トヨタの原点

トヨタグループの原点である「豊田綱領」に「上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を拳ぐべし」とあるように、「世のため人のためになる仕事をすること」、「クルマづくりを通じて人々の幸せや社会の発展に貢献すること」こそ、トヨタが大切にすべき価値観や行動規範であると考えています。

その原点に立ち返って、2020年に取りまとめた「トヨタフィロソフィー」において、私たちは、トヨタの使命を「幸せの量産」と定めました。お客様をはじめとする世界中のステークホルダーの幸せに貢献するために、社会と企業の持続的な発展を目指す。これは言い換えれば、「サステナビリティ経営」を実践していくことに他なりません。

  • 豊田綱領
  • フィロソフィーコーン
    フィロソフィーコーン

マテリアリティの策定

豊田 章男会長が社長を務めた14年間で、「もっといいクルマをつくろうよ」「町いちばんの会社を目指そう」「自分以外の誰かのために行動しよう」という価値観、「トヨタらしさ」が浸透し、商品・事業の土台が築かれてきました。

これから私たちがやるべきことは、この土台の上で、「幸せの量産」という使命を果たすために、さらなる成長戦略・サステナビリティ経営のあり方を描き、その道筋を具体化していくことであると考えています。

トヨタが目指しているのは、誰ひとり取り残さず、すべての人に「移動の自由」をお届けするモビリティカンパニーへの変革です。このビジョンを具現化する上での重要課題(マテリアリティ)を、お客様、地域社会・取引先、従業員というステークホルダーの視点を踏まえて、「移動価値の拡張」「安全・安心」「人類と地球の共生」「くらしと雇用を守る」「全員活躍」「強固な経営基盤」という6つにまとめています。

トヨタの原点とマテリアリティ(重要課題)

「クルマの未来を変えていこう」に込めた想い

そして、その中心にあるクルマづくりに対する想いを「クルマの未来を変えていこう」という合言葉に込めました。

将来にわたって、クルマが世の中の役に立ち、お客様を笑顔にするモビリティであり続けるためには、交通事故や環境負荷の増大、渋滞など、クルマが生み出すネガティブなインパクトを最小化し、同時に、利便性や快適性、運転の楽しさなど、クルマの感性価値を高め、ポジティブなインパクトを最大化していくことが必要であると考えています。

こうした視点を踏まえて、モビリティカンパニーへの変革に向けた取り組みを3つのステップに整理したものが、「トヨタモビリティコンセプト」です。クルマを真ん中に置いて、データやエネルギーの可動性を高め、社会システムとの融合を視野に入れて、新しい移動価値の創造に取り組んでまいります。

Toyota Mobility Concept

私たちにとって、「モビリティカンパニーに変革する」ということの意味は、クルマの進化を通じて、「モビリティ社会」をつくるお役に立ち、新しい産業構造をつくっていくことであると考えています。そのリード役を務める使命感をもって、多くの仲間とともに行動してまいります。

正解が分からない今のような時代こそ、「意志ある行動」を積み重ねていくことが重要であると思います。豊田佐吉翁が大切にしていた「百折不撓」の精神を胸に、信念をもって、クルマの未来を変えていくために挑戦し続けてまいります。ステークホルダーの皆様の変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。