トヨタ自動車(株)は、4月7日(金)13時30分より新体制方針説明会を実施しました。説明会の模様を動画でご覧いただけます。
新体制方針説明会
プレゼンテーション
社長・執行役員 佐藤 恒治
皆様、こんにちは。
佐藤でございます。
本日は、ご多用の中、お集まりいただき、ありがとうございます。
4月から、新体制がスタートいたしました。
まず私からは、新体制の経営ビジョン、目指す未来について、お話したいと思います。
新体制のテーマは、「継承と進化」です。
継承とは、自分たちのブレない軸を明確にして、未来に向かっていくことだと思います。
「もっといいクルマをつくろうよ」。
これが、この13年間私たちが培ってきた最も大切な価値観です。
「現場」でクルマを語り、お客様の笑顔のために、必死に努力する。
トヨタはこのクルマづくりの原点を大切にしています。
マスタードライバーでありモリゾウである会長の豊田とともに、もっといいクルマを追求し続けていくこと。
それが、これからも、「商品で経営する」クルマ屋トヨタの一丁目一番地です。
この写真は、私の最初の愛車です。
私は、小さいころからクルマが大好きでした。
そして、トヨタでクルマづくりに長年、携わり、クルマづくりの楽しさを学びました。
その楽しさを多くの仲間に伝えたい。
そして、仲間と一緒にお客様がもっと笑顔になるクルマをつくりたい。
だから、私は「クルマをつくり続ける社長」でありたいと思っています。
そして、もうひとつ、社長としてこだわりたいことは、「チーム経営」です。
クルマづくりはチームプレーです。
世界37万人のトヨタの仲間と、仕入先、販売店の皆様と一緒に、全員でクルマをつくっています。
このクルマ屋のチーム力を生かした経営を実践したいと思っています。
今のトヨタには、価値観を共有する、しかも個性豊かな経営メンバーがたくさんいます。
今のような環境変化が激しい時代は、肩書ではなく役割で、機能を超えて動くこと、それにより、何倍ものスピードで、実践の量を増やすこと。
これが何よりも大切です。
だからこそ新体制では、「チームで、同時に、有機的に動く」新しい経営スタイルで、未来への挑戦を加速してまいります。
これから私たちはモビリティ・カンパニーへの変革を目指していきます。
トヨタの使命は、「幸せの量産」です。
美しい地球を守り、世界中の人々の暮らしを豊かにしたい。
マイナスをゼロに、そして、ゼロを超えた価値を生み出したい。
それがグローバル企業である私たちの想いです。
クルマがこれからも社会に必要な存在であり続けるためには、クルマの未来を変えていく必要があります。
そこには、ふたつの大きなテーマがあります。
ひとつめはカーボンニュートラルです。
私たちはクルマのライフサイクル全体で2050年カーボンニュートラルの実現に全力で取り組んでいきます。
クルマづくりにおいては、エネルギーの未来と、地域ごとの現実に寄り添って、マルチパスウェイを軸に、今後も、多様な選択肢を追求していきます。
まずは今すぐにできる電動化を、徹底的にやっていきます。
足元から着実にCO2を減らすために、プラクティカルに電動車の普及を進めます。
新興国も含めてハイブリッドの販売を強化し、プラグインハイブリッドの選択肢も増やしてまいります。
重要な選択肢のひとつであるBEVは、今後数年で、ラインナップを拡充します。
同時に、将来への仕込みも大胆に進めていきます。
そのひとつとして普及期に向けた次世代BEVの開発、新しい事業モデルの構築に全力で取り組んでまいります。
そして、その先の水素社会の実現に向けたプロジェクトも加速してまいります。
タイや福島での社会実装や、商用FCEVの量産化、そして、モータースポーツの場を活用した水素エンジン技術の開発など、産業や国を超えたパートナーの皆様と一緒に、水素を「使う」領域の拡大を進めていきます。
さらに、エネルギー産業と連携し、カーボンニュートラル燃料の技術開発も進めてまいります。
私たちは、新興国も含めて、誰ひとり取り残すことなく電動車の普及やCO2の低減に取り組んでまいります。
こうした全方位での取り組みにより、全世界で販売するクルマの平均CO2排出量は2019年と比べて、2030年には33%、2035年には50%を越える削減レベルを目指します。
2050年に向かってグローバルで、着実に、脱炭素を進めてまいります。
クルマの未来を変えていくもうひとつのテーマが「移動価値の拡張」です。
これからのクルマは電動化、知能化、多様化が進んでいくことで、社会とつながった存在になってまいります。
ヒトの心が動く、感動するというMOVEやヒトやモノの移動に加えて、エネルギー、情報のMOVEを取り込み、データでひとつにつながっていきます。
それにより、他のモビリティと連動したシームレスな移動体験や、社会インフラとしてのクルマの新しい価値を提供できるようになってまいります。
そして、社会とつながったクルマは、通信や金融など人々の暮らしを支える様々なサービスとも密接につながり、モビリティを軸にした新しい付加価値の輪が広がってまいります。
「カーボンニュートラル」と「移動の価値」。
このふたつのテーマを柱に、私たちが目指すモビリティ社会のあり方をまとめたものが、「トヨタモビリティコンセプト」です。
安全・安心や運転する楽しさなどこれまで培(つちか)ってきたクルマの本質的な価値を基盤にもっと社会の役に立つ存在へクルマを進化させること。
そして、誰もが自由に、楽しく、快適に移動できるモビリティ社会を実現すること。
そんな未来に向けて、今後、3つの領域で、モビリティ・カンパニーへの変革を進めてまいります。
ひとつめの「モビリティ1.0」ここで目指すのは様々なMOVEをつなげてクルマの価値を拡張させていくことです。
例えば、BEVには、電気を運ぶモビリティとしての新しい可能性があります。
エネルギーグリッドとして社会のエネルギーセキュリティを高める。
そんな役割も果たせます。
また、知能化により、クルマやお客様から集まる情報を活用すれば、クルマはもっと進化できます。
この新しいクルマづくりのカギを握るのが、ソフトウェア基盤のアリーンです。
最新のハードとソフトがつながり、クルマと様々なアプリも自由自在につながっていく。
アリーンは、こうした進化を支えるプラットフォームとして重要な役割を担っていきます。
2026年の次世代BEVに向けてウーブンバイトヨタと一緒に全力で開発を進めてまいります。
ふたつめの「モビリティ2.0」で目指すのは新しい領域へのモビリティの拡張です。
ご高齢の方々や過疎地にお住まいの方々、クルマ市場が成熟していない新興国など、私たちが、移動をお支えできていない方々が、たくさんいらっしゃいます。
また、「空のモビリティ」など、新しい移動の可能性も広がっています。
トヨタには、フルラインナップのクルマに加えてイーパレットなどの新しいモビリティや、MaaS領域をはじめ、産業を超えた仲間とのネットワークがあります。
こうした強みを生かし、今の事業範囲を超えて世界中のお客様の移動をお支えしていきたいと考えています。
そして、「モビリティ3.0」は社会システムとの融合です。
エネルギーや交通システム、物流、暮らしのあり方まで入り込み、街や社会と一体となったモビリティのエコシステムをつくる。
そして、ウェルビーイングを実現していく未来です。
そのために、Woven Cityでの実証実験を進めていきます。
例えば、新しい物流の仕組みづくりや街と一体となった自動運転モビリティの開発、また、Woven Cityを起点としたCO2フリー水素のサプライチェーン実証や暮らしの中で水素利用の可能性を広げる実証も進めてまいります。
デジタルを活用したこれまでの実証に加えて、2025年からは、リアルな街での総合的な実証を加速し、パートナーとともに社会実装につなげていきます。
このモビリティ・コンセプトで最もお伝えしたいことは「クルマが進化した先にモビリティがある」ということです。
モビリティ・カンパニーへの変革の真ん中には、クルマがあります。
クルマの持つ可能性を広げていく。
そのためには、これまで培ってきたもっといいクルマづくりと町いちばんの考え方を基盤にした進化が必要です。
商品・地域を軸に、クルマの未来を変えていきます。
それでは、まず、商品を軸にした取り組みについては中嶋副社長から、その後、地域を軸にした取り組みについて宮崎副社長からもう少し詳しく、ご説明申し上げます。
では、中嶋さん、よろしくお願いします。
副社長・執行役員 中嶋 裕樹
「商品」を担当致します、中嶋です。
こちらの写真はわたくしがチーフエンジニア時代に開発を担当したクルマです。
たくさんの仲間とたくさんのチャレンジをし、たくさんの楽しい時間を過ごしてきました。
私はそんな、クルマの開発が大好きです。
また、たくさんの失敗もしてきました。
それらが私たちの血となり肉となり、鍛えられ我々の今に至ります。
私の見た目や進め方からブルドーザーとも呼ばれています。
正解が分からない今こそ道を切り拓いていく
そんな想いで、商品を軸とした経営について考え方を述べさせていただきたいと思います。
先ほどお話の有ったToyota Mobility Concept
その中心にあるクルマの価値を高め、更に、新しいモビリティや移動の自由を拡げ、社会システムの一部として、新たなサービスやエネルギーソリューションを提供します。
その実現のカギを握る、3つのアプローチ、電動化、知能化、多様化についてお話します。
一つ目に、電動化です。
はじめに申し上げたいことは、我々はマルチパスウェイの軸を決してぶらさない、と言うことです。
それぞれの強みや特色を活かし、お客様や地域に合わせた電動化を進めて参ります。
まず、バッテリーEVです。
足下のラインナップを拡充させ、2026年までに10のモデルを新たに投入し、販売台数も年間150万台に達します。
一方、クルマ屋が創る今までとは全く異なる次世代バッテリーEVも26年に投入致します。
電池を極限まで効率良く使い、航続距離を2倍に、さらに心揺さぶる走りとデザインを兼ね備えたまさに次世代のバッテリーEVです。
また、モノづくりも変えていきます。
強みであるトヨタ生産方式を活かし、仕事のやり方を変え、工程数を1/2に削減。
コネクティッド技術による無人搬送や、自律走行検査などで、効率的なラインへシフト、工場の景色をガラっと変えます。
そしてグローバル全工場での、2035年カーボンニュートラルに繋げます。
従来にとらわれないサプライチェーンの構築にも、仕入先様と一体で取組むことでもっと良品廉価な部品調達にもつなげてまいります。
その実現の為、このたび、専任組織をつくります。
全権を委ねたワンリーダーの下で開発、生産、事業、全ての機能をもつ、まさにオールインワンチームです。
土台で支えるのはTNGAの効果で半減した開発原単位、内製投資など、磨いてきた競争力です。
この1,000万台の力で新しい組織を全面的にサポートします。
次にプラグインハイブリッドです。
電池の効率を上げEV航続距離を200km以上に延ばすことで、プラクティカルなバッテリーEVと再定義し、開発に、より力を入れていきます。
FCEVは、商用車を軸に量産化にチャレンジします。
左の図の青い線で示すFCEVはエネルギーである水素が軽いため、航続距離が増えてもバッテリーEVと比較してそれほど重くならず、スペースも減りにくいという特徴があります。
またエネルギー充填時間が短く、それらの利点を生かせる中型、大型トラックのような商用車から、事業者の方々と共に、拡げていきます。
さらに、大型商用車向け水素エンジンの基礎研究を昨年より開始しました。
ハイブリッドEVについては地域のエネルギー事情やお客様の使い勝手に寄り添い、良品廉価にこだわり、改善を続けます。
そして、新車の20倍にも及ぶ保有頂いているクルマについても、カーボンニュートラル燃料でCO2削減に取り組んでまいります。
つづいて2つ目、知能化です。
クルマ本体、それを支えるサービス、さらには、社会へのつながりを拡げていく「知能化」についてお話します。
まずはクルマの知能化です。
先進安全技術やマルチメディアをはじめ、時代進化に合わせた機能のアップデートを、全てのクルマに順次広げ、さらに次世代バッテリーEVでは、車両OSの進化と共に走る、曲がる、止まるにこだわった、「乗り味」のカスタマイズ、も可能にします。
加えて、クルマの素性をより、磨き上げる事で、もっとFun to Driveなクルマをハード、ソフトの両面で実現します。
次にサービスの知能化です。
クルマがインフラ、街と繋がって、新しいサービスを提供する、例えば、リアルタイムの交通情報を活用し、輸送効率を高める物流システムや最適なエネルギーマネジメントを行うシステムなど本年、社会実装を開始致します。
また、街や公共施設と連携し、バッテリーEVの充電ネットワークの拡充は勿論社会への貢献としてのエネルギーグリッドや、人々の暮らしを支える様々なサービスを提供して参ります。
この取り組みはレクサスで既に始まっています。
さらに、社会の知能化です。
モビリティのテストコースと位置づけたWoven Cityで、人、クルマ、社会を繋げる様々な実証実験を行っていきます。
例えば、物流領域でのコネクティッドサービス、その社会実装の中で明らかになった課題に対し、Woven cityで改善を行い、再び社会に実装する。
こうして社会の知能化を加速させます。
最後に、3つ目の多様化です。
クルマはもちろん、移動そのもの、さらには、エネルギー領域にまで拡げる「多様化」についてお話します。
まず、クルマの多様化です。
ラインナップを拡充し、コネクティッドを活用したサービスや、新たなパートナーと共に用品、部品ビジネスを拡げていきます。
次に移動の多様化です。
例えば、長年の福祉車両開発で培ったノウハウを生かし、ワンタッチで車いすを固定できる装置を開発。
今年から実装を開始して参ります。
これを陸・海・空すべてに拡げご自身の車いすで、ストレスなく、目的地に行けるようにします。
また、Jobyとの協業など新たなモビリティ事業へも取組みを拡げていきます。
更には、エネルギーの多様化です。
水や、フードロスなどの廃棄物から作った水素や、バイオマスなどから作ったカーボンニュートラル燃料を使用した実証実験が日本やタイで既に始まっています。
また、そのエネルギー活用技術をモータースポーツの現場でも鍛え社会への普及につなげていきます。
最後に、これまでお話した、電動化、知能化、そして多様化、クルマを中心に、社会全体へ価値を拡げ、志を共にする仲間と一緒に未来を作って参りたいと思います。
ここからは、「地域を軸にした取り組み」について宮崎副社長からお話いたします。
宮崎さん宜しくお願い致します。
副社長・執行役員 宮崎 洋一
宮崎です。
私はこれまで、海外営業領域を中心にキャリアを重ねてまいりました。
皆様には地域CEOとつながったCFOとしてご記憶いただけたら幸いです。
さて、私からは、地域軸経営についてお話しします。
社長の佐藤からお伝えした、トヨタモビリティコンセプトの実現に向け、盤石な事業基盤の維持・強化が引き続き重要である、と考えています。
これについて、地域軸経営が果たしてきた役割とその成果から、お話しさせていただきます。
これまで「町いちばんのクルマ屋」を目指し、「もっといいクルマをつくろうよ」の掛け声のもと各地域の市場特性やお客様ニーズに対応しながら、TNGAで開発された素性のいいクルマ、一台一台を、地域CEOの下、丁寧に販売してきました。
その結果、新興国市場の拡大と併せ、極めてバランスのとれた地域別販売構成を実現してきています。
また、TNGA効果による研究開発費やインセンティブの低減に加え、我々の強みである、「地域のニーズにあったタイムリーな商品改良」と「仕入先と共に取り組む原価低減」を継続的に積み上げてきた結果、稼ぐ力は過去と比べて圧倒的に伸長し、更なる成長に向けた「未来への投資」を行いながら、利益を伸ばせる体質に進化してきました。
また、従業員や株主、仕入先様などのステークホルダーの皆様と、ともに成長するサイクルも築いてきました。
加えて、電動車の導入も積極的に進め、初代プリウスの登場以降、累計で2,250万台を販売、バッテリーEV約750万台に相当するCO2の排出削減を達成しています。
このリード役となったハイブリッド車は、性能と原価に磨きをかけ世代進化してきました。
その結果、ハイブリッドシステムの原価は当初の6分の1まで低下、ガソリン車と遜色ない利益が出せるようになりました。
このように、トヨタは稼ぐ力を大きく向上させながら、未来への投資とステークホルダーの皆様との成長と、CO2排出削減を、両立してきました。
これがまさに、もっといいクルマをベースとした、地域軸経営の成果だと考えています。
これからもこの地域軸経営を更に深め、事業基盤を、いっそう強固なものにしていきます。
そのために、まず向き合わなくてはならないのがカーボンニュートラルです。
炭素に国境はありませんし、CO2削減は待ったなしの課題です。
できることから、すぐに始める必要があります。
だからこそ、我々は、地域毎の電動化の進展度合いや多様なクルマの使われ方を踏まえ、電動車を少しでも早く、一台でも多く普及させるため、きめ細かな対応が必要です。
故に、バッテリーEVのラインナップ強化とともに、ハイブリッド車・プラグインハイブリッド車など、全てのパワートレーンの一層の魅力と競争力の強化を行っていきます。
ここからはバッテリーEVの各地域での取り組みをご説明します。
先進国では、次世代バッテリーEVの準備と並行して、性能をさらに磨いたbZシリーズを中心に、品揃えを大幅に拡充していきます。
米国では、2025年に3列SUVの現地生産を開始します。
このSUVには、ノースカロライナ州で生産するバッテリーを搭載し、生産能力の増強を進めて行きます。
また中国では、bZ4Xと先月発表したbZ3に加え、現地のニーズにあわせた現地開発のバッテリーEVを、2024年に2モデル投入します。
また、その後もモデル数を順次増強していきます。
アジアをはじめとする新興国においても、伸び始めてきているバッテリーEVの需要にしっかりと対応して参ります。
具体的には、年内にバッテリーEVピックアップトラックの現地生産を開始するほか、小型バッテリーEVモデルも投入していきます。
先進国は、市場が成熟する中で電動車へのシフトが予想されます。
一方、新興国は、新規や増車による市場の拡大が見込まれます。
トヨタは、フルラインナップと稼げるハイブリッド・プラグインハイブリッドと、増強していくバッテリーEVの多様な選択肢で、グローバルの幅広い需要に確実にこたえ、更に成長していきます。
まとめますと新興国の成長には、収益力の上がったハイブリッドで対応し、稼ぐ源泉とします。
そして、1,000万台のバリューチェーンで幅広い事業機会も取り込んでいきます。
加えて、TPSの強みを活かした原価低減とカイゼンの効果をフルに発揮していきます。
結果として、バッテリーEVやモビリティ領域の広がりに向けた未来の投資余力をこれまで以上に生み出し、カーボンニュートラルと成長を両立させる強い事業基盤を確立していきます。
ここからはトヨタモビリティコンセプトの実現に向け、取り組んでいくことをお話しします。
電動化・知能化・多様化の技術革新が進む中で、もう一段広げた視点での地域貢献、産業報国へのチャレンジを進めていきます。
例えばアメリカでは、人々のモノづくり離れや構造的なコスト増など、自動車産業は大きな課題に直面しています。
ここに、現場で磨きあげてきた「匠の技能」と「知能化」を組み合わせ、新しいモノづくり・自働化工程を提案することで、人手不足という課題を解決しながら、アメリカにモノづくりを残す、という恩返しができるのではないかと思っています。
また、4月3日にタイでのCP、サイアムセメントグループとの協業概要を発表しました。
これは電動化やコネクティッドの技術でクルマ・人・物・情報を繋げ、モビリティーをあたかも社会インフラの一部のように活用した実装の開始です。
こうした取り組みを通じ、深刻な渋滞や大気汚染、多発する交通事故などの地域課題の解決にチャレンジしていきます。
こうしたアプローチがモビリティコンセプト実現の一つの在り方だと考えています。
我々は誰ひとり取り残さず、カーボンニュートラルや地域の社会課題に向き合いながらモビリティカンパニーに向けた変革を進めてまいります。
「トヨタはもっとここで頑張っていいよ」と、言ってもらうことが更なる成長の源泉です。
世間的感覚や常識を持ち、外から内を見る。
柔軟な発想とチャレンジ精神で積極的に行動を起こしていく。
これらを実践しながら、更に深く、地域に受け入れていただける会社に成長していきたいと思います。
それでは最後に、もういちどキャプテンの佐藤社長にバトンタッチしたいと思います。
佐藤さん、お願いします!
社長・執行役員 佐藤 恒治(クロージング)
モビリティ・カンパニーを目指したトヨタの取り組みについて中嶋は商品・技術の観点から宮崎は地域経営の観点からお話いたしました。
どんなに時代が変わってもトヨタは、「商品で経営する」会社です。
そして、世界中で、お客様や社会の多様化にお応えし、幸せを量産していく会社です。
グローバル、フルラインナップの力を磨いてきたトヨタだからこそ、目指せるモビリティ社会の未来があると思っています。
タイにおける社会実装プロジェクトなど、その実現に向けたトヨタモビリティコンセプトに基づく取り組みは既に始まっています。
未来のために、今できることを、すぐにやる。
その想いで、仲間とともに行動してまいります。
正解がない時代に、未来を変えていくのは意志と情熱にもとづく「行動」だと思います。
大切なのは、まず行動すること。
止まっていたら景色は変わりません。
常識を超えて、挑戦する。
仲間とともに。
そうやって動き続けた先にクルマ屋らしく、トヨタらしいモビリティの未来がある。
そう信じています。
「クルマの未来を変えていこう」
これが、モビリティ・カンパニーを目指す私たちのテーマです。
このブレない軸のもと、意志と情熱をもって、挑戦してまいります。
これからのトヨタに、どうかご期待ください。
本日は、ご清聴ありがとうございました。
以上
~マイナスからゼロへ、ゼロを超えた新たな価値を~
トヨタは、「地球という美しい故郷(Home Planet)を次世代に引き継ぐ」ために、社会や個人が抱える様々な課題の解決(マイナスをゼロにする)に取り組むだけではなく、ゼロを超えた新たな価値の創出・提供を目指し、「回答のない未来へ弛まぬ挑戦」を続けていきます。
- BEYOND ZERO
- https://global.toyota/jp/mobility/beyond-zero/
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。