2005年05月16日
燃料電池車用高圧水素タンクを自社開発
トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、燃料電池車用の35MPaおよび70MPaの高圧水素タンクを自社で開発し、高圧ガス保安協会*1の認証を、35MPaタンクは昨年4月、70MPaタンクは本年1月にそれぞれ取得した。さらに35MPaタンクについては、同協会が本年3月に高圧水素の安全基準として新たに規定した「圧縮水素自動車燃料装置用容器の技術基準」にも本年4月に適合し、使用期間の認可が、これまでの3年間から15年間へと延長された。
今回トヨタが開発した高圧水素タンクの特長は、水素漏れ防止の役割を担うライナー(タンクの最も内側の層)に、強度が高く水素透過防止性能に優れたナイロン系樹脂を採用したことに加え、タンクの外側をカーボンファイバーで巻いたオールコンポジット製としたことにより、軽量化と高強度を実現したことである。
ナイロン系樹脂を採用することでライナーの厚みを抑えたことにより、35MPaタンクは、従来のタンクに比べ、同一の外形サイズのままで水素貯蔵量が約10%増加している。これにより燃料電池ハイブリッド乗用車「トヨタFCHV*2」は、10・15モード走行での航続距離を、従来の300kmから330kmへと延ばすことが可能となる。さらに70MPaタンクについては、「トヨタFCHV」に搭載するためにサイズも含めて設計し、従来の35MPaタンクに比べ水素貯蔵量を約1.7倍にまで増加させたことにより、10・15モード走行で500km以上の航続距離を可能としている。
また、タンクに装着する高圧バルブもトヨタグループ内で新たに開発し、電磁遮断弁をタンク内に配置した新構造のインタンク式高圧バルブを採用することで、信頼性を高めている。
トヨタは、燃料電池車の開発において、これまで心臓部となるFCスタックをはじめ燃料電池システムの主要部品を自社開発し、2002年12月に「トヨタFCHV」を世界に先駆けて、日米で限定販売を開始して以降、国内で11台、米国で5台を販売している。また、燃料電池バスについても、東京都営バスの営業路線での実証評価(2003年8月~2004年12月)に続き、現在開催中の日本国際博覧会「愛・地球博」では8台の燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」で会場間の観客輸送を担っている。
一般への大量普及に向けては、コストをはじめ解決すべき課題が多い中、トヨタは航続距離を確保するための水素貯蔵技術を重点課題の一つとして、高圧水素タンク以外の水素貯蔵方式についても開発を進めていく。
なお、今回トヨタが開発した燃料電池車用高圧水素タンクの詳細技術は、5月18日からパシフィコ横浜で開催される(社)自動車技術会の2005年春季大会で発表予定である。
今回トヨタが開発した高圧水素タンクの特長は、水素漏れ防止の役割を担うライナー(タンクの最も内側の層)に、強度が高く水素透過防止性能に優れたナイロン系樹脂を採用したことに加え、タンクの外側をカーボンファイバーで巻いたオールコンポジット製としたことにより、軽量化と高強度を実現したことである。
ナイロン系樹脂を採用することでライナーの厚みを抑えたことにより、35MPaタンクは、従来のタンクに比べ、同一の外形サイズのままで水素貯蔵量が約10%増加している。これにより燃料電池ハイブリッド乗用車「トヨタFCHV*2」は、10・15モード走行での航続距離を、従来の300kmから330kmへと延ばすことが可能となる。さらに70MPaタンクについては、「トヨタFCHV」に搭載するためにサイズも含めて設計し、従来の35MPaタンクに比べ水素貯蔵量を約1.7倍にまで増加させたことにより、10・15モード走行で500km以上の航続距離を可能としている。
また、タンクに装着する高圧バルブもトヨタグループ内で新たに開発し、電磁遮断弁をタンク内に配置した新構造のインタンク式高圧バルブを採用することで、信頼性を高めている。
トヨタは、燃料電池車の開発において、これまで心臓部となるFCスタックをはじめ燃料電池システムの主要部品を自社開発し、2002年12月に「トヨタFCHV」を世界に先駆けて、日米で限定販売を開始して以降、国内で11台、米国で5台を販売している。また、燃料電池バスについても、東京都営バスの営業路線での実証評価(2003年8月~2004年12月)に続き、現在開催中の日本国際博覧会「愛・地球博」では8台の燃料電池ハイブリッドバス「FCHV-BUS」で会場間の観客輸送を担っている。
一般への大量普及に向けては、コストをはじめ解決すべき課題が多い中、トヨタは航続距離を確保するための水素貯蔵技術を重点課題の一つとして、高圧水素タンク以外の水素貯蔵方式についても開発を進めていく。
なお、今回トヨタが開発した燃料電池車用高圧水素タンクの詳細技術は、5月18日からパシフィコ横浜で開催される(社)自動車技術会の2005年春季大会で発表予定である。
| *1 | 経済産業省管轄の団体で高圧タンク等の認証業務を担当する機関 | |
| *2 | FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle(燃料電池ハイブリッド車) |
以上



