1999年04月28日

トヨタ、NOx触媒システム特許の他社への供与を開始

-ダイムラークライスラー社ならびにフォルクスワーゲン社とライセンス契約を締結-

 

 トヨタ自動車(株)(以下トヨタ)は、リーンバーンエンジンや直噴ガソリンエンジンなど、希薄燃焼エンジンの排出ガス浄化技術である「NOx吸蔵還元型三元触媒システム」の特許について、このほど、ダイムラークライスラー社ならびにフォルクスワーゲン社とライセンス契約を締結した。

 この「NOx吸蔵還元型三元触媒システム」は、従来、希薄燃焼時は浄化が困難であった排出ガス中のNOxを、触媒が一旦吸蔵し、吸蔵したNOxをその後の濃空燃比運転時に瞬時に還元浄化する、画期的な排出ガス浄化システムである。
 この技術は、自動車の燃費向上、CO2削減のために採用が拡大しているリーンバーンエンジンや直噴ガソリンエンジンの排出ガス浄化に極めて有効な技術であり、日本機械学会、自動車技術会、日本化学会などから各賞を受賞し、その優秀性が高く評価されている。
 トヨタでは1994年にリーンバーンエンジンで本システムを実用化して以来、1996年には直噴ガソリンエンジン「D-4」にも採用を拡大しており、今までに約30万台の車両に搭載してきている。

 トヨタは、このシステムについて日本をはじめ、米国、ドイツ、イギリス、フランス、スペイン、オーストラリア、イタリア、スウェーデン、韓国、カナダの世界11ヶ国で特許を取得しており、取得した特許件数は周辺技術をあわせると国内外で約140件に及び、さらに約130件の特許を申請中である。
 トヨタは、こうした環境対応技術を、今後も国内外問わず導入を求める会社に対し特許供与していく考えである。

 なお、今回トヨタは、ダイムラークライスラー社より、緊急制動時に制動力を高める重要な予防安全技術である「ブレーキアシスト」の特許供与を同時に受ける。

以上

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