2002年11月13日

「トヨタ・エイブルアート・フォーラム」を全国4地域で開催

-障害のある人たちの芸術活動の促進をテーマとしたトヨタの社会貢献活動-

 

 トヨタ自動車(株)は、芸術文化支援活動(メセナ活動)の一環として、障害のある人たちの芸術活動の促進をテーマに、「トヨタ・エイブルアート・フォーラム」をエイブル・アート・ジャパンと共同で、全国4地域で開催する。(96年以降、34地域で合計58回開催) (下記【1】参照)
 近年、障害のある人たちの芸術活動が、福祉やリハビリの一手段ではなく、新しいアートとして注目されはじめている中で、当フォーラムは、障害のある人たちならではの新たな芸術の可能性を引き出し、社会的な評価・認知を高めていくための環境づくりと人づくりを推進することを目的としている。
 併せて過去に当フォーラムを開催した地域を対象に、地域のフォーラム実行団体が当該活動の一層の定着を目的として行う独自の企画についての支援も引き続き行う予定。(下記【2】参照)
 2002年度の開催計画は以下のとおり。開催概要、講師のプロフィールは別紙を参照。

<2002年度開催地域>
【1】. 「トヨタ・エイブルアート・フォーラム」ワークショップ開催地域(4地域)―千葉・高知・静岡・大阪
当該地域は、昨年度障害のある人たちの芸術活動に対する理解促進を目的として「シンポジウム」形式のフォーラムを開催。本年度は2年目の活動としてさらなる定着・促進を図るため、芸術活動の指導者育成を目的とし「ワークショップ」形式のフォーラムを開催。

【2】. 「トヨタ・エイブルアート・フォーラム」既開催地域への支援(5地域程度)―支援先検討中
「トヨタ・エイブルアート・フォーラム」シンポジウムとワークショップを開催した地域を対象に、地域のフォーラム実行団体が当該活動の一層の定着を目的として行うオリジナル企画の申請に対して、内容を査定し実施費用の支援を行う。
<注> エイブル アート「ABLE ART=可能性の芸術」
障害のある人たちの生み出す作品は、これまで福祉のフィルターを通してのみ語られ、他の芸術よりレベルの低いものという見方が一般的でした。生命力を失いつつある現代にあって、生のエネルギーに満ちた障害のある人たちの創造活動を、人間性を恢復させる新しい芸術ととらえ、発展させていこうという市民芸術運動。

エイブル・アート・ジャパン
障害のある人たちによる豊かな芸術活動が行われるための社会的なネットワークづくりを目的として94年に東京で設立。(旧称:日本障害者芸術文化協会)。ワークショップ、シンポジウム、展覧会、調査研究、出版事業などを行っている。

以上

<別紙1>

4地域の開催概要(ワークショップ形式のフォーラム)

目 的 活動の定着・促進を図るため、芸術活動の指導者を育成する

内 容
(1) 表現ワークショップ
 障害のある人たちと創作活動をするための基本的な考え方、接し方、可能性の引き出し方を学ぶ。

(2) マネジメント講座
 作品の制作から社会へのアウトプットまで、企画を立て、実現するためのマネジメントについて学ぶ。

※オプション
(3) 作品展示ワークショップ
 グループワークを通して展示をすることの意味やその方法を学ぶ。


主 催 トヨタ自動車株式会社、エイブル・アート・ジャパン、各地実行委員会

後 援 各地トヨタ販売会社グループ

開催日程
地 域 開 催 日 開催場所 講 師
千葉県
船橋市
2003年
1月 11日(土)
12日(日)
船橋市民ギャラリー
(船橋市本町2-1-1 船橋スクエア21ビル)
播磨靖夫、サイモン順子
中津川浩章、石塚雅子
高知県
高知市
2003年
2月 8日(土)
9日(日)
高知市文化プラザかるぽーと
(高知市九反田2-1)
播磨靖夫、サイモン順子
中津川浩章、石塚雅子
静岡県
浜松市
2003年
2月 15日(土)
16日(日)
静岡県立浜松養護学校
(浜松市江之島1266-2)
播磨靖夫、関口怜子
野村誠、片岡祐介
大阪府
大阪市
2003年
3月 21日(土)
22日(日)
現在実行委員会と調整中 播磨靖夫
他調整中

募集告知 : 各地実行委員会・トヨタ販売会社グループにて各地ごとに実施

<別紙2>

<ご参考> 講師プロフィール
【表現ワークショップ】
サイモン 順子 (さいもん じゅんこ)
アートカウンセラー。障害の有無や年齢などにとらわれない、自由な創作空間「アトリエ・ポレポレ」(東京都中野区)のリーダー。

中津川 浩章 (なかつがわ ひろあき)  
美術家。作家として精力的に活動し各地の美術館やギャラリーで作品の発表を行っている。精神科のデイケア展に参加するなど、美術と社会の関係性を問う活動も積極的に行っている。

関口 怜子 (せきぐち れいこ)
子どもたちの創造表現空間「BE I」代表。美術家。環境教育や文化振興の視点をあわせ持った市民グループ「ゆいもりネット」の設立に関わるなど、社会教育、国際交流、まちづくりなど多元的な視点から活動を行っている。

野村 誠 (のむら まこと)
作曲家、音楽家。鍵盤ハーモニカをはじめ、さまざまな楽器を取りこんだ「しょうぎ作曲」という共同作曲のプロジェクトを進行中。子どもたちやお年寄りとの関わりの中で作曲する活動も展開している。

片岡 祐介(かたおか ゆうすけ)
音楽家。商業音楽、音楽療法に関わった後、フリーとして活躍。作曲/演奏活動はもちろん、「なんちゃって音楽講座」という講演、音楽療法、聾学校での音楽活動などのユニークな活動を続けている。

【作品展示ワークショップ】

石塚 雅子 (いしづか まさこ)
画家。精力的に作品を発表する一方で、川口太陽の家(埼玉県川口市)で知的障害のある人たちの作品制作や展覧会などをサポートしている。

【マネジメントセミナー】

播磨 靖夫 (はりま やすお)
エイブル・アート・ジャパン常務理事。(財)たんぽぽの家理事長。日本NPOセンター 副代表理事他。エイブルアート・ムーブメントの提唱者。

(順不同・敬称略)