(米国時間 : 2018年01月10日)
マツダ株式会社
トヨタ自動車株式会社

マツダ株式会社(以下、マツダ)とトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、2017年8月に発表した米国における合弁新工場を、アラバマ州ハンツビル(Huntsville)市に建設することを決定いたしました。本日、アラバマ州において、同州のケイ・アイヴィー(Kay Ivey)知事、ハンツビル市のトミー・バトル(Tommy Battle)市長、マツダの小飼雅道代表取締役社長兼CEO、トヨタの豊田章男代表取締役社長らが記者会見を行い、発表しました。

ハイライト

新工場の生産能力は年間30万台を予定し、マツダ・トヨタ向けの各生産ラインで、マツダが北米市場に新導入するクロスオーバーモデルとトヨタの「カローラ」を15万台ずつ生産します。

新工場は、トヨタのアラバマ工場(Toyota Motor Manufacturing, Alabama, Inc.)から約20km離れた場所にある、ハンツビル市の敷地に建設されます。2021年の稼働開始に向けて、両社折半出資で約16億米ドルを投資する計画です。新工場の雇用人数は約4000名を予定しています。

アラバマ州のアイヴィー知事は、「マツダとトヨタのパートナーシップは、アラバマ州における革新的な自動車製造業の力を拡充するものです。両社がハンツビル市に工場を建設する決定をしたことは、アラバマ州の優れた労働力の証でもあります。このパートナーシップにより、ダイナミックかつグローバルな自動車産業において、アラバマがさらに技術力に優れた州となることを喜ばしく思います」と語りました。

ハンツビル市のバトル市長は、「今回の発表で私たちの世界は一夜にして変わることになります。世界で最も革新的な自動車メーカーの一角をなすマツダとトヨタが、今後数十年にわたってハンツビルやアラバマに雇用をもたらすレガシープロジェクトに取り組みます。これは、私たちの国を動かす次世代のクルマ作りにおいて、アラバマを業界のリーダーに飛躍させるものです」と述べました。

マツダは、創立101年目、米国販売51年目となる節目の2021年に、本工場を立ち上げ、アメリカに根付いて生産・販売を本格化させます。

マツダの小飼社長は「私たちは、『人を元気にし』、『人にやさしい社会』と『美しい地球』に貢献するといった明確なビジョンを持ってクルマ造りをしています。こうした意味を持ったクルマをこの地で末長く生産し続けることで、従業員から愛され、地域の皆さまからも愛される工場になりたいと思っています。そうした活力あふれる工場を通じて、私たちも成長し、ハンツビル市やアラバマ州の皆様と支え合える存在になりたいと思います」と語りました。

トヨタにとっては、合弁新工場は米国における11か所目の生産拠点となり、昨年に発表した「2017年以降の5年間における100億米ドルの投資」に加えて、米国への継続的なコミットメントを象徴する投資になります。

トヨタの豊田社長は「アラバマ州にマツダとの車両生産工場を新設する今回の投資決定は、トヨタが15年以上にわたり同州でエンジン生産を行ってきた経験に裏打ちされたものです。トヨタとマツダの知見を持ち寄り、アラバマ州の優れた方々とともに、2021年より、高い競争力を誇る工場を運営できると確信しています。今後、両社の新たな『ふるさと』であるハンツビル市やアラバマ州において、『町いちばんの会社』となることを目指して取り組んでまいります」と語りました。

アラバマ州は、ハンツビル市にある、約1400名の従業員が働くトヨタのエンジン工場を含めて自動車関連工場が多く存在するなど、米国で5番目に大きな自動車生産量を誇る州です。同州では、自動車メーカーに加えて、150を超える1次および2次仕入先を含め、約5.7万人の自動車関連雇用が生み出されています。

今後、各国の独禁法当局の許認可等を取得後、合弁会社を設立し、2021年の稼働開始に向け、準備を進めてまいります。

以上

トヨタ自動車 豊田社長スピーチ

本日はお越しいただき、ありがとうございます。

マツダの小飼社長とともに、アラバマ州での新たな投資を発表できることを、大変嬉しく、光栄に思っております。

アイヴィー知事におかれましては、このようにアラバマに伺う機会をいただいたこと、感謝申し上げます。また、州のリーダー、コミュニティの関係者の皆さまにおかれましても、大変エキサイティングなプロジェクトの発表の場にご臨席賜り、誠にありがとうございます。

本日このような形でここに立たせていただくことは、トヨタにとって、そして私にとっても「ホームカミング」(里帰り)のように感じます。

ご存じのとおり、アラバマはトヨタの従業員にとっては既に「ふるさと」であります。ハンツビル市の工場において、北米で販売されるクルマに搭載するエンジンを年間70万基生産するために、従業員は日々汗を流しております。

実は、アラバマは、私が子どものころ初めて訪れた州でもあります。
当時、私はボーイスカウトをやっていました。そして、初めての日本を離れた海外滞在だったため、私は少し緊張していました。

それでも、皆さまご存じの「サザン・ホスピタリティ」によって、私の初のアメリカ生活は無事に終わり、当時の経験は今でも特別な記憶として残っています。
今日は、ここアラバマに戻ってこられて、大変嬉しく思います。

昨年の夏に、トヨタとマツダが米国に新工場を建設する考えを発表した際、私は「ふたつのことが両社に共通している」と申し上げました。それは、「クルマへの愛」と「ふるさとへの愛」です。

クルマは私たちの心をワクワクさせてくれる存在ですが、「ホームタウン」は私たちの事業を成功に導くカギとなる存在です。

言うまでもなく、私たちは生まれ育った元々の「出身地」に誇りを持っています。しかし、グローバルに事業を進めていくなかでは、事業を行うすべての拠点が私たちの大切なホームタウンになります。

私は、トヨタの「ホームタウン」を訪問させていただく際、必ず「I appreciate your people」(あなたの国・地域の人々に感謝しております)とお伝えしています。

私たちが、各拠点での事業活動のなかで人材を育成し、価値を生み出すことができているのは、従業員が、それぞれの地域で教育、訓練を受けた後にトヨタに入社してくれるからです。従業員が日々仕事に専念できるのは、工場のまわりの町で、満足した生活を送ることができているからです。

だからこそ、ホームタウンは私たちの持続的成長のために大変重要なのです。

本日は、私たちの新工場をお迎えいただくハンツビル市や周辺のコミュニティの皆さまに感謝申し上げたいと思います。ホームタウンとそこにおられる皆さまと、心ひとつに活動することこそが、私たちの成功の秘訣だと考えております。

皆さまとともに、新工場を育て上げ、将来に向けた種まきを行ってまいりたいと思います。ともに取り組ませていただくことで、「米国のモノづくり」の新たなサクセスストーリーとなることを確信しています。

ご清聴ありがとうございました。

マツダ 小飼社長スピーチ

本日はお忙しい中、ご臨席いただき、誠にありがとうございます。

アイヴィー知事、我々をこのような場をお迎えいただき、誠にありがとうございます。また、州のリーダー、政府、コミュニティの関係者の皆さまにおかれましても、ご臨席賜り、誠にありがとうございます。

私は本日、新しい工場をこの地に建てることについて、一日も早く、地元の皆さまにお伝えし、地元の皆さまに受け入れていただければと思い、ご挨拶に上がりました。

この場で、トヨタとマツダが新しい工場を建てることを発表できることを大変光栄に思います。
アラバマ州およびハンツビル市の皆様のご支援に、心から感謝申し上げます。
また、こうして新工場について良いスタートを切れたのも、トヨタおよび関係者の皆様のご協力あってのことと、感謝しております。

マツダは1920年に設立され、2020年には創立100周年を迎える、長い歴史を持つ企業です。
また、私たちがアメリカでクルマの販売を開始したのは1970年のことで、同じく2020年にはアメリカでビジネスをさせていただいて50周年を迎えます。

そして、本工場が稼働する2021年は、マツダにとって次の100年のスタートとなる101年目、アメリカで販売を始めて51年目となる記念すべき年です。

その節目となる年に、マツダは、念願であるアメリカで工場を立ち上げ、アメリカに根付いて生産・販売を本格化させ、更なる成長につなげるとともに、アラバマ州、ハンツビル市やアメリカの経済に貢献したいと考えております。

そのためにも、トヨタとマツダのお互いの優れた技術をフルに活用し合い、世界でも最高レベルの効率・品質を誇る最新鋭の工場にし、最高の品質のクルマをアメリカのお客様にお届けしたいと考えています。

私たちは、「人を元気にし」、「人にやさしい社会」と「美しい地球」に貢献するといった明確なビジョンを持ってクルマ造りをしています。
こうした意味を持ったクルマをこの地で末長く生産し続けることで、従業員から愛され、地域の皆さまからも愛される工場になりたいと思っています。
そうした活力あふれる工場を通じて、私たちも成長し、地域の皆様と支え合える存在になりたいと思います。

最後に、この地に生産拠点を持つという機会を与えていただいたことに感謝を申し上げると共に、暖かく迎え入れていただいたアラバマ州、およびハンツビル市の良き企業市民となれるようトヨタと切磋琢磨し、努力していくことをお伝えし、私の挨拶に代えさせていただきます。

ありがとうございました。

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