1970年05月06日
カローラシリーズおよびスプリンターをフルモデルチェンジ
同時にカローラ・クーペも新発売
トヨタ自動車販売(株)は5月6日、カローラシリーズとスプリンターをフルモデルチェンジし、あわせて新車種カローラ・クーペをシリーズに加え、同日より全国一斉に発売する。
カローラシリーズおよびスプリンターは、昭和41年10月に生産を開始以来、わずか3年5ヵ月後の、昭和45年3月に100万台目をラインオフ、我が国におけるミリオンセラー最短達成新記録を作った。また、3月の販売台数が、輸出も含め5万3,000台という国際的規模の文字通りのベストセラー・カーとして、日本の大衆車市場をリードして来た。
このたびのモデルチェンジは、消費者の向上する欲求に合わせるため
- 安全性
- 居住性
- 高速連続走行性能
- 豪華さ
- 車種バリエーション
等をレベルアップすることを設計の目標とし、曲面構成を大胆に取り入れ長く、広く、低くなった外観と、ヘッドレスト一体式のハイバックチェアやローズウッド模様の計器盤といった北欧家具調のインテリアを採用し、PCVバルブ付きのブローバイガス還元装置、ひざを守るニー・プロテクター、2段開きドアを装備する等、安全公害対策でも一段と拡充し、従来の大衆車概念を大幅に上まわった車となっている。
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- トヨタ カローラ 4ドア ハイデラックス
(KE20-FN)
- トヨタ カローラ 4ドア ハイデラックス
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- トヨタ スプリンター デラックス
(KE25-BD)
- トヨタ スプリンター デラックス
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- トヨタ カローラ クーペ SL
(KE25-S)
- トヨタ カローラ クーペ SL
同時にモデルチェンジしたスプリンターは、一段と流麗さを増したファストバックスタイルで登場、特に全車種コンソール・ボックスとディスク・ブレーキを標準装備とし、また、デラックスについても準高速型のエンジンを搭載して性能の向上を図り、ユースマーケット向きの、車として、その位置を特長づけている。
また、新発売のカローラクーペは、多様化しながら拡大化するユーザー層の欲求に合わせ開発されたもので、ファストバックの流麗なスタイル、豪華な内装、そして5人乗りの広い室内をもち、単なる若者向けの車ではなく、むしろもっと幅広い層へのアプロ―チを企図している。
車種はSLとデラックスの2種類。
カローラクーペとスプリンターの相異点はラジエーターグリルを中心にした外観、計器盤を始めとする内装、各種装備品およびデラックス車のエンジン馬力等であるが、その性格はクーペがファミリー向け、スプリンターがユース・マーケット向け、と大別出来よう。
カローラ商用車は、セダンを基本に設計され、乗用車のレベルアップに加えて広い荷室と後部1枚ドアのハネ上げ角度の増加等、豪華さと使い易さを加味している。
なお、販売予定台数は年内ピーク時において輸出を含めて月に7万2,000台(カローラ乗用車シリーズ3万8,000台、スプリンター7,000台、カローラバン1万台、輸出1万7,000台)である。
価格は据置き、ただしスプリンターデラックスは新価格。
- 新型カローラシリーズの特長
- スタイル
- ロングノーズ、ショートデッキの精悍でスピード感あふれたシルエット
- クーペはフルファストバックのより流麗なスタイル
- 躍動する<曲面美>で構成された、優雅で流れるようなボデーライン
- スポーティな空気取入口(エアインテーク)
- グレーを基調とし樹脂のガーニッシュ(飾り)を使用した個性的なフロント
- ボデーのデリケートなうねり<面>で構成された、サイド・ビュー
- 三角窓がなく、大きなウィンドウの近代的明るさ
- SL、クーペSLにはスポーティなアクセント・ストライプ
- エレガントなスタイルをより生かすメタリック塗色(ルーミナス・カラー)
- 車両寸法も、従来のカローラより、全長で90mm、全幅で20mm、ホイールベースで50mm、長くなっている。
- 居住性
- 室内長1,700mm 室内幅1,290mm
- リヤシート幅、ショルダー部分の幅の増加によりゆったりした後席
- ひとクラス上の車に匹敵する465mm×540mmのフロントシート
- どんな体格の人にも適応できる160mmのシートスライド幅(従来120mm)
- 大衆車のイメージを破った豪華で落ち着いた室内
- ローズウッド模様の計器盤(ハイデラックス、SL、クーペSL)
- SL車にはタコメーターを標準装備
- サイド・ウィンドウのくもりどめにも使えるセカンダリーベンチレーターの採用
- 2ドアセダンおよびクーペの後席両側にひじかけと小物入れ(コーラ・ボックス)を装備(デラックス、ハイデラックス、SL)
- 乗り降りしやすい2段開きドア
- いつも快適な室内温度(温度調整可能な強力ヒーター、フレッシュフロー)
- 夜間便利なヒーターコントロール・ライトの採用(デラックス、ハイデラックス、SL)
- ハイデラックス、SL、クーペSL車およびトヨグライト車には豪華なコンソールボックスを標準装備。(オプション使用の時計はコンソールボックスに装着)
- クーラー、カーステレオ等の高級オプションも計器盤下にしっくりおさまる専用設計
- 高速性能
- エンジンは1,200cc
77馬力(SL、クーペSL)
73馬力(ハイデラックス)
68馬力(スタンダード、デラックス、クーペデラックス、バン系) - ピッチング、ローリングの少ないロングホイールベース、ワイドトレッド
- マクファーソンタイプのフロントサスペンションの改良による高速安定性の増大
- 燃量タンク容量を45L(従来39L)とし、高速道路の長距離連続走行も余裕をもって出来るようにした。(バン系は40L入り)
- 最高速度は、
160km/h(SL、クーペSL)
150km/h(ハイデラックス、クーペデラックス)
145km/h(デラックス、スタンダード、バン系) - 0-400m加速は
17.7秒(SL、クーペSL)
18.5秒(ハイデラックス)
18.6秒(デラックス、スタンダード) - 高速でも浮き上らないフィン付きワイパーを採用
- エンジンは1,200cc
- 安全、公害対策
- 全車種エンジンにP・C・Vバルブつきブローバイガス還元装置の採用
- 安全パッドをふんだんに使用した室内設計
- ひざを守るニープロテクターをつけ、計器盤の鉄板むき出しをなくしている。(SL、クーペSL、デラックス、クーペデラックス、ハイデラックス)
- 運転席、助手席ともヘッドレストと一体化したハイバックチェアの標準装備
- 運転席、助手席にリトラクター付ワンタッチの3点式安全ベルトを標準装備
- 防眩処理の計器盤、スイッチ類
- 無反射のコーン型計器
- 埋め込み式のドアハンドル、ドアロック
- 衝突時にエネルギーを吸収する衝撃吸収ハンドルの装備(ハイデラックス、SL、クーペSL)
- 後輪ブレーキのロックを防ぎ左右のバランスを取るPバルブを装備(ハイデラックス、SL、クーペSL)
- 後輪ブレーキの自動調整装置(SL、クーペSL)
- 前輪ディスク・ブレーキの装備(ハイデラックス、SL、クーペSL)
- 全車種にウィンドウ・ウォッシャーを標準装備
- 三角窓のない広い視界
- 助手席にアシストグリップ、サンバイザーを装備(デラックス、クーペデラックス、ハイデラックス、SL、クーペSL)
- 盗難防止のためステアリング・ロックを装備(ハイデラックス、SL、クーペSL)
- その他、部分強化フロント・ガラス、ヘッドランプホーン、脱落式インナーミラー、リヤシート用シートベルト取付装置など現行カローラに採用している安全対策はもちろんすべて実施されている。
- 注文装備品
- 黒のレザートップ
- 時計
- AM-FMラジオ
- カーステレオ
- クーラー
- ラジアルタイヤ
- スタイル
- 取扱販売店および車種体系
- 価格(2ドア車)
新型スプリンターの特長
- スタイル
- 流れるようなファストバッグスタイル、エンジンフード、ラジエーターグリルなどは、より精悍なスタイルになり、リヤの大型三分割式テールランプと合わせ、力強さを表現している。
- スプリンターのS字をかたどったシンボルマークを新設。これは陸上ランナー(スプリンター)の疾走する姿を表している。
- SLのサイドミラーは新設計の流線型。
- 居住性
- 全車にコンソールボックスを標準装備。
- デラックスの計器盤は角型を採用。
- 高速性能
- エンジンは1,200cc
77馬力(SL)
73馬力(デラックス) - 最高速度は、
160km/h(SL)
155km/h(デラックス) - 0-400m加速は
17.7秒(SL)
18.5秒(デラックス)
- エンジンは1,200cc
- 安全、公害対策
- 全車に前輪ディスクブレーキを標準装備
- 全車の後輪ブレーキに、ロックを防ぎ、左右のバランスを取るPバルブを標準装備
- その他の安全公害対策装備はカローラクーペと同一
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注2 |
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注3 |
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以上