1999年08月27日

トヨタ、新世代交通システムIMTSの走行実験を開始

-東富士研究所内に専用実験線を建設-

 

 トヨタ自動車(株)は、ITS技術開発の一環として、軌道系と道路系交通機関の長所を融合した新しい中距離・中量輸送システムIMTS(Intelligent Multi-mode Transit System)の研究・開発を行ってきたが、このほど同社東富士研究所内に専用の実験線を建設し走行実験を開始した。

 21世紀の交通を考えるうえで、渋滞などの都市交通問題の解決や高齢者などの自由な移動手段の確保のため、より利便性・経済性に優れた公共交通システムの必要性が高まっており、IMTSはそれに応えトヨタが提案するものである。
 IMTSは、AHS*1に代表される最新のITS技術を活用して、専用道では隊列・自動走行して基幹交通の役目を果たし、一般道では通常のバスとしてドライバー走行し面交通に対応する交通システムであり、軌道系交通システムのもつ定時性・高速性と路線バスのもつ経済性・柔軟性をあわせもつシステムである。

 今回トヨタが走行実験を開始したIMTSの特長は、専用道上では複数のバスが列車のように隊列を組んで自動走行できる点であり、機械的連結を排除したことにより、需要の変動に応じた隊列台数の変更が容易に行える。また、一般道のドライバー走行により、きめ細かい路線の設定が可能となるほか、乗り換えの手間や時間も不要となる。
 なお、車両には新開発の低公害CNG*2エンジンを搭載したほか、ノンステップ低床方式を採用するなど、人と環境に優しい交通を追求している。
 そして、量産バスをベースに製作されたこの車両は、通常のバス整備工場でメンテナンスできるため、特別な車両基地の建設も不要であり、また走行には電路や軌道も不要であることから従来の鉄道や新交通システムなどに対し、建設費・維持費が低廉で済むという特長がある。

 IMTSは、その特性からも需要変動の大きい空港・主要鉄道駅やリゾート地と、周辺都市や郊外住宅地との連絡、地方都市間の中量輸送など多様な用途が考えられる。

 今後、トヨタはIMTSの走行実験を通じてシステムの完成度を高めるとともに、実験の公開により、活用方法について多方面からの意見を収集、検討し、将来の実用化につなげていく考えである。

*1
AHS
Advanced Cruise-Assist Highway Systems(走行支援道路システム)
*2
CNG
Compressed Natural Gas(圧縮天然ガス)

以上

ご参考

IMTSのシステムコンセプト
専用道
自動運転・隊列走行
一般道
通常のバスとして面交通をカバー
IMTSのシステムコンセプト
IMTS基本システム概要
車両名称 IMTSバス(低床大型バス)
動力 CNGエンジン
最高速 80~100km/h
1台あたり定員 70~80人
隊列台数 最大6台程度まで可能
最大輸送力 20,000人/h(80人/台×6台隊列×40本/h)
自動運転システム
  • 磁気ネイル検出によるレーン保持
  • ミリ波レーダーによる前方障害物検知
  • ミリ波レーダーおよび車車間通信*1による車間距離保持
  • 路車間通信*2による閉塞制御*3および駅停車・発進
*1
車車間通信
車両相互による位置・速度などの走行情報交換
*2
路車間通信
管制センターによる各車両の走行情報把握および各車両への走行指示
*3
閉塞制御
車群同士の衝突を避けるため、複数の車群が同時に一定区間内に進入しないように各車群の走行を制御
東富士研究所IMTS専用実験線概要
所在地
静岡県裾野市御宿1200 トヨタ自動車(株)東富士研究所内
コース周回長=1,544m
設計速度 =
70km/h(直線部)・35km/h(曲線部)
最小半径 =40m
最大斜度 =7%
東富士研究所IMTS専用実験線概要