2002年02月22日

トヨタ、2002年のモータースポーツ活動および支援計画を発表

 

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、"フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)"への初参戦、"FedExチャンピオンシップ・シリーズ(CART)"へのエンジン供給による参戦、および全日本GT選手権参戦を始めとする国内活動支援を中心とした、2002年のモータースポーツに関する活動および支援計画を発表した。

 トヨタは、1999年1月のF1参戦表明以来、フル・コンストラクター(単独チーム)での参戦を目指し、チームの拠点となるトヨタモータースポーツ(有)(TMG:Toyota Motorsport GmbH、ドイツ・ケルン市、以下TMG)の施設の拡張を行うと同時に、グランプリ開催サーキットでのテスト走行を重ねるなど、F1カー開発を進めてきた。約3年間の準備期間を経て、今シーズン初戦となるオーストラリア・グランプリが、トヨタF1チーム"パナソニック・トヨタ・レーシング"にとってデビュー戦となる。

 FedExチャンピオンシップシリーズ(CART)では、初のマニュファクチャラーズタイトル獲得に向け、参戦チーム(5チーム8台)へのエンジン供給を行うほか、国内においても全日本GT選手権シリーズや全日本F3選手権シリーズへの参戦支援を行う。

 また、トップドライバーを継続的かつ長期的に育てることを目的とした"トヨタ・ドライバー育成プログラム"については、日本国内での活動に加え、TMGを中心に欧州における活動も併せて行うことで、才能ある人材の発掘と育成を行っていく。

 さらに、モータースポーツの基盤を支える活動については、日本国内でのワンメイクレース"ESSOフォーミュラトヨタシリーズ"や"Netz Cup(ヴィッツシリーズ・アルテッツァシリーズ)"の開催、米国での"CART・トヨタ・アトランティック・シリーズ"へのサポートなど、積極的な支援を継続的に行うことにより、モータースポーツの発展に寄与していく。

 なお、トヨタのモータースポーツ活動は、東富士研究所のモータースポーツ部を中心に、トヨタテクノクラフト(株)TRD(日本)、TRD‐USA Inc.(米国)、TMG(欧州)の3ヵ所を各地域の拠点として位置付けて活動を行っている。
 
 2002年の活動および支援活動の概要、および"トヨタ・ドライバー育成プログラム"の内容は次の通り。
 
【活動および支援計画概要】
 
1.フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)
フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)へフル・コンストラクター(単独チーム)にて参戦
ドライバーは、ミカ・サロ(24号車)およびアラン・マクニッシュ(25号車)
テスト・ドライバーは、ステファン・サラザン、およびライアン・ブリスコ
TMGを拠点とし、F1カー開発およびチーム活動を実施
日本サイドについては広範囲かつ迅速なレベルアップに向け、エンジン開発および材料技術、電子制御技術、生産技術等の先行開発を中心に担当、またエンジン主要部品等の供給も実施
2.FedExチャンピオンシップ・シリーズ(CART)
"FedExチャンピオンシップ・シリーズ"に参戦する5チーム8台を、米国トヨタ自動車販売(株)(以下、TMS)およびTRD-USAを通じ、エンジン開発・供給で支援
昨年、性能・燃費・信頼性に高い実績を残した"RV8F"の進化型エンジン、"RV8Fα"を初戦より全チームに投入
<トヨタRV8Fα・スペック>
型式名称 RV8Fα
エンジン形式 V8ターボ
排気量 2.65リットル
ターボ加給圧 34インチ
燃料 メタノール
エンジン供給チームとドライバーは下記の通り
<エンジン供給チームおよびドライバーのラインナップ>
チーム ドライバー
ニューマン/ハース・レーシング クリスチアーノ・ダ・マッタ
クリスチャン・フィッティパルディ
パックウエスト・レーシング・グループ スコット・ディクソン
オリオール・セルビア
パトリック・レーシング タウンゼント・ベル
ターゲット/チップ・ガナッシ・レーシング ケニー・ブラック
ブルーノ・ジュンケイラ
ウォーカー・レーシング 高木虎之介
3.その他の活動支援

 <日本国内>
トヨタテクノクラフト(株) TRD(以下、TRD)を通じ、下記のカテゴリーへの支援を実施。TRDは、主に参戦マシン設計・開発・製作を担当するほか、トヨタ車を使用する各カテゴリーのプライベートチームへの技術的支援も実施
 
(1)全日本GT選手権シリーズ (JGTC)
"全日本GT選手権 (JGTC)シリーズ"に参戦するチームを支援
参戦車両はスープラ(GT500クラス)およびMR-S(GT300クラス)
<支援チームおよびドライバーラインナップ(暫定)>
  チーム名 ドライバー
GT500 トヨタ・チーム・セルモ 竹内浩典、立川祐路
トヨタ・チーム・トムス 土屋武士、ワイン・ガードナー
トヨタ・チーム・トムス 黒澤琢弥、パオロ・モンティン
トヨタ・チーム・ルマン 脇阪寿一、飯田章
トヨタ・チーム・サード ジェレミー・デュフォア、織戸学
土屋エンジニアリング 山路慎一、荒聖治
KRAFT 影山正彦、 ――(未定)
GT300 アペックス 新田守男、高木真一
RACING PROJECT BANDOH 田中実、後藤聡
トムス・スピリット 松永雅博、 ――(未定)
(2)全日本F3選手権シリーズ
"全日本F3選手権"に参戦する下記チームを支援
<支援チームおよびドライバーラインナップ(暫定)>
チーム名 ドライバー
トムス パオロ・モンティン
トムス 横溝直輝
トムス 片岡龍也
トムス 平中克幸
NOWMOTORSPORTS 吉本大樹
  (3)ESSOフォーミュラトヨタ・シリーズ
1990年以来、ESSO(エッソ石油)にご支援を頂いている、ワンメイク・フォーミュラレース"ESSOフォーミュラトヨタ・シリーズ"の開催(全10戦)
カーボンコンポジット製シャシーの採用による安全性向上、およびラジアルタイヤとL.S.D.の採用による上級カテゴリーへのステップアップを考慮した新型車(FT30)を今シーズンから採用
 
(4)Netz Cup"アルテッツァ・シリーズ"、"ヴィッツ・シリーズ"
"観る"から"参加する"をコンセプトに2000年にスタート、これまで延べ約2600名(アルテッツァ・シリーズ約600名、ヴィッツ・シリーズ約2000名)の参加者を記録
(A)"アルテッツァ・シリーズ"
主要サーキットを網羅する全国シリーズとし、全10戦を開催
(B)ナンバー付レース"ヴィッツ・シリーズ"
昨年の4つの地方シリーズ(東北、関東、関西、西日本) 全25戦に、北海道シリーズ全2戦が加わった5シリーズ全27戦を開催
各地方シリーズの上位者が集うチャンピオン戦を富士スピードウェイにて実施
参戦用車両ヴィッツ"TRD‐MSB"が生産累計500台を達成(2月現在)
 
  (5)その他各種グラスルーツ活動への支援
各種活動(スーパー耐久シリーズ、全日本ラリー選手権、全日本ダートトライアル選手権など)における参戦チームへの支援
ヴィッツによるワンメイク・ラリー"TRD Vitz Challenge"の開催(全6戦)B級ライセンスで初心者も参加が可能なイベントを目指し、今シーズンよりスタート
"トヨタモータースポーツクラブ(TMSC)"の活動支援等
 
 <米  国>
TMSおよびTRD-USAを中心に、CARTへの参戦に加え、主に下記の活動を支援
(1)CART・トヨタ・アトランティック・チャンピオンシップ・シリーズ
4A-Gエンジンの供給について、2004年シーズンまで契約を更新
2002年は全12戦、約30台をサポート
(2)チャンピオンシップ・オフロード・レーシング(CORR)
"タンドラ"および"タコマ"で参戦するチームを支援
  (3)NASCARGoody's ダッシュ
"セリカ"で参戦するチームを支援
  (4)Grand-Amカップ・スポーツ・ツーリング
レクサス"IS300"で参戦するチームを支援
(5)ナショナル・ホット・ロッド・アソシエーション(NHRA)ドラッグレース
"タンドラ"および"セリカ"で参戦するチームを支援
CARTチャンピオンシップ・シリーズにおいて、今年で28回目のスポンサードとなるロングビーチ・グランプリに加え、フォンタナの計2戦をスポンサード
2003年からのIRL(Indy Racing League)参戦に向けた3.5リットル V8エンジンの開発
 
 <欧  州>
ヤリス(日本名ヴィッツ)1.3リットル車をベースとするワンメイクレースを開催、2002年は欧州5カ国(ギリシャ・ポルトガル・オランダ・ドイツ・ベルギー)で各6~8戦を開催予定
 
【トヨタ・ドライバー育成プログラム】
 
 1.基本的な考え方
世界のトップカテゴリーにおいて活躍できるレーシングドライバー育成を目的に才能ある人材を発掘するとともに、継続的にステップアップできるプログラムを用意
 
 2.プログラムの内容について
  <日本における育成プログラム>
  (1)ESSO・フォーミュラトヨタ・スカラシップ
レーシングKART、入門フォーミュラシリーズの成績優秀者などの中から"フォーミュラトヨタ・レーシングスクール"にて、候補者を数名選定(対象:20歳前後)
2002年については、番場琢(ばんば・たく)、平手晃平(ひらて・こうへい)、小林可夢偉(こばやし・かむい)の3名の"ESSOフォーミュラトヨタ・シリーズ"への参戦を支援
当スカラシップはESSO(エッソ石油)の支援のもとで運営
 
(2)ESSO・トヨタ・F3スカラシップ
"ESSOフォーミュラトヨタ・シリーズ"のシリーズ上位入賞者を対象としたオーディションにて候補者を数名選定
2002年については、横溝直輝(よこみぞ・なおき)、片岡龍也(かたおか・たつや)、平中克幸(ひらなか・かつゆき)の3名の"全日本F3選手権"へのトムスからの参戦をバックアップ
当スカラシップはESSO(エッソ石油)の支援のもとで運営
 
(3)トヨタレーシングスクール(校長:関谷正徳)の開催
"ESSOフォーミュラトヨタ・レーシングスクール"の実施
各スカラシップ選定者を対象としたトレーニングプログラムの実施
レーシングカーの基礎知識、ドライビング理論、メンタル・フィジカル両面でのトレーニング等、幅広いメニューを実施
富士スピードウェイを拠点に、フォーミュラやツーリングカーを含めた、新たなレーシングスクールを設立(2005年本格スタートの予定)
 
(4)世界トップカテゴリーへ参戦するドライバーへの支援
昨年に引き続き、高木虎之介の"FedExチャンピオンシップ・シリーズ"への参戦を支援
優秀なドライバーのトップ・カテゴリーへの参戦支援については、継続的に検討
 
  <欧州における育成プログラム>
TMGにより、将来のF1ドライバー育成を目標に活動を支援
レーシングカーやドライビングに関する理論を学ぶとともに、メンタル・フィジカル両面でのトレーニングや、PRおよび語学等のトレーニングについても実施
2002年については、3名のドライバーの下記カテゴリーへの参戦を支援
ドライバー 参戦カテゴリー チーム
ライアン・ブリスコ 国際F3000 ノルディック・レーシング
フランク・ペレラ イタリアン・フォーミュラ・ルノー プレマ・パワー
アレックス・ストーケンフェルド イタリアン・フォーミュラ・ルノー プレマ・パワー
<ご参考>
 【富士スピードウェイ全面リニューアル計画について】
2003年9月までは通常の営業を継続し、その後約一年半の工事期間を経て2005年4月に全面リニューアルオープンを予定
富士スピードウェイの主要な事業テーマである「モータースポーツの振興」、「安全運転の普及・推進」、「若者への情報発信基地」を基軸に「伝統の良さを生かした最新の施設を構築する」という方針で、リニューアルを実施

以上