2005年06月10日

新しい車両安全技術を開発

 

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、安全な車両開発を推進するため、アクティブステアリング機能を統合した「VDIM」と「SRSツインチャンバーエアバッグ」を新たに開発した。
 これらの技術は、本年夏発売予定のレクサスブランドの新型車に搭載する。

 交通安全対策の重要性がますます高まる中、今後もトヨタは、モビリティ社会の究極の目標である「交通事故死傷者ゼロの実現」に貢献するため、
「死傷者ゼロ・事故ゼロ」の追求を念頭に、「より安全な車両開発」はもとより「人に対する交通安全啓発活動」「交通環境整備への参画」を通じ、交通安全への幅広い取り組みを強化していく。
【今回開発した技術の特長】   *詳細は別紙ご参照
  1.VDIM*1(アクティブステアリング統合制御)
  VDIMは、車両安定性制御システムであるVSC*2と、ABS・TRC・電動パワーステアリングなどのシステムを統合し、ドライバーの操作と車両の挙動を常に把握することにより、車両の挙動が限界に至る前から制御を開始し、車両姿勢を安定させるものであり、2004年7月に世界に先駆けてクラウンマジェスタに搭載した。
今回開発した新しいVDIMは、ハンドルの操作量とタイヤの切れ角の関係をフレキシブルに変化させることができるVGRS*3を用いて、前輪の切れ角を最適にコントロールするアクティブステアリング機能を新たに統合した。
これにより、車両左右輪の接地面の摩擦係数(滑りやすさ)が異なるような不安定な路面での発進・制動時においても、ブレーキ・エンジン・ステアリングトルクと併せて前輪の切れ角を最適に制御することで、車両が偏向することを防ぎ、より高い予防安全性と理想的な車両運動性能を実現。
  *1 VDIM :  Vehicle Dynamics Integrated Management
  *2 VSC : Vehicle Stability Control
  *3 VGRS : Variable Gear Ratio Steering
  2.SRSツインチャンバーエアバッグ
  優れた乗員保護性能を追求し、オムニサポートコンセプト*4を取り入れた、新しい形状のエアバッグ「SRSツインチャンバーエアバッグ」を世界で初めて*5開発した。
この新しいエアバッグ(助手席に装着)は、二つの袋形状とすることにより中央部にくぼみを設け、展開直後に乗員を頭・肩などの多面で受け止め、乗員への荷重を分散させることを狙いとしている。
これにより、一つの袋状に展開する現状のエアバッグに対して展開直後に局所的にかかる人体への負担を軽減する効果が期待できる。
  *4 オムニサポートコンセプト(omni-support concept) 乗員を多面で受け止め衝突時の荷重を分散させ人体への負担を軽減する考え方
  *5 2005年5月現在。トヨタ調べ
以上
<別紙>
▽VDIM(アクティブステアリング統合制御)システム構成
DIMシステム構成
▽SRSツインチャンバーエアバッグ
  ■展開形状   ■荷重分散イメージ
  展開形状   荷重分散イメージ:正面視
      荷重分散イメージ:平面視

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  • DIMシステム構成
    DIMシステム構成
  • 展開形状
    展開形状
  • 荷重分散イメージ:正面視
    荷重分散イメージ:正面視
  • 荷重分散イメージ:平面視
    荷重分散イメージ:平面視