2001年12月21日
トヨタ、グローバル人材育成機関「トヨタインスティテュート」を設立
トヨタ自動車(株)(以下トヨタ)は来年1月に、トヨタ及びその海外事業体を含めたグローバルトヨタの経営者、ミドルマネジメントを育成する人材育成機関「トヨタインスティテュート」を社内組織として設立する。
トヨタでは近年、事業の地域的な広がり、事業領域の拡大に伴い多様な価値観を持つ人達がトヨタのオペレーションに参画してきている。こうした中、今後のグローバルトヨタ発展の為には、これまで暗黙の内に伝承されてきたトヨタの経営哲学、価値観、実務遂行上の手法等の共有が急務と判断。本年年央にこれらの考え方を「トヨタウェイ」として冊子にまとめ、グローバルトヨタ内に展開した。
更に今回トヨタではこのトヨタウェイを共有し、21世紀のグローバルトヨタの事業展開を担う人材が確実かつ継続的に輩出されるよう、社内の人材育成に関わる仕組みをハード、ソフトを含め抜本的に見直しを実施。グローバルトヨタの人材育成の牽引役を担う機関として、トヨタインスティテュートを設立する。
トヨタインスティテュートの初代学長は社長の張富士夫が就任。企画、運営を担当する事務局はグローバル人事部長が事務長を兼任、専任スタッフなどを加え16名で発足。また数年後に専用施設を国内に建設する予定であるが、2002年春より既存の研修施設を利用しプログラムを実施する。
その具体的プログラムは、グローバルトヨタの経営人材育成を目的とする『グローバルリーダー育成スクール』と、トヨタウェイ実践の為の実務教育を目的とする『ミドルマネジメント育成スクール』を設置。プログラムの内容については社外一流教育研究者、教育機関(米国ペンシルバニア大学ウォートン校、一橋大学など)の協力を得て現在開発中である。
各プログラムの概要は別紙の通り。
トヨタは近年一層の厳しさを増すメガコンペティション時代において、人材育成を最重要課題のひとつと捉えている。トヨタインスティテュートはその全世界的な中枢とするもので、トヨタウェイの共有を軸に各事業体の有機的な結合を強化して、グローバルトヨタ全体の経営効率の向上を目指し、調和ある成長を続けていきたいと考えている。
≪設立概要≫ |
(1)正式名称・ロゴ |
トヨタインスティテュート
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(2)設立の狙い |
・ トヨタウェイの共有を通して真のグローバル化を推進。
・ グローバルトヨタの人材育成の牽引役として教育体制の整備を推進。 |
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(3)設立時期 | 2002年1月 | |||||||
(4)施設 |
三ケ日研修所等、既存施設を当面利用。
(数年後に専用施設新設の予定) |
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(5)教育内容 | 『グローバルトヨタの経営人材育成』と『トヨタウェイ実践の為の実務教育』 | |||||||
(6)対象 | トヨタ及び海外事業体のグローバルリーダー候補者、ミドルマネジメント層 | |||||||
(7)教授陣 | トヨタ役員、基幹職、社外一流教育機関講師等 | |||||||
(8)組織 |
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≪プログラム概要≫ |
グローバルリーダー育成スクール | ミドルマネジメント育成スクール | |||||
狙い | グローバルトヨタの視点で、リーダーシップが発揮できる経営人材の育成 | 製造、販売部門等、主要部門別に各部門のトヨタウェイを体系的に理解し、実践できるマネジメントの育成 | ||||
内容 |
・ トヨタウェイに基づく指導力の向上
・ 経営知識、スキルの強化 ・ グローバル人脈形成 |
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受講 対象 |
全世界の将来のグローバルリーダー
約180人/年 |
全世界のミドルマネジメント300人/年 |