一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation、以下「TMF」)は、交通事故の死傷者ゼロを目指した議論と仲間づくりを進める「タテシナ会議」*1の枠組みのもと、本年7月に、具体的な取り組みを進めるための分科会を発足しました。まずは児童や高齢者など交通弱者への支援や自転車・二輪車が絡む事故、海外での事故などの課題に焦点を当て、5つの分科会で活動を開始しています。

本会の発足以来、「交通事故死傷者ゼロの実現時期を少しでも早めること」を目標に掲げ、現在までに35の企業から約140名が参画し、クルマ・人・交通インフラの三側面(「三位一体」)から、政府・自治体や関係機関とも連携を図り、活動を推進しています。

2023年12月15日には、参画メンバーが一堂に会する総会を実施、各活動の進捗確認や分科会間での知見の共有を行いました。また、TMFやパートナー各社と連携協定を結んでレンタカーを含む一般車両の交通事故削減に取り組む*2沖縄県警察本部に講演いただくなど、外部活動事例から学ぶ機会も設けました。引き続き、活動促進のための様々な工夫も重ねていきます。

現在の分科会における進捗は以下のとおりです。来年夏のタテシナ会議を始め、適宜、活動内容を公表予定です。

分科会 進捗と方向性
データ活用・
危険地点見える化
概要

各種データ(参画企業・組織が保有/住民協力によるもの等)の融合で、危険地点の推定精度を高め、地域でのより効果的な対策への活用を目指す。

進捗
  • 車両、スマホ、事故情報、インフラからのデータ、住民目線のヒヤリハット情報等の融合による、精度の高いリスク評価モデル構築に着手。まずは年度内に、愛知県豊田市を事例に、データ融合による効果検証を予定。
  • 福岡県宮若市において、地域との協業による住民参加型データ活用の実証実験を企画。
参画企業
分科会「データ活用・危険地点見える化」参画企業
高齢者安全運転支援
概要

運転技能の維持・向上、自家用車に頼らない移動の仕組みづくりまで、地域の生活に寄り添いながら、高齢ドライバーによる交通死亡事故ゼロを目指す。

進捗
  • 取り組みテーマを以下のように設定。今後、地域を選定し、各地域の特徴に応じた実証を展開予定。
    • 世代を問わず自身の運転を振り返るきっかけづくり
    • 運転診断サービスの進化と利用しやすい仕組みづくり
    • 自家用車に頼らない移動手段の提供/移動機会の創出
参画企業
分科会「高齢者安全運転支援」参画企業
新しい児童への啓発
概要

危険な実体験を伴うことなく、児童が危険を察知/回避する能力を養うことができる新しい啓発方法を開発・展開する(VRやAR、デジタルツインの活用など)

進捗
  • 児童と保護者からの視点での危険な地点を共有/見える化するヒヤリハットマップの自治体への展開、豊田市でのVR開発の推進。(「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」と連動し、豊田市で児童への啓発・体験展示を実施*3
  • 児童の交通環境における挙動把握を目的とした、保護者・学校連携による実証を予定。
参画企業
分科会「新しい児童への啓発」参画企業
自転車・二輪
概要

車両と自転車の相互通信等を活用した自転車・二輪車の交通死亡事故ゼロに繋がる仕組みと、新たな啓発手法を、官民連携により構築する。

進捗
  • コネクティッド技術を活用した事故防止、自転車利用者への法等ルールの理解、遵守意識の向上を目的とした実証を企画。(インフラ協調型(ITS)/スマートフォン連携型)
  • 各技術の有効性検証や自転車に関するルールの周知を目的に、政府・自治体・外部団体等との連携強化に着手
    →テクノロジーと従来の啓発を融合し、短期・長期の両面において人の行動変容を促す手法の提案・確立を目指す。
参画企業
分科会「自転車・二輪」参画企業
海外
概要

交通事故死傷者が多いアジア地域に着目し、死傷者削減の抜本的な対策の検討、国内や海外における好事例の横展開も含む実践を進める。

進捗
  • 交通事故死傷者、特に二輪車による事故が80%を占めるタイにて、地域の関係機関との連携を通じた取り組みを検討中
  • 現在の参画メンバーに加えて、タイで事業を進める他社との協働を模索
    →データ活用による事故状況の把握や対策、啓発活動の推進を図る。
参画企業
分科会「海外」参画企業
*1
「タテシナ会議」
毎年、交通安全に祈りを捧げる蓼科山聖光寺夏季大祭において自動車や関係する業界のトップ役員が一堂に会すことを受け、2019年に、交通事故死傷者ゼロの実現に向けて思いを共有し、協働するための場として初開催。2023年7月の開催時には、交通安全への想いと交通事故死傷者ゼロに向けた取り組みをさらに実効性のある活動にしていくための分科会も発足。
ご参考https://toyotatimes.jp/newscast/033.html
*2
「沖縄県におけるレンタカー利用者の交通事故削減に向けた実証実験」
TMFでは2021年12月より、レンタカー事業に関わるパートナー各社とともに、レンタカー利用者の安全運転支援のための実証実験を実施。2023年2月には沖縄県警察本部と連携協定を結び、産学官で連携して取り組みを推進中。
ご参考1https://toyotamobilityfoundation.jp/news/release/0068.html
ご参考2https://youtu.be/mpr5u9A48l8?si=_kwVTehcaQVNAKR3
*3
「交通安全ひろば」(2023年10月27日~2023年12月24日)
タテシナ会議「新しい児童への啓発」分科会、「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」豊田市開催を機として、児童に向けた「交通安全ひろば」を開催します|お知らせ|一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(toyotamobilityfoundation.jp)

ご参考タテシナ会議 参加企業・組織一覧(順不同)

タテシナ会議 参加企業・組織一覧(順不同)

トヨタ自動車は創業以来、お客様、ビジネスパートナー、従業員、そして地域社会等、全てのステークホルダーを尊重しながら、自動車を通じた豊かな社会づくりを目指して事業活動を行なっています。そして、より公益的な活動を行うことを目的に、2014年8月、TMFを設立しました。

TMFは、誰もが自由に移動できるモビリティ社会の実現に向け、幅広いプロジェクトを通じて世界中の移動課題の解決に取り組んでいます。今後も、トヨタグループが事業活動を通じて培った技術やノウハウを活用し、多様なパートナーとの協働を通して、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の考え方にも沿った活動を進めながら、人々が心豊かに暮らせる社会の実現に向けて貢献していきたいと考えています。

以上

Sustainable Development Goals

トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。

SDGsへの取り組み
https://global.toyota/jp/sustainability/sdgs/

今回の取り組みを通じて特に貢献可能なSDGsの目標

  • すべての人に健康と福祉を
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • パートナーシップで目標を達成しよう

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