2008年03月03日
トヨタ自動車、「車車間通信及び、路車間通信との連携による
安全運転支援システム」の実用化に向けた公道実証実験を開始
| トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、ITS*1技術の活用により交通事故低減を目指す、「インフラ協調による安全運転支援システム*2」(以下、インフラ協調システム)の公道実証実験を、第4期ASV*3とDSSS*4の連携プロジェクトに参画して、3月3日から28日まで愛知県豊田市で実施する。 トヨタでは、安全技術・車両開発の方向性を示す「統合安全コンセプト*5」に基づき、車両に搭載された個々の安全装備・システムに加え、クルマと道路インフラ・他車両・歩行者との連携を可能とするITS技術を活用した「インフラ協調システム」の開発を進めている。 今回、公道実証実験を行うシステムの機能は、(1)出会い頭衝突防止支援 (2)右折時衝突防止支援 (3)緊急車両情報提供支援 の3つである。これらは、車車間(自車と他車)、路車間(自車と道路インフラ)の通信によって得られる情報を用いることで、既に実用化が進んでいる自律型安全運転支援システム*6では対処が難しい、見通しの悪い場所における「出会い頭事故防止」、「右折事故防止」などを目的としている。 具体的には、実際の道路交通環境下において、 |
| ① | 車車間通信の機能確認 |
| ② | システムの機能確認 |
| ③ | システムの効果評価に資する必要なデータの取得 |
| を目的として実験を実施する。 | |
| なお、車車間通信に用いる電波の伝播・伝送などの基礎特性については、総務省が実施している「安全運転支援情報通信システム実用化のための調査及び実証」の一環として、昨年末から必要なデータの取得を行っている。 また、これらの実証実験結果を踏まえ、IT新改革戦略(平成18年1月19日 IT戦略本部決定)に基づき、平成20年度に実施される予定の官民連携の大規模実証実験へ積極的に参加していく予定である。 |
| *1 I T S : | 高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems)の略。 |
| *2 | インフラ協調による安全運転支援システム : |
| 高度道路交通システム(ITS)のひとつで、ドライバーから直接見ることのできない情報を、道路に設置された通信インフラや他の車両などから無線通信によって受信し、ドライバーに知らせることで、安全運転の支援や事故防止につなげるシステム。 |
| *3 |
|
|
|
| *4 |
|
| *5 | 統合安全コンセプト : |
| 安全技術・システムの連携により、運転状況に応じた最適な運転支援を行い、「事故を起こさないクルマ」の実現を目指すトヨタの安全技術・車両開発の考え方。 |
| *6 | 自律型安全運転支援システム : |
| 車両に搭載されたレーダーやカメラ、あるいはヨーレートセンサーなどで得られた情報を用いて、安全運転を支援するシステム。 |
| 【今回実証実験を行うシステムの機能】 |
| (1)出会い頭衝突防止支援 |
| ① | 道路側に設置された光ビーコンから、一時停止規制情報・一時停止線までの距離等を送信 | |
| ② | 車車間通信を用い、相手車両の位置情報等を交換 | |
| ③ | 一時停止で停止後、相手車両位置等を利用した支援を実施 |
| (2)右折時衝突防止支援 |
| ① | 車両のウィンカー情報などから右折レーンにいることを認識 | |
| ② | 路側センサー(カメラ)から、対向車両の位置情報等を送信 | |
| ③ | 車車間通信を用い、対向車両との位置情報等を交換 | |
| ④ | これらの情報を元に、右折時衝突防止支援を実施 |
| (3)緊急車両情報提供支援 |
| ① | 車車間通信を用い、緊急車両の位置情報等を送信 | |
| ② | その情報を元に、緊急車両情報提供の支援を実施 |
以上




