2000年10月24日
トヨタ、マークIIをフルモデルチェンジ
-「新しい高級ドライバーズセダン」の提示-
トヨタ自動車(株)は、マークIIをフルモデルチェンジし、本日より全国のトヨペット店(東京地区は東京トヨタでも販売、大阪地区は大阪トヨタで販売)を通じて発売した。
新型マークII、クルマ好きのための「新しい高級ドライバーズセダン」の創造を念頭にプラットフォームをはじめ、エンジン、サスペンションといった主要コンポーネントを一新し、美しいスタイル、FRの操る楽しさ、上質な室内空間を高次元に融合させている。
主な特長
- ドライバーの心を昂ぶらせる、スタイル&パッケージ
流麗でダイナミックなスタイルと、ヨー慣性モーメントを低減し走行性能を高めたパッケージを高次元に融合し、新しいドライバーズセダン像を提示
- ドライバーがスマートに操れる走行性能
実用域での太いトルクと低燃費を両立した新開発 直噴2.5リットルBEAMS*1 D-4をはじめとする全車VVT-i*2付のエンジンラインアップ、5速オートマチックトランスミッション、新設計のダブルウィッシュボーンサスペンションにより、伸びのある加速性能と優れた操縦性・走行安定性を実現
- ドライバーが心満たされる室内空間
上質なシート、充実した快適装備、面一なインストルメントパネル、操作フィーリングにこだわったスイッチ類など、上品かつ精緻な仕上がりの室内空間を創出
- ドライバーの安心感を追求した安全・環境性能
EBD*3付ABS、ブレーキアシストの全車標準装備やVSC*4、SRS*5カーテンシールドエアバッグの設定をはじめ、最新のGOA*6を採用し、クラス世界トップレベルの安全性を実現。環境においては2.5リットルBEAMS D-4搭載による低燃費の実現、さらに低排出ガス車認定制度における「平成12年基準排出ガス25%低減レベル」を主要な車両で達成するなど、多面的に配慮
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車両概要
- スタイル&パッケージ
流麗でダイナミックなスタイルと、ヨー慣性モーメントを低減し走行性能を高めたパッケージを高次元に融合し、新しいドライバーズセダン像を提示
- スタイル
- フロントからリヤへ向かって流麗に流れていく、ダイナミックなプロポーション
- エンジンフードは張りのある豊かなフォルムとし、力強さと上質感をアピールするとともにシャープなレリーフで洗練された新しさを表現
- サイドは拡大したキャビンボリュームを、躍動感のあるキャラクターラインと流れるようなピラーでスポーティに昇華
- リヤは外板をランプ内に用いる特徴的な処理と張りのある面でボリューム感を強調
- グランデiR-V、グランデiR-Sには、ダーク調フロントグリルやリヤスポイラー、17インチタイヤ&アルミホイールなどの専用装備で差別化を図り、スポーティグレードとしての独自性をアピール
- パッケージ
- 全長を25mm縮小しながら、前後オーバーハングを切りつめ、ホイールベースを50mm延長させるとともに、エンジンや燃料タンクを車両の中心に寄せることにより、ヨー慣性モーメントを減少させ、操縦性・走行安定性をさらに向上
- 同時に、全高を高くとり、キャビンを広げることにより、前席・後席とも、足元、肩まわり、頭上にゆったりとした空間を確保し、ラージクラスに匹敵するゆとりの室内空間を提供
- 燃料タンクをラゲージスペース下からリヤシート下に移動させラゲージスペースを約20%向上
- スタイル
車両寸法 : 2WD車
単位 : mm、( )内は従来型との差
全長 | 4,735(-25) | 着座ポイント[地上高] | 前席 | 520(+35) | |
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全幅 | 1,760(+5) | 後左右席 | 520(+45) | ||
全高 | 1,460(+60) | ヘッドクリアランス | 前席 | 910(+20) | |
ホイールベース | 2,780(+50) | 後左右席 | 915(+20) | ||
オーバーハング | 前 | 850(-25) | 前席着座ポイントから席着座ポイントまでの距離 | 910(+30) | |
後 | 1,105(-50) | ラゲージスペース〈リットル〉[VDA法] | 475(+82) |
- 走行性能
実用域での太いトルクと低燃費を両立した新開発 直噴2.5リットルBEAMS D-4をはじめとする全車VVT-i付のエンジンラインアップ、5速オートマチックトランスミッション、新設計のダブルウィッシュボーンサスペンションにより、伸びのある加速性能、優れた操縦性・走行安定性を実現
- エンジン
- 新開発 直噴2.5リットルBEAMS 1JZ-FSE D-4エンジン
直噴化により超希薄燃焼を可能とし、さらに新型インジェクター採用による燃料噴霧の高分散化、および燃料噴霧形状とピストン頂面形状の最適化を追求することで超希薄燃焼領域を拡大し、クラストップレベルの低燃費を実現した。同時に、吸気抵抗の少ないストレートポートヘッドの採用、VVT-i、電子制御スロットルとの組み合わせにより、力強い走りとアクセルワークにリニアに応える優れたドライバビリティを実現 - 2.5リットルBEAMS 1JZ-GTEエンジン
低回転域から太いトルクを滑らかに発生させるエンジントルク制御を採用し、爽快感を向上 - 2.5リットルBEAMS 1JZ-GEエンジン
電子制御スロットルへの変更を行い、よりシフトショックの少ないエンジン制御を可能にするとともに、スムーズな吹き上がりを実現 - 2.0リットルBEAMS 1G-FEエンジン
VVT-iをはじめとする先進技術の投入で、ノンターボでクラストップレベルの動力性能を実現
- 新開発 直噴2.5リットルBEAMS 1JZ-FSE D-4エンジン
- エンジン
エンジン主要諸元
エンジン型式 | 排気量 [cc] |
最高出力 [kW/rpm] |
最大トルク [N・m/rpm] |
10・15モード走行燃費[km/リットル] |
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1JZ-FSE | 2,491 | 147(200PS)/6,000 | 250(25.5kg・m)/3,800 | 12.6*1 |
1JZ-GTE | 2,491 | 206(280PS)/6,200 | 378(38.5kg・m)/2,400 | 9.8*2 |
1JZ-GE | 2,491 | 147(200PS)/6,000 | 255(26.0kg・m)/4,000 | 9.2 |
1G-FE | 1,988 | 118(160PS)/6,200 | 200(20.4kg・m)/4,400 | 11.8*3 |
*1 | 5 Super ECT車は12.4km/リットル。ただし車両重量が1,520kg以上の場合、11.6km/リットル |
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*2 | ECT-iE車は9.4km/リットル |
*3 | 4WD車は10.6km/リットル |
- トランスミッション
- オートマチック車には、滑らかな加速を実現するスーパーインテリジェント5速オートマチック5Super ECTと電子制御フレックスロックアップ付4速オートマチック(インテリジェント)ECT-iEを採用するとともに、全車にゲート式のシフトレバーを採用し、シフト操作する楽しさに応えている。また、グランデiR-Vに設定の5速マニュアルトランスミッションは、シフト機構を新設計し、ショートストローク化などにより、ダイレクト感を向上
- ボディ、シャシー
- 新プラットフォームによりヨー慣性モーメントを減少させ、操舵応答性、収束性を一段と向上させるとともに、フロント・リヤとも新設計ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用。高剛性ボディとあいまって走行安定性とフラットな乗り心地をレベルアップ。
また、グランデiR-V、グランデiR-Sには専用のサスペンションチューニングを施し、直進安定性と旋回性の一層の向上を図った。さらに、グランデGには最新の減衰力制御である非線形H∞制御と仮想ロールダンパー制御を用いた電子制御サスペンション、H∞-TEMSを採用し、安定感のある快適な走りを追求 - 1JZ-GTE搭載車には車速によって油圧バルブの特性をリニアに切り替え、ステアリングの重さを最適に制御する新プログレッシブパワーステアリングを採用。
車速にかかわらずステアリング剛性を一定に保ち、より自然なステアリングフィールを実現
- 新プラットフォームによりヨー慣性モーメントを減少させ、操舵応答性、収束性を一段と向上させるとともに、フロント・リヤとも新設計ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用。高剛性ボディとあいまって走行安定性とフラットな乗り心地をレベルアップ。
- 超一級の静粛性
- ロードノイズは車載型サウンドシミュレーターを用いて解析し、ボディ構造の変更や防音材配置の最適化を図り、荒れた路面でも耳障りにならない音質を徹底追求した。
また、エンジン音は低回転域では徹底的に静かに、高回転域では心地良い音質のサウンドチューニングをそれぞれ行っている。風切音はフロントピラー、ドアミラーなどの形状、配置の工夫などにより大幅に低減
- ロードノイズは車載型サウンドシミュレーターを用いて解析し、ボディ構造の変更や防音材配置の最適化を図り、荒れた路面でも耳障りにならない音質を徹底追求した。
- 室内空間
上質なシート、充実した快適装備、面一なインストルメントパネル、視認性と操作フィーリングにこだわったスイッチ類など上品かつ精緻な仕上がりの室内空間を創出- シートはゆとりのサイズと厚みのあるクッションにより、優れた座り心地を実現
- 段差をなくした面一なインストルメントパネル、操作フィーリングにこだわったスイッチ類などにより、精緻で上品な高級感を演出
- グランデiR-V、グランデiR-Sにはブラック基調のインテリアに、ワインレッドの木目調パネル、本革巻き3本スポークステアリングホイール、よりホールド性を高めたスポーツシートなどを装備し、スポーティ感とともに華やかさを演出
- 高級感にあふれ、充実した室内装備
- 金属調の精緻なデザインで高級感とスポーティ感を融合した新オプティトロンメーターを全車に標準装備
- 後席への直射日光を遮るバックウインドウサンシェードを全車に標準装備
- 開閉式のフロントドアポケット(全車に標準装備)、ラゲージスペースに設置したユーティリティボックス(一部グレードを除き全車に標準装備)など使用性と収納力を向上
- タバコの煙や花粉などを除去するほか、光触媒作用で脱臭・抗菌を行う、天井ビルトイン式エアピュリファイヤーを一部グレードに標準装備
- 車両盗難防止のため、IDコードが登録された正規のキー以外ではエンジンが作動しない、エンジンイモビライザーシステムを一部グレードにオプション設定
- 全車に6スピーカーを搭載し、マークII専用の音響チューニングを図ることで、臨場感あふれる音質を実現。また、操作性に優れ、洗練された専用デザインを採用
- ドアロックのオープン時、エンジン始動時、走行時と状況に合わせて室内6カ所に配置されたLEDが発光する室内イルミネーションを一部グレードに標準装備
- スキー板やスノーボードを収納できるスライドカバー式アームレストトランクスルーを採用
- 先進のITS*1装備
- NAVI・AI-SHIFTを5 SuperECT搭載車に設定。ナビゲーションからの前方コーナー情報と、車速センサーやスロットル開度などによる勾配情報を利用し、ドライバーのアクセル操作、制動操作と連動して、コーナーの状況や勾配に対応し、4速さらには3速へのシフトダウン制御を行うもの。また、ナビゲーションによる経路案内を行っていない時でもシフト制御を可能とし、的確なエンジンブレーキとスムーズな加速により、快適なワインディングロードドライブをサポート
- 7インチワイドディスプレイのエレクトロマルチビジョン(全車にオプション)は、インストルメントパネルセンター上方の見やすい位置に設置。DVDボイスナビゲーションの採用により、経路探索処理速度の大幅な短縮、目的地の住所戸番レベルでのピンポイント検索を実現するとともに、FM多重放送、VICS*2受信機器への接続、自動車向け情報サービスのトヨタ情報通信システム・モネ(MONET)に対応
*1 - ITS
- Intelligent Transport Systems(高度道路交通システム)
*2 - VICS
- Vehicle Information and Communication System
- 安全・環境性能
EBD付ABS、ブレーキアシストの全車標準装備やVSC、SRSカーテンシールドエアバッグの設定をはじめ、最新のGOAを採用し、クラス世界トップレベルの安全性を実現。
環境においては2.5リットルBEAMS D-4エンジン搭載による低燃費の実現、さらに低排出ガス車認定制度における「平成12年基準排出ガス25%低減レベル」を主要な車両で達成するなど、多面的に配慮- 予防安全
- 優れた操縦性・走行安定性により、高いレベルの緊急回避性能を確保
- 積載状態の変化や減速による荷重変化に応じた前後輪の制動力配分を行うとともにコーナーリング中の制動時には左右の制動力配分を制御することで、車両の安定性確保に貢献する機能をあわせ持つEBD付ABSと、緊急制動時にブレーキの踏み込みが弱い場合に加え、積載時などでも強い制動力が得られるブレーキアシストを全車に標準装備
- フロントウインドウに、撥水加工ティンテッドフロントウインドシールドガラスを設定(主要グレードにオプション)し、雨天走行時の視界を確保
- ハロゲンヘッドランプはリフレクター部の設計の最適化を図り、明るさ・広がりとも飛躍的に向上。ディスチャージヘッドランプも明るさを向上
- 衝突安全
- 40%ラップオフセット前面衝突試験を64km/h、フルラップ前面衝突試験および側面衝突試験を55km/hでそれぞれ実施し、進化させた衝突安全ボディGOAを採用
- SRSエアバッグ、プリテンショナー&フォースリミッター付シートベルトならびに点滅式シートベルト非着用警告灯を全車の前席に標準装備。さらに前席SRSサイドエアバッグと、前席に加え後席をも保護するSRSカーテンシールドエアバッグをセットで全車にオプション設定
- ピラーやルーフサイドレールの内装材に、衝撃を吸収するリブを内蔵したインテリア構造を採用し、米国の頭部衝撃緩和基準レベルの性能を追求
- 追突された時に、乗員の首への衝撃を緩和するWIL*1コンセプトを取り入れたシート構造を前席に加え、後席(左右2席)にも採用
- 後席の左右2席にはISO FIX*2に対応したチャイルドシート装着専用アンカーを装備
*1 - WIL
- Whiplash Injury Lessening(頸部傷害低減)
*2 - ISO FIX
- 誤使用防止、車両適合性の向上、取り付け方法の国際的な統一を目的としたISO(国際標準化機構)規格のチャイルドシート固定方式
- 低燃費の追求によるCO2排出量削減
- VVT-i付エンジンの搭載や高効率トランスミッションの採用、エアコンの省動力化、さらに、床下のフラット化や空力性能を高める整流パーツの採用により、低燃費を追求。
特に、新開発の2.5リットルBEAMS D-4エンジン搭載車は、クラストップレベルの燃費を実現
- VVT-i付エンジンの搭載や高効率トランスミッションの採用、エアコンの省動力化、さらに、床下のフラット化や空力性能を高める整流パーツの採用により、低燃費を追求。
- 排出ガスのクリーン化
- 1JZ-FSE、1JZ-GE、1G-FEエンジン搭載車は、HCとNOxを大きく低減し、低排出ガス車認定制度における「平成12年基準排出ガス25%低減レベル」を達成
- リサイクルへの対応
- リサイクル性に優れた熱可塑性樹脂トヨタスーパーオレフィンポリマー(TSOP)を、前後バンパーや内装材に採用。また、樹脂部品については材質識別に役立つマーキングを実施
- 環境負荷物質の低減
- ラジエーター、ヒーターコア、ワイヤーハーネス被覆材などを鉛フリーとし、車両全体の鉛使用量を2005年末までに1/3以下('96年比)に低減するという業界自主目標を早期に達成
- 予防安全
ウェルキャブ(メーカー完成特装車)
- 助手席回転シート仕様(“Aタイプ”“Bタイプ”)
- 高齢者や身障者が乗降しやすい助手席回転シートを両タイプとも一部グレードに設定するとともに、“Bタイプ”にはラゲージスペースへの車いすの積み下ろしが容易にできる電動式の車いす収納装置を標準装備
- フレンドマチック取付用専用車
- 下肢障害者が手だけで運転できるように操舵力を約50%軽減した専用パワーステアリングなどを標準装備した特装用車両を一部グレードに設定したほか、運転補助装置や専用運転席シートの取付けにも対応可能
販売概要
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- 販売店
- 全国のトヨペット店
(東京地区は東京トヨタでも販売、大阪地区は大阪トヨタで販売)
-
- 月販目標台数
- 6,000台
-
- 店頭発表会
- 10月28日(土)、29日(日)
メーカー希望小売価格
(消費税は含まず、単位 : 千円)
グレード | 駆動 | エンジン | トランスミッション | 価格※ | |
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グランデ | 2WD(FR) | 1G-FE(2.0リットル) | ECT-iE | 2,350※1 | |
1JZ-FSE(2.5リットル直噴) | 2,730※1 | ||||
グランデG | 5 Super ECT | 3,060※2 | |||
グランデG-tb | 1JZ-GTE(2.5リットルターボ) | ECT-iE | 3,330※2 | ||
グランデiR-S | 1JZ-FSE(2.5リットル直噴) | 5 Super ECT | 2,950※2 | ||
グランデiR-V | 1JZ-GTE(2.5リットルターボ) | 5速マニュアル | 3,330※2 | ||
ECT-iE | 3,360※2 | ||||
グランデ Four | 4WD | 1G-FE(2.0リットル) | 2,650※1 | ||
“Sパッケージ” | 2,460※3 | ||||
グランデG Four | 1JZ-GE(2.5リットル) | 3,260※2 |
※ | 沖縄は26千円高 |
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※1 | 北海道は30千円高 |
※2 | 北海道は25千円高 |
※3 | 北海道は32千円高 |
ウェルキャブ メーカー希望小売価格
(消費税は含まず、単位 : 千円)
駆動 | エンジン | トランスミッション | 価格※ | |
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助手席回転シート仕様“Aタイプ※1” | 2WD(FR) | 1G-FE(2.0リットル) | ECT-iE | 2,427 |
4WD | 2,727 | |||
2WD(FR) | 1JZ-FSE(2.5リットル直噴) | 2,807 | ||
フレンドマチック取付用専用車 | 2WD(FR) | 1G-FE(2.0リットル) | 2,394 | |
4WD | 2,694 |
※ | 沖縄は26千円高、北海道は30千円高 |
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※1 | “Bタイプ”は136千円高で、消費税は非課税 |
以上