トヨタ自動車(株)は、2023年6月21日13時30分より新型「アルファード」ならびに「ヴェルファイア」の発表会を実施しました。
新型アルファード/ヴェルファイア発表会
日時
2023年6月21日(水)13:30~13:45
出席者
トヨタ自動車株式会社 執行役員 デザイン領域領域長 Chief Branding Officer Simon Humphries(サイモン・ハンフリーズ)
内容
プレゼンテーション
執行役員 デザイン領域領域長 Chief Branding Officer サイモン・ハンフリーズ プレゼンテーション(日本語訳)
みなさん、こんにちは。
ついに、アルファードとヴェルファイアの新型車を見ていただける日がやってきました。
今、「アルファード」「ヴェルファイア」といえば確立されたイメージがあると思います。
存在感ある顔、グリル、そしてラグジュアリーな室内空間まで…
しかし、かつてはそうではなかったのです。
デビュー当時のアルファードは、“意外と地味なヤツ”だったのです。
1990年代、ファミリーカーに、ミニバンというセグメントが誕生。
車内の広さが特徴の、新たなファミリーカー。アルファードもその一員として誕生したのです。
多彩なシートアレンジから、車内のエンタメまで一人ひとりの価値観に寄り添い、ファンを増やしていきました。
さらに重要なのが、後席だけでなく、ドライバーの欲望まで刺激したこと。
車高の高さ、走りのパフォーマンス、自信みなぎるドヤ顔…
オーナーを誇るこのクルマは多くの人の愛車へと、その価値を高めていったのです。
やがて、ヴェルファイアという仲間も誕生。
よりアグレッシブで、ダイナミック!“ちょい悪弟”みたいな存在。
若者のクルマ離れともいわれる中、エッジの効いたクルマは、若者の心をガッチリと掴みました。
事実、オーナーの約30%が、30代以下なのです。
二人のライバル関係が激しくなるほど、その雰囲気に魅了される人も増えていく。
また逆に、オーナーたちのこだわりがこの2つのクルマをさらに成長させてくれたのです。
しかし、ストーリーはまだ序章に過ぎません。
アルファードは、より大きなムーブメントを生み出していきます。
そう!ショーファーカーの常識を、一変させたのです。
「セダンしか認めない」そんな古い価値観を、アルファードが見事に覆しました。
でも、なぜそんなことが起こり得たのか。
おそらく、多くの人が「セダン」から「アルファード」に乗り換えたことで価値観が変わっていったのでしょう。
その中でも“あの人”のエピソードを紹介します。章男さんの話です。
章男さんといえば、「マスタードライバー」の話が多いですが、今日は「マスターパッセンジャー」と呼んだほうがいいかもしれません(笑)
2004年、彼が役員だった頃、セダンのショーファーカーからアルファードに乗り換えました。
理由は「ワークスタイルに合っていたから」です。
広い車内でゆったり仕事ができる。会議の合間にくつろげる。
必要ならば着替えだってできる。アルファードは完璧な選択肢でした。
しかし当時、それがいかに異質だったか?こんなエピソードがあります。
白いアルファードでサプライヤーさんを訪問した際、「もうすぐセンチュリーに乗ったVIPが来る!早く道を開けてくれ!」と大変な剣幕で、大慌てで注意されたそうです。
アルファードから降りてきた章男さんを見て、先方は仰天されたのでした。
これは、もちろん過去の話。
今、アルファードとヴェルファイアは、相撲力士から政治家、映画スターからビジネスパーソンまであらゆる人の愛車に選ばれるようになったのです。
「マスターパッセンジャー」である章男さんは、このクルマを3世代にもわたり乗り続けました。
“もっといいクルマ”へと徹底的に鍛え続けてきたのです。
まさに、ショーファーカーのニュースタンダードとなったのです。
心を豊かにしようとする空間設計や、どれだけ車内にホスピタリティを盛り込めるかという発想は、まさに日本ならでは。
アルファードやヴェルファイアには、あらゆるシーンに配慮した設計など人の幸せを願い、細やかな工夫を重ねる「おもてなし」の心がいくつも詰まっているのです。
しかし長い間、この2台のクルマは日本だけのものであり、海外からは正直、戸惑いの目で見られていました。
「自動車版のガラケーになるのでは…」と。
しかし、驚いたことに国内だけでなく、海外の多くのみなさんが、このクルマをひとつ上のステージへと導いてくれたのです。
海外からも、根強い人気を獲得。
“ガラパゴス”なのではなく、世界のどこにもない魅力が詰まっていたのです。
新しくなったアルファードとヴェルファイアは、2倍近くの国で販売されることになります。
他にはない一台として、たくさんのお客様に愛されることが楽しみでなりません。
みなさん準備は良いですか?
これが、新型「アルファード」と「ヴェルファイア」です。
“Born in Japan”、-日本のおもてなしが生みだしたクルマ-
いかがでしょう?
あなたはアルファード派ですか?ヴェルファイア派ですか?
まずは「こだわりのTOP5」を、紹介させてください。
1つめは…「二人は、誰に愛されているかを知っている」ということ。
アルファードとヴェルファイアは、長年、激しくぶつかり合うライバルでした。
しかしアルファードが自信をつけすぎたことで、実は、ヴェルファイアは廃止される運命になっていたのです。
しかし、このことが社内で広まると、ヴェルファイアを支持する声が殺到!
開発チーム、経営陣、販売店、そして一部のVIPアドバイザーまでもが「絶対に認めない」と強い感情をあらわにしたのです。
愛されてきたアイコンを捨てるなんて、本気か?と。
お客様の想いに合わせて仕立てられた2台。
力強さと自信から、アルファードはその典型です。
一方ヴェルファイアには「ちょい悪のヤバイやつ」という唯一無二の魅力があるのです。
まるでオーダーメイドのように。
強い個性と存在意義を持って、二人は今後もライバルとして激しく闘い続けるでしょう。
2つめは、「箱型ではないワンボックス」であること。
体のデカさに相応しい“美しい筋肉”を身に着けました。
もう、箱型なんて言わせません。
技術革新が、デザイン上の制約を解放。
ダイナミックに心を揺さぶるスタイルをつくり出したのです。
3つめは、「ワンタッチで世界を変えられる」こと。
車内には、究極のホスピタリティを搭載。
極上のドアの開閉フィーリングで、ストレスなく別世界へ入れます。さらに…
ボタンひとつでくつろぎたい、癒されたい、集中したいなど気分に合わせてシート位置や照明、空調を最適化。
あなた好みの世界へと瞬時に変えてくれるのです。
4つめは、「やりすぎたコックピット」。
決して、後席のオーナーだけを満たすのではありません。
2台ともに、14インチのセンターディスプレイ、12.3インチのメーター、ヘッドアップディスプレイを装備。
それらを柔らかな革で包み込んだ空間は、まるでハイブランドの工芸品といっても過言ではありません。
最後は、「人のために。地球のために。」
究極のユーザーエクスペリエンスを、目には見えないところまで。
たとえば走行時、人が不快に感じる振動は、なんと現行車の1/3!
ラグジュアリーセダンと遜色のないレベルです。
また、人間へのおもてなしだけでは「いいクルマ」とは呼べません。
環境へのおもてなしも忘れない。今後PHEVも登場予定なのです。
本日、アルファードとヴェルファイアが切り拓いてきた価値をお話しましたが、これは未来にも関係する話です。
なぜなら、2台の価値はトヨタというブランド全体が目指す、本質でもあるからです。
これからの時代、多様なライフスタイルに合わせた選択肢。
さらにはサービスや情報で社会とつながるクルマなど、あらゆるニーズに応えなければ生き残っていけません。
トヨタは“Freedom in motion”-移動に、究極の自由をもたらすこと-を目指しているのですが、今日の2台は、気に入ったタイプを自由に選べる。
やりたいことを自由に楽しめる。
別世界に自由に浸れる。
ショーファーカーという世界でも、自分らしさを選べる自由。
新型アルファードとヴェルファイアは、これらの自由を、かつてない次元にまで引き上げました。
しかし、ここがゴールではありません。
先日発表されたクラウンセダンは、「カーボンニュートラルなショーファーカー」という新たな選択肢であり、FCEVユニットも設定。
「エレガントなクラウン」は、「パワーやスペースを誇るアルファード・ヴェルファイア」との違いを楽しめ、ショーファーカーをより自由に選べるようになったのです。
ストーリーは、まだまだ続きがあります。
究極のショーファーカーであるセンチュリー。
そのセンチュリーさえも、大胆に変えようと、すでに動いているのです。
年内には、トヨタのショーファーシリーズに新たなエディションが加わることをお伝えできればと思います。
我々トヨタが社会に必要とされ続けるための、新たな一歩になることは間違いないでしょう。
「クルマの未来を変えていこう」
本日はありがとうございました。
関連リンク
以上
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。