1991年06月12日

トヨタ、カローラならびにスプリンターをフルモデルチェンジ

-新時代を見すえた次世代基準の創出 ジャストサイズの新クォリティカー誕生-

 

 トヨタ自動車(株)は、カローラシリーズならびにスプリンターシリーズのセダンおよびクーペ(カローラレビン、スプリンタートレノ)をフルモデルチェンジし、6月12日よりカローラは全国のトヨタカローラ店、スプリンターは全国のトヨタオート店を通じて一斉に発売した。
 今回のフルモデルチェンジでは、21世紀に向けて、「新時代を見すえた次世代基準の創出」を基本コンセプトに、来るべき“心に響く感動を求める時代”にふさわしい、新しいクォリティをもつグローバルジャストサイズカーをめざして開発した。
 セダンは伸びやかなスタイルとゆとり、クーペはスポーティなスタイルと高性能な走りを特長としている。

 開発の主な狙いは次のとおり。

  1. 知的な美しさあふれるスタイルと人に優しいアメニティ空間の創出
  2. 「走る」「曲がる」「止まる」の全てを一段と進化させた卓越した走行性能の実現
  3. 心を満たす安心感を生む安全性・信頼性の徹底的追及
車両の特長
  1. 知的な美しさあふれるスタイルと人に優しいアメニティ空間

 ボデースタイルは、やわらかい曲線を基調に、高品位で空力特性にも優れた知的な美しさをもつ造形とした。
 また、室内の快適さ、便利さを形づくる要素を改めてひとつひとつ追求することにより、乗る人が深い満足感を得られる、豊かなアメニティ空間を創出した。

  1. 知的な美しさあふれるスタイル

     洗練された美しさ、優れた空力特性、快適な居住性をハイレベルでバランスさせた、高品位なボデースタイルとした。

    伸びやかで躍動感のあるセダン
    • カローラは大型ヘッドランプや横一文字のリヤコンビネーションランプなどを配した、格調高いプロポーションとした。
    • スプリンターは局面豊かなプレスドア採用の美しさと力強さを合わせもつ、ワンモーションフォルムのスタイルとした。
  • カローラセダン 1500SE-L(AE100-AEMEK)'91.6〔オプション装着車〕
    カローラセダン
    1500SE-L(AE100-AEMEK)'91.6
    〔オプション装着車〕
  • スプリンターセダン 1600SE-G(AE101-BEMQK)'91.6〔オプション装着車〕
    スプリンターセダン
    1600SE-G(AE101-BEMQK)'91.6
    〔オプション装着車〕
スポーツマインドあふれる流麗なクーペ
  • カローラレビンはフォグランプとコーナリングランプを調和させたヘッドランプ、スモーク調グリルなどによりエレガントでスポーティなフォルムとした。
  • スプリンタートレノはスポーティ性に加え、プロジェクターヘッドランプの採用などにより、スペシャルティ性を強調した。
  • カローラレビン 1600GT APEX(AE101-ACMZF)'91.6〔オプション装着車〕
    カローラレビン
    1600GT APEX(AE101-ACMZF)'91.6
    〔オプション装着車〕
  • スプリンタートレノ 1600GT APEX(AE101-BCMZF)'91.6〔オプション装着車〕
    スプリンタートレノ
    1600GT APEX(AE101-BCMZF)'91.6
    〔オプション装着車〕
  1. 人に優しいアメニティ空間

     乗る人を優しく包み込むアメニティ空間とするために、快適さ、便利さを形づくる要素を入念に再検討し、高いレベルでの完成をめざした。
     まず、セダン、クーペとも、それぞれの特長にマッチした優れた居住性を確保した上で、圧迫感がなく視認性のよいコクピット、自然な姿勢で手が届く操作系、シートやドアトリムの質感の高い肌触り、エンジンマウント方式の変更やボデーのフラッシュサーフェス化などによるエンジン振動、風切音など振動・騒音の大幅な低減、心地よいカーオーディオと空調システムなど、それぞれを高いレベルで完成させるとともに、総合的に極めて豊かな室内空間を創出した。

    ゆとりのセダン
    • ゆとりのある快適な移動空間を形成するために、室内長、室内幅、室内高を全て拡大するとともに、フロントシートの形状や取り付け方法を工夫して後席の人の足元スペースを拡大するなど、ゆったりとした室内スペースを実現した。
      さらに、トランクルームおよびグローブボックスの容量拡大、運転席ロアパネルへの小物収納ボックスの設置などにより、余裕のある収納スペースも確保した。
    ジャストフィットクーペ
    • スポーティな走りに必要とされる適度なタイト感を大切にした室内とし、特にシートはホールド性を画期的に向上させた。
       加えて、セダン、クーペともに、以下に代表される装備を充実させ、クラスを超えた人に優しい豊かなアメニティ空間を創出した。
      1. 8スピーカー・新世代DSP(Degital Signal Processor)搭載のスーパーライブサウンドシステム〔クーペ系SJおよびGT APEX以上にオプション設定〕と、6スピーカーのライブサウンドシステム〔セダン系SE-L以上にオプション設定、クーペ系全車型に標準またはオプション設定〕
      2. カイパー・レカロ社(独)製シート〔クーペ系GT-Zにオプション設定〕とモモ社(伊)製ステアリングホイール〔クーペ系GT APEX以上に標準またはオプション設定〕
      3. 本革シート〔クーペ系GT APEX以上にオプション設定〕
      4. 運転席のパワーシート〔セダン系SE-Gに標準〕
      5. スピードメーターをデジタル化したデジタルメーター〔セダン系SE-G、クーペ系SJおよびGT APEXにオプション設定〕
      6. 6 : 4分割可倒式リヤシートバック〔セダン系GTとクーペ系全車に標準〕
      7. オートエアコンの標準装備〔セダン系SE-L以上とクーペ系SJ以上〕
      8. ワイヤレスドアロックリモートコントロール〔セダン系SE-Gに標準〕
      9. コンライト〔セダン系SE-Gに標準〕
  1. 「走る」「曲がる」「止まる」の全てを一段と進化させた卓越した走行性能

 エンジン、サスペンション、ブレーキ、ボデー剛性、さらにはシートにいたるまで、「走る」「曲がる」「止まる」にかかわる全ての要素を統合し、新設計することにより、各要素を高次元で融合させた卓越した走行性能を実現した。
 この結果、ドライバーの意思に機敏に反応する、ゆとりあるパワーと高い運動性によって、緊急時の危険回避にも優れたアクティブな安全性を一段と向上させた車両とした。

  1. 優れた資質をさらに磨き上げたエンジンラインアップ

     高効率指向のハイメカツインカムエンジン、スポーティ走行にマッチする高性能ツインカムエンジン、そして低燃費と高トルクが特長のディーゼルエンジン、これら全てのエンジンがもつ資質を生かしつつ、ひとつひとつ構成部品から見直すとともに、先進技術の採用により優れた動力性能と耐久性を確保した。
     さらに、滑らかな吹き上がりや、空調・暖機などの季節によるエンジン負荷変動にきめ細かく対応し、低燃費を実現するなど、実用走行での扱いやすさ、心地よさを画期的に向上させた。

    4A-FE型(直4-1.6L、最高出力115ps/6000rpm)
    5A-FE型(直4-1.5L、最高出力105ps/6000rpm)
    4E-FE型(直4-1.3L、最高出力100ps/6600rpm)
    • 動弁系、吸排気系などを全て新設計し、低燃費と常用回転域での高トルク、さらには高出力・ハイレスポンスを一層高い次元で両立させた第2世代ハイメカツインカムエンジン。
    4A-GE型(直4-1.6L、最高出力160ps/7400rpm)
    • 吸・排気効率を高めることにより出力・レスポンスを向上させるマルチバルブ方式をさらに進化させた5バルブ(吸気側3弁、排気側2弁)、走行状況に応じて吸気側バルブの開閉時期を2段階に制御する可変バルブタイミング機構(VVT)各気筒独立スロットル、さらには、排気効率を高めるデュアルマフラーなど、数々の先進技術の採用により、ターボなどの過給装置なしで排気量1リッター当たり100馬力を達成した高性能スポーティエンジン。
    4A-GZE型(直4-1.6L、最高出力170ps/6400rpm)
    • 新採用のデュアルマフラーなどにより、優れた動力性能をさらに向上させたシリーズ最高峰のスーパーチャージャー採用の高性能スポーティエンジン。
    2C型(直4-2.0L、最高出力73ps/4700rpm)
    • バルブタイミングの変更やEGR(排気ガス循環装置)のデジタル制御などにより、実用走行性能をさらに高めた、燃費の優れた新世代ディーゼルエンジン。
  2. 卓越した高性能シャシー

     シャシーは、アクティブな安全性を生み出す基本部分であるという認識のもと、車両の安定性を徹底的に追及し、その上で最良の操縦性を求めるという考え方に基づいて開発を進めた。
     フロント、リヤともマクファーソンストラット式サスペンションを新設計し、旋回性能、高速直進安定性などを格段に向上させ、質の高い操縦性、走行安定性と緊急回避性能を実現した。
     さらに、よりスポーティな走りを実現するフロントサスペンションとして、リンク構成を一新したスーパーストラットサスペンション〔クーペ系GT-Zに標準、GT APEXに仕様車設定〕を新開発した。
     この新サスペンションは、ステアリング軸まわりのモーメントの低減とキャンバー角変化のコントロールにより、旋回時や高速直進時はもちろん、極限に近い走行条件下での緊急回避などでも卓越した運動性能を実現した。
     また、ブレーキのサイズアップに加え、滑りやすい路面での制動時に特に威力を発揮する4輪ABSを全車型に設定〔標準またはオプション〕するなど制動時の優れた車両の安定性を確保し、さらにスポーティなクーペシリーズには急旋回時でも4輪の制動力をバランスよく制御する横G(横方向の加速度)センサー付4輪ABS〔スーパーストラットサスペンション仕様車に標準〕を新開発した。
     加えて、走行状態に応じてダンパーの減衰力を自動的に3段階に切り換える上下G(上下方向の加速度)感応TEMS〔クーペ系GT APEXにオプション設定〕や、駆動輪に常に確実な駆動力を伝達するビスカスカップリング式LSD(差動制限装置)〔クーペ系GT-Zに標準〕、高性能15インチタイヤ195/55R15〔スーパーストラットサスペンション仕様車に標準〕などを採用した。

  1. 心を満たす安心感を生む徹底した安全性・信頼性

 安全性については、従来より基本設計から重点的に取り組んでおり、さらに、予防安全・衝突安全の視点から見て、世界トップレベルの安全なクルマ造りをめざすとともに、各種安全装備も充実させた。
 また、クルマを構成する全ての部品・システムをひとつひとつ見直し、従来の概念を超えた極めて高い信頼性・耐久性を確保した。

  1. 充実した予防安全性能

     車両の優れた走行性能と緊急回避運動性能の確保、良好な運転視界の確保、被視認性の向上、操作しやすく快適なコクピットの実現など、徹底した予防安全性能の充実を図った。
     サスペンションの改良、4輪ABS(スーパーストラットサスペンション仕様車は横Gセンサー付)やビスカスカップリング式LSDの採用などにより、優れた走行性能と緊急回避運動性能を確保した。
     また、ウインドシールドへの映り込みの防止といった細かな配慮配慮に加え、ハロゲンヘッドランプ〔全車標準〕や、車両コーナー部の障害物を探知するクリアランスソナー〔セダン系SE-Gにオプション装備〕の採用などにより、運転視界を充分確保するとともに、大型ランプ類、ハイマウントストップランプ〔全車型に標準またはオプション設定〕の採用により被視認性も向上させた。
    さらに、最新の人間工学に基づいたスイッチやメーターの配置に代表される使いやすい操作系装備類の実現や、からだにフィットし座り心地のよいシート、高性能な空調システムなどによる疲れの少ないコクピットを実現した。

  2. 充実した衝突安全性能

     各国の事故データに基づき多様な事故形態に配慮し、最新の大型コンピュータによる解析を踏まえ、ボデーの前・後部をより合理的なクラッシャブル構造とするとともに、客室を構成する骨格部分を変形の少ない強固な構造とするなど、安全な空間の確保や乗員の救出の容易性を高いレベルで実現し、優れた衝突安全性能を確保した。
     この他、エネルギー吸収性能に優れた新設計のステアリングホイールをはじめ、様々な体型の方にもフィットするシートベルトの採用など、きめ細かい設計配慮を行うとともに、全車にサイドドアビーム、リヤ3点式シートベルト、シートベルトウォーニングを採用。
     さらに、シートベルトの補助装置である運転席用SRSエアバッグをオプションで全車型に装着可能とするとともに、全車にタバコの火の不始末などによる失火防止に役立つ室内難燃化材料の採用を拡大した。

  3. 徹底した信頼性・耐久性

     様々な使用環境条件のもとでも長期間安心してご使用いただけるように、クルマを構成するあらゆるシステムあるいは部品について、徹底的に見直し、従来の概念を超えた高い信頼性・耐久性を実現した。
     メーターの照明用バルブの長寿命化や配線コネクター端子のダブルロック化ならびに重要回路への金めっき端子の積極的採用といった細かな配慮から、電気式スピードメーターの採用(従来はケーブルを用いた機械式)、エキゾーストパイプのオールステンレス化、あるいはシャシー部品をも含めた防錆鋼板の大幅な採用により、ボデー、エンジン、シャシー、各補機部品の信頼性・耐久性を飛躍的に向上させるとともに、メンテナンスフリー化を一層推進した。

販売概要
  1. 販売店
    カローラシリーズは全国のトヨタカローラ店
    スプリンターシリーズは全国のトヨタオート店
  2. 月販目標台数
    カローラセダン 18,000台
    カローラレビン 6,000台
    カローラシリーズ合計 24,000台
    スプリンターセダン 9,000台
    スプリンタートレノ 3,000台
    スプリンターシリーズ合計 12,000台
  3. 店頭発表会
    セダン系
    • 6月21日(金)、22日(土)、23日(日)
    クーペ系
    • 6月29日(土)、30日(日)
メーカー希望小売価格

以上