2004年01月01日
年 頭 所 感
| 取締役社長 張 富士夫 |
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新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
まず、あらためて昨年を振り返りますと、年前半、イラク戦争の勃発やSARSなどの影響もあって足踏み状態にあった世界経済は、年後半には米国の景気も回復の足取りを強め、日本でも企業収益の改善や輸出の増加などにより、回復の兆しが強まってきた感があります。
今後も日米をはじめ、世界経済はさらに回復に向かうものと期待しておりますが、揺れ動く世界情勢や円高などの懸念材料もあり、引き続き十分に注意を払う必要があると思います。
こうした状況の中、当社は昨年、国内外での積極的な商品投入、海外で初めてとなるレクサス車のカナダでの生産開始や各地域での現地生産の拡大、グループを挙げた原価低減努力など、さまざまな分野で着実に手を打ってまいりました。さらに、国内のチャネル再編について発表し、また、経営体制の刷新を行うなど、中期的な将来を見据えた取り組みについても着手することができたと思っております。
その結果、昨年は、グループ全体で初めて650万台、またトヨタ単独でも初めて600万台を上回る世界販売を達成するとともに、決算でも過去最高を更新するなど、「地道に前に進むことができた1年」だったと考えております。
しかしながら自動車業界においては、これからも世界規模での競争が一層激しくなることは確実であり、当社としては、トヨタグループの総力を挙げての取り組みを、地に足をつけて着実に、かつ、これまで以上に推し進めていかなければならないと考えております。
このような認識のもとで、まず国内販売は昨年に引き続き本年も、積極的に新商品を投入していくほか、販売チャネル再編のひとつとして、新ネッツ店を5月1日に立ち上げるなど、より一層の増販に取り組んでまいります。またレクサスブランドについても、2005年8月の導入に向けて順調にその準備を進めております。
海外販売につきましては、当面の目標としておりました、北米での年間販売200万台、欧州での年間販売80万台を、いずれも昨年達成し、また、海外トータルでも初めて400万台の大台を突破いたしました。
本年以降IMVプロジェクトが順次スタートするアジア・アフリカ・中南米、新たにカローラの生産が始まる中国、現地生産が始まるメキシコをはじめ、2004年も各地域でさらに着実に取り組みを進めていきたいと考えております。
次に、環境対応につきましては、従来より、経営の最重要課題として、全力で取り組んできておりますが、昨年の秋には日米を皮切りに、新型プリウスの販売を開始いたしました。今後、欧州でも販売いたしますが、お蔭さまで各地でご好評をいただいておりまして、2004年の国内外あわせての販売計画は、当初の7万6千台から大幅に上乗せして、国内7万台、海外6万台のあわせて13万台といたしました。
トヨタではプリウスのほか、エスティマやアルファード、日野との共同開発のトラックなど、これまで国内外あわせて約18万台のハイブリッド車を販売してまいりました。
当社といたしましては、すでに市販を予定しておりますSUVタイプ等、今後とも、グループをあげて様々なカテゴリーに魅力あるハイブリッド車を投入してまいります。
「環境への対応なくして自動車の未来はない」との考えのもと、これからもさらに広く深く取り組みを進めてまいります。
かねてより当社では「世界規模での競争に勝ち抜き、21世紀も成長を続ける企業でありたい」との思いを念頭に置いておりますが、同時に、私ども一人ひとりが企業人として果たすべき社会的責任の重さを改めて自認しつつ、「豊かな社会づくりに貢献し、世界に信頼されるグローバル企業」をめざしてまいります。
皆様方には、より一層のご指導、ご鞭撻を、あらためてお願い申し上げます。
以上



