トヨタ環境チャレンジ2050」の達成に向けて、環境改善活動の促進と、優秀な改善事例の横展*2を目的に、生産・物流事業体を対象とした「グローバル環境表彰」を実施しています。

*2
横展
改善事例やノウハウ、違反などの情報を、グループ内で共有化すること

2018年度の主な取り組み

  • 世界6地域で選抜された17チーム中、上位6チームによる発表会を日本で開催
グローバル環境表彰

遵法活動

生産活動における地域への環境リスクをゼロにするため、異常・苦情の未然防止を基本に据え、放置すると異常につながる恐れのある現象を異常ヒヤリと位置付け、すべての異常ヒヤリについて真因追求を行い、個別に再発防止を行っています。特に影響が大きいと思われる事例については、再発防止策を、全社の環境事務局会議を通じて共有しています。また、オゾン層破壊物質(ODS)の使用についても、全廃に向けて取り組んでおり、重大な排出はありません。

2018年度は、大気や水に関する重大な漏出、罰金・制裁金の支払いはなかったものの軽微な異常が環境マネジメント対象会社の中で6件(国内5件、海外1件)発生しました。

PCB*3廃棄物については、適正な社外委託処理を継続的に実施しています。生産6工場における地下水の流出防止対策は、1997年に完了しており、その後も浄化完了に向けて揚水曝気浄化を行い、基準値以下で処理しています。トリクロロエチレンの測定結果は行政に報告するとともに、地域の方にも「地域協議会」の場で説明を行っています。

*3
PCB(Polychlorinated Biphenyl)
ポリ塩化ビフェニル

各国、各地域の都市大気環境改善に資する排ガス低減

トヨタ基本理念に掲げる「クリーンで安全な商品の提供を使命とする」に基づき、環境性能に優れたクルマの開発や普及促進はもとより、大気反応解析装置を導入して大気実態の解明にも取り組んでいます。

生産活動におけるVOCの低減

VOC*4は、光化学スモッグを発生させる光化学オキシダント原因物質の一つであるため、塗装工程で排出されるVOC低減の取り組みを進めています。具体的には塗料、シンナーを低減するとともに、塗装設備改装計画と連動した取り組みと日々の低減活動を継続的に推進しています。

2018年度、TMCのボデー塗装(全ライン平均)における面積当たりのVOC排出量は15.0g/m2(前年度比4.2%増)、TMCおよび国内連結会社などのVOC排出量は21.5g/m2(前年度比±0%)となりました。また、TMCのバンパー塗装(全ライン平均)におけるVOC排出量は、176g/m2(前年度比0.4%減)となりました。

*4
VOC(Volatile Organic Compounds)
塗料や接着剤などに含まれる「揮発性有機化合物」の総称で、常温常圧で大気中に容易に揮発するため、大気汚染や土壌汚染の原因となる物質が多く、人体への影響が懸念される
VOC排出量推移

ビジネスパートナーと連携した環境活動の推進(サプライヤー)

トヨタでは、多くのサプライヤーからさまざまな分野にわたる材料・部品・設備などを調達しており、取り引きのあるサプライヤーには『TOYOTA グリーン調達*5ガイドライン』にもとづく取り組みをお願いしています。

『TOYOTA グリーン調達ガイドライン』は、「トヨタ環境チャレンジ2050」の発表を受けて2016年1月に改定し、チャレンジの理念に沿ったより幅広い環境取り組みを推奨しています。また、トヨタの一次サプライヤーのみならず、そのお取引先様への環境取り組みの展開もお願いしており、サプライチェーン*6全体のマネジメントによる持続可能な社会の実現を目指しています。日本だけでなく、海外の調達拠点からも『グリーン調達ガイドライン』を展開し、継続してサプライヤーに取り組み推進を依頼しています。

*5
グリーン調達
製品を製造するための部品、原材料、設備、その他のサービスの提供において、環境負荷の少ないものを優先的に調達すること
*6
サプライチェーン
製造業における原材料調達から、生産管理、物流、販売まで製品の全体的な流れ

TOYOTAグリーン調達ガイドライン

2018年度の主な取り組み

  • CSR勉強会において、2030マイルストーンを中心とした環境への取り組みについて説明
  • 200社以上の部品サプライヤーで構成される協豊会のテーマ研究部会において、新たに「環境」をテーマに活動を開始
  • REACH規制*7など、世界の化学物質規制へ確実に対応するため、国内のサプライヤーに自主点検を継続依頼
*7
REACH規制(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)
欧州連合(EU)において発効された、人の健康や環境の保護のために化学物質を管理する規則

ビジネスパートナーと連携した環境活動の推進(販売店、販売代理店)

トヨタと販売店・販売代理店は、製品・サービスの価値を共有し、固い信頼関係で結ばれています。環境活動においても、従来から連携した取り組みを進めてきました。国内においては、トヨタ自動車販売店協会(ト販協)とともに、『トヨタ販売店CSRガイドライン』のもと、全販売店が一丸となり、自主的な取り組みを推進しています。

2018年度の主な取り組み

  • 販売店各社の自主的な法令遵守活動のサポートツールとして、ト販協は主な法令の解説とチェックポイントを加えて内容を刷新した『法令遵守の手引き』(旧トヨタ販売店CSRチェックリスト)を展開
  • 海外販売店のワークショップにおける環境リスクを軽減するため、DERAP*8を継続実施
*8
DERAP(Dealer Environmental Risk Audit Program)
海外販売店のワークショップにおける環境リスクを軽減するための監査プログラム

グローバル環境教育・啓発活動の一層の強化

国の施策に合わせ、1973年より毎年6月を「環境月間」と定め、長年にわたり従業員の環境に対する意識・行動の向上のための取り組みを実施。1991年からは「トヨタ地球環境月間」として、活動をグローバルに広げてきました。環境月間中は、社長の環境への想いを伝える「社長メッセージ」を海外事業体がおのおのの言語で展開、全工場を含む社内各所に設置されたモニターやイントラネットを使ってイベントを告知するなど、従業員への周知を図っています。

2018年度の主な取り組み

世界水の日イベント
  • 「知る」
    新たな施策として「水」と「野生生物保護」をテーマに取り上げ、意識向上と理解促進を目的とした活動を推進(イントラネット内に特設ページの新設、啓発シールの社内展開、ポスター配付)
  • 「学ぶ」
    社外講師を招いた環境講演会、環境部長による社内セミナーの実施、「環境社会検定試験(エコ検定)」合格者への受験料補助
  • 「動く」
    「創意くふう 環境特別募集」の実施、意外性で目を惹くエコドライブメッセージの発信
世界水の日イベント

環境情報の積極的開示とコミュニケーションの充実

環境の情報開示の一層の充実に向け、年次の環境報告書やウェブサイトでは、「トヨタ環境チャレンジ2050」、第6次「トヨタ環境取組プラン」に沿った進捗状況を効果的に掲載しています。また、イベント出展などを通じて、積極的に環境情報の発信・開示を行い、幅広いステークホルダーと環境コミュニケーションを図っています。

2018年度の主な取り組み

エコノヒト
環境コミュニケーション大賞
  • 『環境報告書2018』が第22回環境コミュニケーション大賞「環境報告大賞(環境大臣賞)」を受賞
  • トヨタの取り組みを分かりやすくお伝えできるよう、企業サイトのページをESGの枠組みで再構成
  • 「トヨタ環境チャレンジ2050」達成に向けて、環境活動を行う従業員を紹介する動画コンテンツ「econohito(エコノヒト)」の続編を3本作成し公開
  • 学生との共同ワークショップ開催や、子ども向け環境イベントを通じて環境に対する意識向上を促進
econohito(動画)はこちら
エコノヒト
環境コミュニケーション大賞

関連情報

産業廃棄物処理施設の維持管理の状況に関する情報開示

2011年4月施行の「廃棄物の処理および清掃に関する法律を一部を改正する法律」を受けて、焼却施設、最終処分場の維持管理情報を公開しています。

詳細はこちら

トヨタの取り組みをもっと詳しく

環境報告書(PDF : 13MB)

トヨタの環境への取り組みについて年次報告書を発行しています。