2005年03月14日
(財)2005年日本国際博覧会協会
日野自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社
IMTS、燃料電池ハイブリッドバスの引渡し式を実施
(財)2005年日本国際博覧会協会(以下、博覧会協会)とトヨタ自動車(株)(以下,トヨタ)・日野自動車(株)(以下、日野)は、本日、2005年日本国際博覧会(以下、愛・地球博)における、長久手会場内移動用の新交通システムIMTS(Intelligent
Multimode Transit System)および長久手・瀬戸会場間移動用の燃料電池ハイブリッドバスの引渡し及び発車式を実施した。
本事業は、IMTSはトヨタが、また燃料電池ハイブリッドバスはトヨタと日野が技術協力参加として車両を開発・出展し、博覧会協会主体でインフラ整備と運行管理を行うもので、このほど車両が完成すると共に車両登録も行なわれ準備が整ったため、本日車両の引渡しを行なった。今後、博覧会協会において安全運行に向け、運転手の更なる運転習熟に努めていく予定である。
なお、IMTS、燃料電池ハイブリッドバスの概要は、添付のとおり。
| IMTSのシステムは、最新のITS(Intelligent Transport Systems)技術を用いて、専用道は無人で自動運転・隊列走行、一般道は通常のバス同様にマニュアルで単独走行を行う新交通システムとして、鉄道などの軌道系交通システムの定時性・高速性・輸送力と、路線バスの経済性・柔軟性を併せ持っている。また、乗客にとっては乗り換え不要という利便性がある。 |
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1.車両デザイン |
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発芽からイメージした、乗客を優しく包み込む先進フォルムと、曲面的なグラスキャビンによるパノラミックな視界。 |
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2.走 行 |
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専用道では無人自動運転隊列走行し(先頭車両には添乗員が乗車)、一般道(会場内管理用道路)へは最後尾の車両が自動分岐した後、有人マニュアル運転を実施。 |
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3.環境対応 |
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クリーンなCNG(圧縮天然ガス)エンジンを採用。 |
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1.走行区間 |
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| <自動運転区間> |
IMTS専用道走行 |
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| 北ゲート駅~西ゲート駅~EXPOドーム駅 |
片道約1.6km |
| <マニュアル運転区間> |
会場内管理用道路走行 |
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| 西ゲート駅~(モリゾー・キッコロ)メッセ前バス停 |
片道約0.8km |
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2.導入台数 |
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全13両 (全4編成、2~3両/編成で運行) |
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3.運行速度 |
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最高速度 約30km/h、平均速度 約20km/h |
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4.所要時間 |
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約10分(自動運転区間の片道最短) |
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5.運転間隔 |
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| <自動運転区間> |
10分間隔(6本運行/時間) |
| <マニュアル運転区間> |
40分間隔(1~2本運行/時間) |
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6.輸送能力(概算) |
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| <自動運転区間(往復)> |
18,400人/日 |
| <マニュアル運転区間(往復)> |
1,500人/日 |
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輸送力の柔軟性 |
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非連結の隊列走行により需要変動に応じた柔軟な運行が可能 |
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高速性・定時性 |
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専用道を走行することにより、新交通並の高速性、定時性を実現 |
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優れたマルチモーダル性 |
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デュアルモード走行により、乗りかえの少ない移動を実現 |
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路線設定の柔軟性 |
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専用道・一般道の組み合わせがフレキシブルに出来、鉄道と比較して優れた最小回転半径・登坂能力等により、柔軟な路線設定が可能 |
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・ |
優れた経済性 |
: |
レール・変電設備が不要、コンパクトな管制システム・車両基地等により、建設費用、保守費用の経済性に優れる。また専用道は無人走行のため、労務費等の経済性にも優れる |
▽ |
車両は、走行路中央に埋設された磁気マーカに沿い操舵制御され、車々間通信および地上信号装置等による自動速度制御・ブレーキ制御機能を持つことにより、高い安全性と信頼性を実現している。 |
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車線保持機能 |
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走行路面中央に埋設された磁気マーカに沿い自動操舵制御 |
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隊列走行機能 |
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非連結な(電子連結による)隊列編成 |
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速度維持機能 |
: |
運行ダイヤに基づき、駅停止・発車も含む自動速度制御 |
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定点停止機能 |
: |
設定されたプラットホーム位置に各車両を正確に停車 |
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衝突防止機能 |
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車々間通信及び地上信号装置等による自動ブレーキ制御 |
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車両 |
全長×全幅×全高(mm) |
10,910×2,490×3,870(アンテナ含む) |
乗車定員 |
50人 |
エンジン |
排気量(cc) |
10,520 |
使用燃料 |
圧縮天然ガス |
最高出力 kW(PS)/rpm |
169(230)/2100 |
最高トルク Nm(kgm)/rpm |
883(90)/1100 |
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このバスは、高圧水素ガスを燃料とする燃料電池とバッテリー(ニッケル水素電池)を動力源として、モーターを駆動するハイブリッドシステムを採用。CO2や有害物質を排出しないほか、エネルギー効率が高く、また静粛性に優れるなどの特長がある。 |
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トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)と日野自動車(株)(以下、日野)が共同で開発。車体をはじめバス固有の分野を日野が担当し、トヨタは燃料電池システムに関する部分を担当。また、両社がそれぞれ培ってきた ハイブリッド技術やノウハウを活用している。 |
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外観デザインは、愛・地球博のテーマカラーであるグリーンを基調とした流れのある大胆なラインと、窓ガラスにもラッピングを施したダイナミックなグラフィックにより、燃料電池技術の先進性に加え、未来感と環境へのやさしさを表現している。 ※ デザインもトヨタと日野が共同で担当。 |
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| 1.走行区間 |
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瀬戸会場~長久手会場 約4.4km |
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| 2.導入台数 |
: |
8台 |
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| 3.所要時間 |
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約10分(片道) |
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| 4.運行間隔 |
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約8分間隔 |
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| 5.輸送能力 |
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往復800~1,000人/1時間当り |
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▽ |
FCHV-BUSは、高性能燃料電池「トヨタFCスタック」を搭載するとともに、プリウスや日野ハイブリッドシステムのハイブリッド技術を応用し、減速時のエネルギー回収をはじめ、運転状況に応じて燃料電池とバッテリーからモーターへの電力供給を精密に制御することで、高効率な運転を可能としている。 |
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車両 |
ベース車両 |
日野ブルーリボンシティ (ノンステップ大型路線バス) |
全長/全幅/全高 |
10,515/2,490/3,360mm |
最高速度 |
80km/h |
乗車定員 |
65人 |
燃料電池スタック |
種類 |
固体高分子形 |
出力 |
90kW×2 |
モーター |
種類 |
交流同期電動機 |
最高出力 |
80kW×2 |
最大トルク |
260N・m×2 |
燃料 |
種類 |
純水素 |
貯蔵方法 |
高圧水素タンク |
最高充填圧力 |
35MPa(350気圧) |
バッテリー |
形式 |
ニッケル水素電池 |
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<ご参考>
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トヨタは1992年より燃料電池車の開発を行っているが、バスについては、1999年秋に燃料電池バス「FCHV-BUS1」の開発を開始している。
「FCHV-BUS2」は、「FCHV-BUS1」の成果を踏まえ、2001年5月から開発を開始し、2002年9月には、バスとして初めての国土交通大臣認定を取得。翌10月から公道走行テストを実施してきた。2003年8月から2004年12月まで、東京都の路線バスに使用し、実使用下での評価を行った。 |