2004年03月22日
トヨタグループ、愛・地球博への出展内容を具体化
トヨタグループ*1(以下、グループ)は、2005年日本国際博覧会(以下、愛・地球博)への出展内容を具体的に固め、下記のとおり発表した。
出展コンセプトは、21世紀の『モビリティの夢、楽しさ、感動』をテーマに、『地球と共生するモビリティのあり方』、『地球規模で移動する喜びや夢、モビリティの魅力』を紹介し、明るく豊かな未来社会の方向性を提案する。
今回の出展を通じて提案する未来社会の方向性は、『世界中の全ての人々がモビリティの恩恵を享受し、人と自然、地球が共生する社会』。具体的には、(1)地球循環型社会*2、(2)動力源の革新、(3)最適なモビリティの活用、(4)社会との調和、(5)個人の欲求の充足の5分野の取組み方向を提案する。
パビリオンでは、未来コンセプトビークル「i-unit(アイユニット)」や未来技術として開発に取組んでいる「トヨタ・パートナーロボット」によるパフォーマンス・ショーを実施。ショーを通じて、未来社会の方向性とそれを実現するための様々な未来技術、未来ビークルの可能性を紹介する。
ショーは、ウエルカムショーとメインショーの2部構成。ウエルカムショーでは、エンターテインメント性豊かなロボット達が華やかな歓迎ステージを展開。メインショーは、「動くことは自由であること、動くことは生きること」を演出テーマに、「i-unit」や「ロボット」、そしてパフォーマー(出演者)の躍動ある演技に加え、観客席を取り巻く360度の大型スクリーンや舞台装置に出現する様々な生命、自然、未来社会の様相を通して、「自由に移動すること、生きることの素晴らしさ」と「人とクルマの新しい関係」を紹介する。
パビリオンは、地球の再生メカニズムに沿って循環する「地球循環型パビリオン」を基本コンセプトに建設、運営する。
建物本体は、解体・リユースを前提とする鉄骨構造体を採用するほか、再生可能材料として、外壁には、古紙再生紙の壁材を、内装の一部には、ケナフ材などを採用する。愛・地球博終了後は、リユース、リサイクルの徹底により建設廃棄物をゼロとする計画。
エネルギーは、風力を活用。愛知県田原市に建設する風力発電機により、パビリオンで消費する電力相当分を発電し、トータルでCO2の発生をゼロとする計画。
また、なだらかな丘をイメージさせるアプローチには、グループのバイオ・緑化技術を活用した屋上緑化や花の修景を施し、快適な環境を来場者に提供する。
このほか、アプローチゾーン(入場ゾーン)では地球循環型社会の実現に向けたグループの様々な環境技術の展示を、ポストショーゾーン(退出ゾーン)では未来ビークル、ロボット技術の可能性等を紹介する未来技術、先進技術の展示を行うとともに、i-unitシミュレーターによる「未来ビークル感動体験コーナー」も設置する計画。
パビリオンの名称は、『トヨタグループ館』。パビリオンシンボルマークは、「人」と「i-unit」をハート型のシルエットにまとめ『出会いと感動』を表現したマークに決定。
また、パビリオン出展以外に、トヨタ自動車(株)が長久手・瀬戸会場間の来場者移動用に「燃料電池ハイブリッドバス」を、長久手会場内の来場者移動用に次世代交通システム「IMTS」を技術協力参加として出展するほか、長久手会場での新エネルギーシステムの実証研究にも参加する。
<ご参考>3月30日(火)にはパビリオン起工式を行う予定。
| *1: | トヨタグループとして出展に参加する企業は以下の17社 (株)豊田自動織機、トヨタ自動車(株)、愛知製鋼(株)、豊田工機(株)、トヨタ車体(株)、豊田通商(株)、 アイシン精機(株)、(株)デンソー、豊田紡織(株)、東和不動産(株)、(株)豊田中央研究所、 関東自動車工業(株)、豊田合成(株)、日野自動車(株)、ダイハツ工業(株)、(株)東海理化、アラコ(株) |
| *2: | 地球循環型社会は、以下の意味を込めた造語 地球の再生メカニズムに沿って循環する社会。具体的には、一般的にいわれる循環型社会のリユース、リサイクルに加え、再生可能エネルギー、再生可能材料を積極的に活用する社会の意味 |
以上
<添付資料1>
出展コンセプト
●出展テーマ
●愛・地球博出展を通じて提案する未来社会の方向性
<具体的な取組み方向>
(1)地球循環型社会
| ▽ | パビリオン本体の建設、運営を通して、再生可能エネルギー、再生可能材料を積極的に活用する社会、リユース、リサイクルを徹底する社会を提案。 |
(2)動力源の革新
| ▽ | 会場間移動用に燃料電池ハイブリッドバスを出展することにより、水素エネルギーを活用する社会(水素社会)を提案。 |
(3)最適なモビリティの活用
| ▽ | 一人乗りの未来コンセプトビークル『i-unit』や、会場内移動用に出展する次世代交通システム『IMTS』を通じて、移動のニーズに応じて、様々なモビリティを賢く使い分ける社会を提案。 |
(4)社会との調和
| ▽ | 『i-unit』や『ロボット』のパフォーマンス・ショーにより、交通事故や渋滞のない社会、高齢者や障害者の方々も自立して移動できる社会を提案。 |
(5)個人の欲求の充足
| ▽ | 『i-unit』や『ロボット』のパフォーマンス・ショーにより、より自由に移動したい、好みに応じた移動を体験したいといった、ひとり一人の好みにも応える未来技術、未来ビークルの可能性を紹介。 |
<添付資料2>
パフォーマンス・ショー
| ▽ | 未来コンセプトビークル「i-unit(アイユニット)」や「トヨタ・パートナーロボット」のパフォーマンス・ショーを通じて、未来社会の方向性とそれを実現するための様々な未来技術、未来ビークルの可能性を紹介。 |
| ▽ | ショーは、ウエルカムショーとメインショーの2部構成。 |
| (1) | ウエルカムショー エンターテインメント性豊かなロボット達が、来場者を未来の世界へと誘うオープニングステージ。司会者とロボットの掛け合い、来場者とのコラボレーション等、華やかな歓迎ステージを展開。 |
| (2) | メインショー 空間の魔術師と異名を取る演出家イヴ・ぺパン氏の多彩な演出による感動、興奮のモビリティ・パフォーマンス・ショー。 演出テーマは、「動くことは自由であること、動くことは生きること」。「i-unit」や「ロボット」、そしてパフォーマー(出演者)の躍動ある演技に加え、観客席を取り巻く360度の大型スクリーンや舞台装置に出現する様々な生命、自然、未来社会の様相を通して、「自由に移動すること、生きることの素晴らしさ」と「人とクルマの新しい関係」を紹介。 |

トヨタ・パートナーロボット*1
(現行開発機種)

メインショー演出イメージ

i-unit*2
(デザイン・イメージ)
| *1: | 愛・地球博には、形状、機能をさらに進化させた複数のタイプのロボットを出展予定 |
| *2: | 開発コンセプトは、「人間の拡張」。2003年東京モーターショーに出展したPMのコンセプトをさらに進化させた一人乗りの未来ビークル |
<添付資料3―1>
地球循環型パビリオン
| ▽ | 地球の再生メカニズムに沿って循環する「地球循環型パビリオン」を基本コンセプトに建設、運営する。
|
| ▽ | 建物本体は、
解体・リユースを前提とした鉄骨構造体を採用。鉄骨材としては、リユース用途の多様性を踏まえ、一般的な建築物に使われる軽量鉄骨規格材を採用。新開発の摩擦締結工法で組上げることにより、可能な限りボルト穴を開けたり、溶接をしないようにし、解体後のリユース性に配慮。 |
また内装の一部には、グループが商品化を進めているケナフ材などを活用する。
愛・地球博終了後は、解体、分別回収を徹底し、全ての建設資材をリユース、リサイクルすることによって、建設廃棄物をゼロとする計画。
また、なだらかな丘をイメージさせるアプローチには、グループのバイオ・緑化技術を活用した屋上緑化や花の修景を施し、快適な環境を来場者に提供する。
| ▽ | エネルギーは、再生可能エネルギーとして風力を活用。 会場外(愛知県田原市)に建設する風力発電機により、パビリオンで消費する電力相当分を発電し、トータルでCO2の発生をゼロとする計画。
|
| * | 実際の送受電は、田原での発電分を系統電力(中部電力(株))へ売電、パビリオンでは、 あらためて系統電力から受電する仕組み。直接供給する形にはならないが、エネルギー 分野でのミティゲーション(Mitigation:米国環境アセスメント制度に位置付けられる 「人間活動による自然への負の影響を緩和または補償するための行為」)として取組む。 |
<添付資料3―2>

パビリオン外観図

パビリオン平面図

鉄骨結合部(イメージ模型)
<添付資料4>
技術展示計画
| ▽ | アプローチゾーン(入場ゾーン)では、地球循環型社会の実現に向けた様々な環境技術を展示。 |
| (1)新エネルギー活用技術/省エネ技術 |
| (2)再生可能材料活用技術/バイオ・緑化技術 |
| (3)リユース・リサイクル/省資源技術 |
| (4)環境負荷物質低減技術 |
| ▽ | ポストショーゾーン(退出ゾーン)は、未来ビークル、ロボット関連技術の展示を行うほか、i-unitシミュレーターによる「未来ビークル感動体験コーナー」も設置。 また、会場出展物や会場外のグループ関連施設の紹介も行う予定。 |
| (1)未来ビークルの可能性 |
| (2)ロボット技術の可能性 |
| (3)その他の先進技術 |
| (4)未来ビークル感動体験コーナー (i-unitシミュレーターによる未来走行の擬似体験) |
| (5)会場出展物紹介 (IMTS, 燃料電池ハイブリッドバス, 新エネルギーシステム実証研究) |
| (6)会場外グループ関連施設紹介 (産業技術記念館, トヨタ博物館ほか) |
<添付資料5>
トヨタグループ館シンボルマーク
マークの左側は「人」、右側は未来ビークル「i-unit」。
人が未来ビークルと出会った時の「驚き」や「感動」を表現するとともに、全体のシルエットをハート型にまとめることにより、「人や地球への愛」という意味を込めている。



