本日、トヨタ自動車株式会社代表取締役会長(以下、会長)の豊田 章男が、トヨタ産業技術記念館*1において、トヨタグループ17社*2(以下、トヨタグループ)の会長、社長、現場のリーダーが出席する中、創業の原点を振り返るとともに、トヨタグループが進むべき方向を示したビジョン「次の道を発明しよう」を発表しました。その上で、従業員一人ひとりが持つべき5つの心構えを示しました。
ビジョン
次の道を発明しよう
心構え
誰かを思い、力を尽くそう。
仲間を信じ、支えあおう。
技を磨き、より良くしよう。
誠実を貫き、正しくつくろう。
対話を重ね、みんなで動こう。
今日、CASE*3を始めとした技術革新により自動車産業の概念が大きく変わろうとする中、トヨタグループは、多様なモビリティサービスを通じて、世界中のすべての人に笑顔や幸せを提供する企業グループへのモデルチェンジを目指しています。その実現に向けては、グループで働く全員が、同じ目線と価値観をもって未来に向かうためのビジョンが必要であるという会長の豊田の強い意志のもと、グループビジョンの策定に至りました。当初は、創始者豊田 佐吉の誕生日である2月14日の発表を予定していましたが、昨今、グループ会社の不正が続いていることなどを勘案し、予定を早める形で本日発表することになりました。
本ビジョンの発表にあたり、会長の豊田は次のように述べています。
「いま、私がやるべきことは、グループが進むべき方向を示し、次世代が迷った時に立ち戻る場所をつくること。すなわちグループとしてのビジョンを掲げることだと考えました。トヨタグループの原点は、『多くの人を幸せにするためにもっといいモノをつくること』、すなわち『発明』にあります。『次の道を発明しよう』。このビジョンのもと、一人ひとりが、自分の中にある発明の心と向き合い、誰かを思い、技を磨き、正しいモノづくりを重ねる。互いに『ありがとう』と言い合える風土を築き、未来に必要とされるトヨタグループになる。本日、私たちの原点とも言える、この産業技術記念館で、そう誓い合いました。私自身が責任者として、グループの変革をリードしてまいりますので、皆様のご支援をお願いいたします。」
トヨタグループの歴史は、豊田 佐吉が1890年に豊田式木製人力織機を発明し、その後豊田商店を創業したところから始まりました。その根底には、佐吉の「苦労する母親を少しでも楽にしたい」という想いがありました。誰かを思い、学び、技を磨き、モノをつくり、人を笑顔にする。この発明への情熱こそがグループの原点と言えます。以来、トヨタグループは、「モノづくり、すなわち発明を通じて人を笑顔にし、社会に貢献すること」を経営の核として発展し、1930年代に入ると、豊田 喜一郎がトヨタ自動車工業を設立し、繊維産業から自動車産業へとトヨタグループのモデルチェンジに挑戦します。喜一郎は「ただ、自動車をつくるのではない。日本人の頭と腕で、日本に自動車工業をつくらねばならない」との想いで、部品、鉄、ゴム、電子など、多くの仲間と共に、今日の自動車産業の礎を築きました。
こうした歴史認識にもとづき、グループビジョン発表の最後に、会長の豊田は以下のように述べました。
「先人たちの志を受け継ぎ、モビリティ事業を核にして、世界中の人々を笑顔にしていく。
これから生まれてくる子供たちが、もっと自由で、もっと豊かな未来をつくっていく。
トヨタグループ全員で、次の道を発明しましょう。」
*1 | 「研究と創造の精神」と「モノづくり」の大切さを広く社会にお伝えし、社会の発展に寄与することを目的に、トヨタグループが共同で設立、運営する施設。(愛知県名古屋市西区則武新町4丁目1番35号) |
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*2 | トヨタグループ17社
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*3 | 新しい領域で技術革新を表すConnected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字を取った言葉 |
以上
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。