2000年04月07日

トヨタ、新型車「プロナード」を発売

 

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、新型高級乗用車プロナード*1を米国より輸入し本日より全国のトヨタビスタ店(沖縄地区は沖縄トヨペット)を通じて発売した。

 新型車プロナードは「上質なゆとり」をテーマに開発した「FF最高級セダン」である。
 具体的には、FFパッケージを活かした同クラス車をはるかに凌駕する広い室内空間に最新の快適・機能装備を採用し、くつろぎの空間を実現。さらに品の良い内外装デザインや余裕の動力性能、卓越した静粛性を備えることで、きらびやかで重厚な既存の高級とは一線を画す、新しい高級を提案する新型車としている。
 またプロナードは、トヨタと米国のTTC(Toyota Technical Center,U.S.A., Inc.)が一体となり開発し、TMMK(Toyota Motor Manufacturing, Kentucky, Inc.)が生産を担当している。

  1. 同クラス車をはるかに凌駕する広い室内空間やラゲージスペースを確保したパッケージに、DVDナビゲーションを全車標準装備したほか、フロント席に本革シートやシートヒーターそしてセパレートシートに加え3人掛けも可能なベンチシートを設定
  2. エクステリアは室内の広さを活かすワンモーションキャビンの先進的な3ボックススタイルとし、インテリアは室内をラウンディッシュな造形とツートーンの配色で包み込み心安らぐ空間を創出
  3. 高性能BEAMS*2V型6気筒3.0リットルVVT-i*3エンジンの搭載をはじめ、スカイフックTEMS、新パワーステアリングの設定により静粛で高質な走りを実現
  4. クラストップレベルの低燃費10.2km/リットルを実現し、CO2排出量の削減を図りつつ、HC、NOXにおいても新排出ガス規制をさらに25%以上低減し、環境庁技術指針の「移行期低排出ガスレベル(J-TLEV)」を達成するなど、環境に配慮
  5. 予防安全ではEBD*4付ABSやブレーキアシスト、TRCに加え、画期的な車両安定性制御システムVSC*5を全車に標準装備する一方、衝突安全では最新のGOA*6を採用するなどクラス世界トップレベルの安全性を実現
プロナード3.0[GH-MCX20-AEPGK]

プロナード3.0[GH-MCX20-AEPGK]

*1
プロナード(PRONARD)
フランス語PRNER(称賛)からの造語
*2
BEAMS
Breakthrough Engine with Advanced Mechanism System(先進機構を備えた画期的エンジン)
*3
VVT-i
Variable Valve Timing-intelligent(連続可変バルブタイミング機構)
*4
EBD
Electronic Breake force Distribution(電子制動力配分制御)
*5
VSC
Vehicle Stabillity Control(車両安定性制御システム)
*6
GOA
Global Outstanding Assessment(世界トップレベルの安全性評価)
車両概要
  1. パッケージ
 同クラス車をはるかに凌駕する広い室内空間やラゲージスペースに、最新の快適、機能装備を採用
  1. 乗員空間
  1. FFレイアウトとビッグキャビンの採用に加え、サイドウインドウ面を立てることでキャビンをより広くとり、フロント、リヤ席とも肩まわりや足元にゆとりの空間を創出
    特にリヤ席のニークリアランスは、フロント席とリヤ席のヒップポイント間距離を990mmと圧倒的な長さを確保し、従来セダンとは一線を画す広さを実現
  2. 地上からのヒップポイント高さをフロント、リヤ席とも550mmに設定し、頭部や腰部の上下移動の少ない自然な姿勢での乗降を実現
  3. 「3.0L」は、フロント席に3人掛けも可能なベンチシートを採用し、あわせてコラムシフト、足踏み式パーキングブレーキとすることで、サイドウォークスルーも実現
  1. ラゲージスペース
  • 562リットル(VDA法)の大容量とし、大型スーツケースが4個収納できるほか、開口部を低くするとともに荷物の固定に便利なフックやネットを採用し、優れた使用性も確保
[車両寸法等]
(単位 : mm)
全長 4,895 室内長 2,155
全幅 1,820 室内幅 1,545
全高 1,460 室内高 1,215
ホイールベース 2,720 ヒップポイント高 550
最小回転半径(m) 5.6 550
  1. 各種快適・機能装備
  1. 豊かな量感のシートは優れたフィット感を有し、長距離走行時でも乗員に快適な座り心地を提供
    また、柔らかく高品質な本革シートやシートヒーターを「3.0“Gパッケージ”」および「3.0L」に標準装備したほか、全車の運転席にはパワーシートを標準装備
  2. 運転席と助手席での独立した温度コントロールが可能なフルオートエアコンや花粉などを除去するクリーンエアフィルターを全車に標準装備したほか、「3.0」および「3.0“Gパッケージ”」には、リヤ席にも吹き出し口を設定
  3. 7インチワイドディスプレイのエレクトロマルチビジョンは、燃費や走行可能距離などの情報を表示するほか、DVDナビゲーションの採用により、経路探索処理速度の大幅な短縮、目的地の住所戸番レベルでのピンポイント検索の実現や、FM多重放送、VICS受信機器への接続、自動車向け情報サービスのトヨタ情報通信システム・モネ(MONET)に対応。また、操作スイッチはセンターコンソール付け(除く「3.0L」)とし、手元でのリモートコントロールが可能
  4. 車両盗難を防止するため、登録されたエンジンキー以外でのエンジン始動を阻止するエンジンイモビライザーシステムを全車に標準装備
  5. AC100V・100Wまでの家庭用電化製品が使用できるアクセサリーコンセントやカップホルダー付センターアームレストのリヤ席への採用など利便性を追求
  1. エクステリア、インテリアデザイン
 先進的な3ボックススタイルや心安らぐ空間を演出する品の良いデザインを創出
  1. エクステリア
  1. サイドウインドウ面の外出しや、ピラーの立ち上がり位置を前後方向に広くとることで広い室内空間を確保したビッグキャビンをボディとワンモーションで融合させるとともに、ジャープな面とラインの構成により、先進的な3ボックススタイルを創出
  2. 独立4灯フロントヘッドランプに精緻な意匠のラジエーターグリルを配し、高級感を演出
  3. トライアングル形状のリヤコンビネーションランプと逆台形形状のライセンスプレート周りが形成するV型意匠がスポーティ感を強調
  1. インテリア
  1. 横長のメーターグラフィックとドアトリムへとつながるラウンディッシュな造形のインストルメントパネルにより、伸びやかさを表現
  2. センタークラスターを乗員側へ流麗に傾斜させパーソナル空間を演出しつつ、明るく高級感のあるアイボリーを基調とするツートーンの配色により、ラグジュアリーな空間を表現
  1. 走行性能
 ゆとりある動力性能と優れた操縦性・走行安定性により高質で滑らかな走りを実現
  1. BEAMS 1MZ-FEエンジン(V型6気筒3.0リットル VVT-i付)
  • 回転数と負荷に応じて吸気バルブタイミングを最適に制御するVVT-iや走行状態にあわせて吸気管の長さを制御する3段可変吸気システム(ACIS-IV*1)を採用し、クラストップレベルの低中速トルクを実現しつつ、優れた燃費性能を確保
  排気量
(CC)
最高出力
(kW/rpm)
最大トルク
(N・m/rpm)
10・15モード走行燃費
(km/リットル)
1MZ-FE 2,994 158(215PS)/5,800 299(30.5kg・m)/4,400 10.2*2
*1
ACIS-IV
Acoustic Control Induction System-IV
*2 「3.0“Gパッケージ”」は9.7km/リットル
  1. オートマチックトランスミッション(ECT-iE)
  1. 変速時のエンジントルクと変速クラッチ油圧をきめ細かく電子制御することで、様々な走行条件下での滑らかな変速を実現
  2. 登降坂変速制御システムにより、頻繁なシフトチェンジを抑え滑らかな走りを追求
  1. サスペンション、ステアリング
  1. 足まわりは4輪独立懸架方式とし、フロントにはマクファーソンストラット式を、リヤにはデュアルリンクストラット式を採用
    加えて、前後ともスタビライザーを設定し、しなやかな乗り心地と優れた操縦性・走行安定性を実現
  2. 「3.0“Gパッケージ”」にはスカイフック理論に基づき、路面状況や車速などに応じてショックアブソーバーの減衰力を自動的に連続制御し、4段階の走行モードが選択可能なスカイフックTEMSを標準装備
スカイフック理論
路面からの凹凸入力に対して車輪だけが上下動し、車体はショックアブソーバーを介して空間に固定させるという理論
  1. 制御バルブアクチュエーターに制御精度を高める小型ステップモーターを採用した新プログレッシブパワーステアリングにより、据え切り時から高速時まで各車速に呼応する操舵力・保舵力を確保し、ドライバーに快適なハンドリングフィールを提供
  1. 静粛性
  • エンジン本体からボディへ伝わる振動を低減するアクティブコントロールエンジンマウントを採用し、アイドリング振動を大幅に抑制。また防振サブフレームや高剛性ボディの採用、制振材・吸遮音材の効果的配置、エンジン本体の低騒音化、優れた空力特性の追求によりFF最高級車に相応しい卓越したNVH性能を実現
  1. エコロジー
 排出ガスのクリーン化やCO2の削減、そしてリサイクルへの対応など、時代要請に応え多面的に配慮
  1. 排出ガスのクリーン化
  • 全車平成12年の新排出ガス規制への適合(自動車取得税軽減対象車)はもとより、HCとNOXは平成12年規制値をさらに25%以上低減し、環境庁低公害車等排出ガス技術指針における「移行期低排出ガスレベル(J-TLEV)」も達成
  1. CO2の削減
  • VVT-i付エンジンや高効率トランスミッションの搭載はもとより、床下のフラット化など空力に配慮した各部外形デザインの採用によるクラストップレベルの空力性能(Cd値0.28)を確保することにより、10・15モード走行値で10.2km/リットル(「3.0“Gパッケージ”」は9.7km/リットル)の優れた燃費性能を実現
  1. リサイクルへの対応
  • リサイクル性に優れた熱可塑性樹脂トヨタスーパーオレフィンポリマー(TSOP)を前後バンパー、ロッカーモール、インストルメントパネル下部、コンソールなどの内外装部品に採用
  1. 環境負荷物質の低減
  • ラジエーター、ヒーターコア、ワイヤーハーネス被覆材などに鉛を含まない素材を採用
  1. セーフティ
 クラス世界トップレベルの性能を念頭に、アクティブ、パッシブ両面に先進技術を結集
  1. アクティブセーフティ
  1. オプティトロンメーターを採用し、優れた視認性を確保
  2. 全車の運転席側にワイドビュードアミラーを採用し右斜後方の視界を拡大するとともに、ハロゲンランプの約2倍の光量と伸びと広がりのある配光により視認性を高めるディスチャージヘッドランプを「3.0“Gパッケージ”」に標準装備
    このディスチャージヘッドランプには、車両の姿勢変化にかかわらず、照射軸を一定に保つオートレベリングシステムを採用
  3. 洗練されたシャシーによる優れた緊急回避運動性能の確保に加え、画期的な車両安定制御システムVSCをはじめ、EBD付ABS、TRC、ブレーキアシストなど、最新の予防安全技術を全車に標準装備
  1. パッシブセーフティ
  1. より高い速度で衝突した場合の安全性を確保するため、40%ラップオフセット前面衝突試験を64km/h、フルラップ前面衝突試験および側面衝突試験を55km/hにて実施し、進化させた衝突安全ボディGOAを採用
  2. ピラーやルーフサイドレールの内装材に衝撃を吸収するリブなどを内蔵することにより、米国の頭部衝撃緩和基準レベルの性能を追及した構造のインテリアを採用
  3. 追突された時に乗員の首部への衝撃を緩和するWIL(頸部傷害低減)コンセプトを取り入れたシート構造を全車のフロント席に採用
WIL
Whiplash Injury Lessening
  1. デュアルSRSエアバッグおよびフロント席SRSサイドエアバッグを全車に標準装備
SRS
Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置)
  1. プリテンショナー&フォースリミッター付シートベルト、点滅式シートベルト非着用警告灯を全車のフロント席に標準装備
販売概要
  1. 販売店
全国のトヨタビスタ店(沖縄地区は沖縄トヨペット)
  1. 月販目標台数
1,000台
  1. 店頭発表会
4月15日(土)、16日(日)
メーカー希望小売価格
(消費税は含まず、単位 : 千円)
  グレード エンジン トランスミッション 価格
  3.0 1MZ-FE ECT-iE(フロア) 3,150
  Gパッケージ 3,800
  3.0L ECT-iE(コラム) 3,450
ECT-iE
電子制御フレックスロックアップ付4速オートマチック(インテリジェント)
沖縄は20千円高。

以上

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    プロナード3.0
    [GH-MCX20-AEPGK]