2003年05月12日
トヨタ、新型ラウムを発売
トヨタ自動車(株)(以下トヨタ)は、ラウムをフルモデルチェンジし、5月12日より全国のネッツトヨタ店ならびにトヨタビスタ店を通じて発売した。
2代目となる新型車は、「クルマづくりにおけるユニバーサルデザインの追究」を開発テーマに掲げ、すべての人にやさしく、使いやすいことに徹底的にこだわり、新たに策定したユニバーサルデザイン評価指標*を用いた開発手法によりそれを具現化した。あわせて、環境に配慮した新素材の採用をはじめ、リサイクル性を 高める新しい設計思想を取り入れるなど、21世紀のクルマの新しい価値観を反映した「人と地球にやさしく、使って楽しい、次世代ビークル」として、今後のトヨタのクルマづくりの方向を示唆するものである。 その具体的な内容は、 |
| 1. | トヨタが独自の基準で策定したユニバーサルデザイン評価指標を活用し、開発段階でお客様との対話による評価を繰り返し行うスパイラルアップの手法により、人へのやさしさ、使いやすさを一段と高いレベルで追求するとともに、その達成度を客観的に評価することで、クルマづくりにおけるユニバーサルデザインを具現化したこと、 |
| 2. | 環境・リサイクルの新スタンダードを目指し、排出ガス低減、低燃費の追求はもとより、地球にやさしい新素材トヨタエコプラスチックの採用や車両解体を容易にするリサイクル設計など環境面においてきめ細かい配慮を施したこと、である。 |
| また、高い安全性の追求はもとより、高性能・低燃費の1.5Lエンジンを搭載しトランスミッションにSuper
ECTを採用、ボディ剛性の向上とあいまって、軽快で快適な走りを実現している。 ウェルキャブ(メーカー完成特装車)においても、幅広い用途への対応を考慮し、ベース車両の特長を活かした新仕様を設定するなど、バリエーションの充実を図っている。 なおトヨタは、新型ラウムの開発で培った、「ユニバーサルデザイン評価指標」を活用したクルマづくりの手法と先進の環境・リサイクル技術のさらなる向上に取り組むとともに、今後の車両開発に取り入れていく。 |
| 【新型ラウムの主な特長】 |
| ▽ | 人へのやさしさ、使いやすさを徹底的に追求した人間中心の思想と環境へのきめ細かい配慮を具現化 |
| 1) | 乗 降 | ・ | 大開口を実現し、乗降性を画期的に革新させたパノラマオープンドア
(助手席側センターピラー内蔵ドア) |
| ・ | 楽に開閉できるパワースライドドア(助手席側) |
| ・ | 随所に配置した、乗り降りを助けるアシストグリップ | ||
| ・ | キーを携帯するだけで簡単にドアを解錠・施錠できるスマートドアロック |
| 2) | 空 間 | ・ | コンパクトなサイズでありながら、室内空間を一段と拡大した高効率パッケージ |
| ・ | 乗り降りにも空間活用にも寄与する助手席タンブルシート |
| 3) | 運 転 | ・ | 見やすく配置され視認性に優れたセンターメーターと分かりやすく教えるウォーニング表示 |
| ・ | メーターが見やすく、乗り降りしやすい楕円ステアリングホイール |
| 4) | 快 適 | ・ | 操作しやすいオーディオ・ヒーターコントロールパネル |
| ・ | 快適なIR(赤外線)センサー式オートエアコン | ||
| ・ | 肌にやさしいIR(赤外線)カット機能付ウインドシールドガラス、フレシール加工のシート表皮 |
| 5) | 環 境 | ・ | 植物を原料とする環境に配慮した新素材トヨタエコプラスチック |
| ・ | 車両解体を効率化する解体性向上マークなどの新たなリサイクル設計 | ||
| ・ | 全車で超-低排出ガスレベルを達成、2WD車は平成22年燃費基準をクリア |
ラウム"Gパッケージ" (2WD) <オプション装着車>
| *ユニバーサルデザイン評価指標 |
| ・ | 体格・身体能力にかかわらず、すべての人が使いやすく、様々な使用シーンにおいて快適に使えるクルマづくりをめざし、その達成度を具体的・客観的に評価するために、トヨタが独自の基準と手法により策定した2つの指標 |
| (1)エルゴインデックス |
| ・ | 体格や身体能力差を考慮した使いやすさの向上を図るための指標 |
| ・ | 人間工学の視点から180の評価項目を設定し、人間特性を踏まえ各項目を点数化 |
| ・ | エルゴインデックスは、Ergonomics(人間工学)とIndex(指標)を組み合わせたトヨタの造語 |
| (2)シーン適合度 |
| ・ | ユーザーがクルマに求める要求(使用シーン、使い方)の実現度合いを定量化するための指標 |
| ・ | データベース化した約100項目の使用シーン、使い方の中から、車両に応じたユーザーの要求シーン30項目を選んで実現度を点数化 |
| 【販売概要】 |
| 1. | 販売店 | : | 全国のネッツトヨタ店ならびにトヨタビスタ店 |
| 2. | 月販目標台数 | : | 4,000台 |
| 3. | 店頭発表会 | : | 5月17日(土)、18日(日) |
| 【生産工場(会社)】 |
| セントラル自動車(株) |
| 【車両概要】 |
| 1.ユニバーサルデザイン |
| (1)乗 降 |
| ・ | 助手席側のドアがピラーごと開くパノラマオープンドア(センターピラー内蔵ドア)を採用。 リヤスライドドアの開口とあわせ、幅1,500mmの大開口を実現するなど乗降性を画期的に革新 |
| ・ | フロントドアは、開く角度を3段階に設定するとともに、上方の開き方を大きくすることで狭い場所での乗り降りにも配慮 |
| ・ | 助手席側リヤスライドドアに、電動で開閉する便利なパワースライドドアを採用 (ラウム"Sパッケージ"、ラウム"Gパッケージ"、ラウム"Cパッケージ"に標準装備) |
| ・ | 乗り降りを楽にするアシストグリップを各所に配置 |
| ・ | キーを携帯するだけで簡単にドアを解錠・施錠できるスマートドアロックを採用 (ラウム"Gパッケージ"に標準装備) |
| ・ | 助手席が回転しスムーズに乗り降りできるフレンドリーシートをオプション設定 |
| (2)空 間 |
| ・ | 高効率パッケージにより、コンパクトなサイズでありながら室内空間を一段と拡大。 前後席ヒップポイント間距離を965mmとし、後席の快適性をさらに向上 |
| [車両寸法] 2WD車 |
| 全 長 (mm) |
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室内長 (mm) |
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| 全 幅(mm) |
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室内幅 (mm) |
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| 全 高 (mm) |
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室内高 (mm) |
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| ホイールベース (mm) |
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前席ヒップポイント地上高(mm) |
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| 最小回転半径 (mm) |
|
前席ヒップポイント間距離(mm) |
|
| ・ | 簡単な操作で前方へ折りたためる助手席タンブルシートを採用。多目的に使えるフレキシブルな室内空間を創造するとともに、乗降性の向上にも寄与 |
| ・ | 大きな開口のバックドアと低いフロア地上高により、使い勝手の良いラゲージスペースを実現。 また、荷物の出し入れに便利な横開きバックドアを採用 |
| ・ | リヤシートは、6:4分割可倒式と、ダブルフォールディング・リクライニング機構を備え、多彩なシートアレンジを実現 (ラウム"Sパッケージ"、ラウム"Gパッケージ"の2WD車に標準装備) |
| (3)運 転 |
| ・ | オーディオやエアコン、シフトレバーを扱いやすくシンプルにセンタークラスター部に集約 |
| ・ | シフトノブを自然に握れる形状とするなど操作性に優れたゲート式シフトレバーを採用 |
| ・ | 目盛りの大きさに配慮するとともに、照明色に柔らかなブルーグリーンを採用するなど、見やすさを追求したセンターメーター、対処方法などを分かりやすく教えるウォーニング表示を採用 |
| ・ | メーター内に各ウォーニングと連動し、ドライバーの注意を喚起するマスターウォーニングを設定 |
| ・ | センターメーターの視認性を高め、乗降性も高める楕円ステアリングホイールを採用 |
| (4)快 適 |
| ・ | 使用頻度の高い基本機能に絞り込んだ最小限の操作スイッチとするとともに、日本語表示を加えるなど、分かりやすく使いやすいオーディオパネルを採用 |
| ・ | オートおよびマニュアルエアコンとも、シンプルな2ダイヤル方式とするとともに、"くもり取り"の文字表記を設けるなど、分かりやすさと使いやすさに考慮したヒーターコントロールパネルを採用。オートエアコンには、IR(赤外線)センサーを採用し、より乗員の体感にあった空調を実現 |
| ・ | 全ウインドウガラスに紫外線を90%以上カットし、日射の透過を低減するUVカットガラスを採用。さらに、ウインドシールドガラスには、IR(赤外線)カット機能付ガラスを採用し、日射による素肌への刺激を低減するとともに、ステアリングホイール等の温度の上昇を抑制 |
| ・ | 天然シルクから抽出したタンパク質「セリシン」を繊維に定着させるフレシール加工を施した肌にやさしいシート表皮(ラウム"Gパッケージ"に標準装備)、シートカバー(販売店装着オプション)を採用 |
| ・ | 収納に関する使用実態調査に基づいて多彩な収納スペースを設置 |
| ・ | 通信機器(携帯電話またはオプションの通信モジュール)を接続することで、ニュース・交通情報の入手やEメールの送受信が可能な「G-BOOK」対応のナビゲーションシステムをオプション設定 |
| (5)エクステリア |
| ・ | 大きなキャビンを確保しながらカウルを前に出し、バランスの良いワンモーションシルエットを実現 |
| ・ | ドアハンドルの位置は、だれもがつかみやすい地上高920mm(フロントドア)に設定 |
| ・ | 運転席からの良好な視界を確保するため、前後が低く中央に起伏を持たせた特徴的なベルトライン形状を採用 |
| ・ | キャビンを支えるアンダーボディは、張りのあるドア断面とトレッド拡大により、ホイールアーチを張り出させ安定感を強調 |
| (6)インテリア |
| ・ | インストルメントパネルは、ドアトリムと合わせて水平基調とし、横への広がりを感じさせ、自分の部屋にいるような居心地の良さを演出 |
| ・ | スムーズな視線移動に配慮し、センターメーター、オーディオ・ヒーターコントロールパネルをレイアウト |
| ・ | 水平基調にマッチしたクロス調の表面処理をインストルメントパネル、ドアトリム上面に採用し、室内の連続感を強調するとともに、上質感を演出 |
| 2.環境・リサイクル |
| ・ | 自動車としては世界で初めて、さとうきびや、とうもろこしなどの植物から得られる乳酸を原料とした新素材トヨタエコプラスチックを、スペアタイヤカバー(2WD車に標準装備)、フロアマット(販売店装着オプション)に採用。 |
| ・ | 大型部品に車両解体作業効率を高める解体性向上マークの表示や、ボディ各部に解体しやすい構造を採用するなど解体・リサイクル性を向上 |
| ・ | 燃料タンクなどを鉛フリーとし、車両全体で鉛の使用量を2006年1月以降、1/10以下(1996年比)に低減するという業界自主目標を早期に達成 |
| ・ | 国土交通省の低排出ガス車認定制度における「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」を全車で達成 |
| ・ | 「平成22年燃費基準」を先行してクリア(2WD車) |
| 3.走り |
| ・ | 低・中速での豊かなトルクと高速域での軽快な加速を実現する1.5LBEAMS*1NZ-FE エンジンを搭載 |
| 排気量 [cc] |
駆動 | 最高出力 (kW[PS]/rpm) |
最大トルク (N・m[kg・m]/rpm) |
10・15モード走行燃費*[km/L] | |
| 1NZ-FE | 1,496 | 2WD | 80(109)/6,000 | 141(14.4)/4,200 | 16.2 |
| 4WD | 77(105)/6,000 | 138(14.1)/4,200 | 15.0 |
| *国土交通省審査値 |
| ・ | 滑らかで応答性の良い変速を実現するSuper ECT(スーパーインテリジェント4速オートマチック)を採用 |
| ・ | フロントサスペンションには、マクファーソンストラット式、リヤサスペンションには、2WD車がトーコレクト機能付トーションビーム式、4WD車はラテラルロッド付4リンク式を採用。 高いボディ剛性の確保とあいまって、上質な乗り心地と、優れた操縦性・走行安定性を実現 |
| ・ | 4WD車にはフレックスフルタイム4WDを採用 |
| *BEAMS | : | Breakthrough Engine with Advanced Mechanism
System (先進機構を備えた画期的エンジン) |
| 4.安全 |
| ・ | パノラマオープンドア(助手席側センターピラー内蔵ドア)の採用に伴い、助手席側ドアの上下にドアロックを配置するとともに、ドアロック間を補強部材で強化。さらにドア開口部まわりについても補強部材で強化することにより、運転席側のセンターピラーと同等の強度と剛性を確保 |
| ・ | 車両安定性制御システムVSC*1をオプション設定 |
| ▽その他の主な安全装備 |
| <アクティブセーフティ> |
| ・ | EBD*2付ABS |
| ・ | ブレーキアシスト |
| ・ | ディスチャージヘッドランプ(ロービーム)(オプション設定) など |
| <パッシブセーフティ> |
| ・ | コンパティビリティの概念を取り入れ進化させたGOA*3 |
| ・ | 歩行者傷害軽減に配慮したボディ構造 |
| ・ | 運転席・助手席SRS*4エアバッグ など |
| *1 | VSC | : | Vehicle Stability Control | |
| *2 | EBD | : | Electronic Brake force Distribution(電子制動力配分制御) | |
| *3 | GOA | : | Global Outstanding Assessment (クラス世界トップレベルを追求している安全性評価) |
|
| *4 | SRS | : | Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置) |
| 5.ウェルキャブ |
パノラマオープンドアを活かした新商品や多彩なバリエーションを設定。 助手席リフトアップシート車(パノラマタイプ)は、従来の回転・昇降機能に加え、パノラマオープンドアの大開口を活かし、充分な足下スペースを確保しながらの回転・昇降を可能とする新機能を追加。 また、国内コンパクト車では初となる後席回転スライドシート車を設定。 |
| <設定仕様> |
| ・ | 助手席リフトアップシート車(パノラマタイプ) "Aタイプ"/"Bタイプ" |
| ・ | 後席回転スライドシート車 "Aタイプ"/"Bタイプ" |
| ・ | フレンドリーシート車(助手席回転シート車) "Aタイプ"/"Bタイプ" |
| ・ | フレンドマチック車/フレンドマチック取付用専用車 "タイプ I"~"タイプ IV" |
| 【メーカー希望小売価格】 | (消費税は含まず、単位:千円) |
| グレード | 駆動 | エンジン | トランスミッション | 価格* |
| ラウム | 2WD(FF) | 1NZ-FE (1.5L) |
Super ECT | 1,398 |
| “Cパッケージ” | 1,498 | |||
| “Gパッケージ” | 1,618 | |||
| “Sパッケージ” | 1,698 | |||
| ラウム | 4WD | 1,578 | ||
| “Cパッケージ” | 1,678 | |||
| “Gパッケージ” | 1,798 | |||
| “Sパッケージ” | 1,868 |
| Super ECT:スーパーインテリジェント4速オートマチック |
| * | 北海道は、ラウム、ラウム"Cパッケージ"は17千円高。ラウム"Gパッケージ"は20千円高。 ラウム"Sパッケージ"は22千円高。沖縄は22千円高。 |
| 【ウェルキャブ メーカー希望小売価格】 | (消費税は含まず、単位:千円) |
| ベースグレード | 駆動 | エンジン | トランスミッション | 価格 | ||
| 助手席リフトアップシート車 “A タイプ”*1 |
ラウム“Cパッケージ” | 2WD(FF) | 1NZ-FE (1.5L) |
Super ECT | 1,788 | |
| ラウム“Gパッケージ” | 1,908 | |||||
| ラウム“Cパッケージ” | 4WD | 1,968 | ||||
| ラウム“Gパッケージ” | 2,088 | |||||
| 後席回転スライドシート車 “A タイプ”*2 |
ラウム“Cパッケージ” | 2WD(FF) | 1,693 | |||
| フ レ ン ド リ | シ | ト 車 |
“A タイプ” | ラウム“Cパッケージ” | 4WD | 1,743 | ||
| ラウム“Gパッケージ” | 1,863 | |||||
| “B タイプ”*2 | ラウム“Cパッケージ” | 2WD(FF) | 1,633 | |||
| ラウム“Gパッケージ” | 1,753 | |||||
| ラウム“Cパッケージ” | 4WD | 1,813 | ||||
| ラウム“Gパッケージ” | 1,933 | |||||
| フレンドマチック車*3 | ラウム“Cパッケージ” | 2WD(FF) | 2,178 | |||
| 4WD | 2,358 | |||||
| フ レ ン ド マ チ ッ ク 取付 用 車 *3 |
“タイプ I” | ラウム“Cパッケージ” | 2WD(FF) | 1,708 | ||
| ラウム“Gパッケージ” | 1,828 | |||||
| ラウム“Cパッケージ” | 4WD | 1,888 | ||||
| ラウム“Gパッケージ” | 2,008 | |||||
| “タイプ II” | ラウム“Cパッケージ” | 2WD(FF) | 1,928 | |||
| 4WD | 2,108 | |||||
| “タイプ III” | ラウム“Cパッケージ” | 2WD(FF) | 1,778 | |||
| ラウム“Gパッケージ” | 1,898 | |||||
| ラウム“Cパッケージ” | 4WD | 1,958 | ||||
| ラウム“Gパッケージ” | 2,078 | |||||
| “タイプ IV” | ラウム“Cパッケージ” | 2WD(FF) | 1,998 | |||
| 4WD | 2,178 | |||||
| *1 | "Bタイプ"は70千円高。"Aタイプ""Bタイプ"とも消費税は非課税 |
| *2 | "Bタイプ"は70千円高で消費税は非課税 |
| *3 | 消費税は非課税 |
以上



