2007年07月03日

トヨタ自動車、むち打ち傷害軽減を図る「アクティブヘッドレスト」を開発

 

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、後方から衝突された際の乗員の頸部への傷害軽減を図る「アクティブヘッドレスト」を開発し、近々発売予定の新型車を皮切りに、順次採用を拡大していく。

 トヨタでは、市場事故実態を反映した実安全性能の向上が最も重要であると考え、全方位コンパティビリティ、歩行者傷害軽減ボディ、WILコンセプトシートをはじめとした衝突安全技術を進化させてきた。今回の「アクティブヘッドレスト」の開発は、WILコンセプトシートをさらに進化させたものであり、後方から衝突された際に、ヘッドレストを適切な位置に移動させることにより、乗員の頸部への衝撃を緩和し、むち打ち傷害軽減に寄与するものである。

 今後もトヨタは、「サステイナブル・モビリティ」実現に向けた取り組みの一環として、モビリティ社会の究極の願いである「交通事故死傷者ゼロの実現」に貢献するため、「安全な車両・技術開発」はもとより「交通環境整備への参画」「人に対する交通安全啓発活動」を通じ、交通安全への幅広い取り組みを強化していく。

WIL : Whiplash Injury Lessening(頸部傷害低減)

【新開発「アクティブヘッドレスト」の特長】

  新開発の「アクティブヘッドレスト」は、頭部と背中を同時に受け止め、頸部への衝撃を緩和するWILコンセプトシートをさらに進化させたものである。具体的には、後方から衝突された際、乗員の腰がシートバックを押すことで、内蔵された機構が作動し、ヘッドレストが斜め上方に移動する。
これにより乗員の頭部をヘッドレストで確実かつ素早く受け止め、乗員の頸部への衝撃を緩和し、むち打ち傷害軽減に寄与する。(乗員の体格や乗車位置・姿勢にもよるが、社内試験において、従来のWILコンセプトシートに対し、社内で採用の頸部傷害評価指標を10~20%程度低減)
<システム概念図>
システム概念図
  • シートバックに内蔵されたロアユニットが、乗員の腰により押されることで、ケーブルを通じてアッパーユニットに伝わり、ヘッドレストが作動
<ヘッドレストの作動イメージ図>
ヘッドレストの作動イメージ図
  • ヘッドレストが斜め上方(上方30mm、前方25mm)に移動することで、頭部をヘッドレストで確実かつ素早く受け止める
以上

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  • システム概念図
    システム概念図
  • ヘッドレストの作動イメージ図
    ヘッドレストの作動イメージ図