2025年10月29日
Japan Mobility Show 2025 TOYOTA・DAIHATSU プレスブリーフィング
取締役社長 佐藤 恒治 プレゼンテーション
皆さん、おはようございます!“自称”トヨタグループ館へようこそ!
私が本日のトップバッターを務めさせていただきます。
ブースの入り口には、私たちの大切な原点を並べています。
乗用車への挑戦のルーツであるトヨダAA型。生活に欠かせないインフラ、商用車…そのルーツであるG1型トラック。そして、G型自動織機。
トヨタグループは、若き日の豊田佐吉が、苦労する母を見てつくった発明品、木製の機織り機から始まりました。改善に改善を重ね、やがて佐吉は、自動で動く機織り機、G型自動織機を発明します。
そこにあったのは、「誰かのために」という想い。それが、これまでも、そしてこれからも、私たちの挑戦の原点です。
まずは、こちらをご覧ください。
【トヨタ企業広告】「TO YOU」篇
「TO YOU」という言葉にTOYOTAブランドの想いを載せました。私たちは、以前から、「Mobility for All」の実現を目指して取り組んできました。
しかし、“モノづくり”の現場に立つと、心の中に“少しだけ”引っかかるものがありました。
それは、「For All」とは言うものの、「すべての人に向けた“最大公約数のモノづくり”なんかひとつもない」ということです。
私たちが何かをつくるときに思うことは、「誰かの助けになりたい」「誰かを笑顔にしたい」。必ず、誰かひとりの「あなた」の顔を思い浮かべて、そこを目掛けてつくっているのだと思います。
「あなた目掛けて」を続ければ、いつの日か「Mobility for All」に近づいていける。そう考えてモノづくりをしているんだ、ということに気がつきました。
さきほどのCM、最後に映っていたのはこちらのカローラです。
カローラは、「TO YOU」、誰かのためのクルマづくりの象徴であると思います。
時代に合わせて、人々の生活に合わせて、常に、目の前のあなたに向けて形を変えてきました。
見た目もボデータイプも様々。でも、そのすべてがカローラでした。
だからこそカローラは、“みんなのためのクルマ”なんです。
これからもそうあり続けるために、どう変わるべきか。
地球は大きくて、世界は広い。道も違えば、エネルギー事情も違います。
ただ、誰もが共通して持っているもの。それは「地球を大切に想う気持ち」。そして、もうひとつ、“かっこいいクルマ”に乗りたい。こんな気持ちも、みんな一緒だと思います。
バッテリーEVでも、プラグインでも、ハイブリッドでも、エンジン車でも。動力がなんであれ、みんなが乗りたくなるかっこいいクルマにしよう!
それを実現するための発明が、このクルマには詰まっています。
そして、こちらのIMV Origin。このクルマを企画する時、思い描いたYOUは、アフリカの農村に住む人々でした。
アフリカの「あなた」を目掛けて、2つのアイデアを盛り込みました。
ひとつ目は「未完成のまま工場を出荷する」ということ。
工場を出る時は、まだ“走るクルマ”として組み立てられていません。このクルマを組み立てて、完成させるのは現地の皆さん。アフリカに「組み立てる」という“新しい仕事”が生まれます。
もうひとつのアイデアは、「そこで組立てても、まだ“この状態”」ということです。
このクルマに人を乗せるのか、荷物を載せるのか。載せる荷物は、箱なのか。そうでないのか。
私たちがつくるのは土台の部分まで、です。その先、使い方に合わせてクルマを完成させるのはお客様おひとりおひとりです。
完成状態までつくらないことに、クルマ屋としてのもどかしさもありました。しかし、それが“あなた”のためになる。暮らしや仕事のニーズは多様だからです。
「あえてつくりきらない」という、新たな発明に挑戦するクルマです。
次に、こちらの映像をご覧ください。
【ダイハツTVCM ブランド広告】「わたしにダイハツメイ」篇
このコマーシャル、思わず口ずさんでしまいませんか?
私も舞台袖で、ちょっと歌ってました。マイクがオフでよかったです(笑)
小さいからこそできること。日本の道を走っていると、小さくて助かった…と思うこと、けっこうあると思います。
CMで、最初に登場したクルマは1950年代のミゼットです。「小さいクルマがあったら便利なのに」という声を町で聞いて、「ほな、つくったろか!」という想いで生まれた“大発明品”でした。
クルマを小さくつくることは、とっても難しい。クルマづくりをやってきたひとりとして、心からそう思います。そんな挑戦を続けているのがダイハツです。
CMの最後に出てきたのは未来のミゼット。
ダイハツのクルマづくりは、昔も今も変わりません。町に出て声を拾い、困っている人を見つけては、何ができるだろう?と考える。「小さくつくる技術」をどう活かせるか、頭をひねる。
そうしてたどり着いたのが「ミゼットX」というわけです。
そして…もう1台、ご紹介します。軽のオープン、「K-OPEN」です。
このK-OPEN、何がすごいか?FR、後輪駆動なんです。
このすごさは、なかなか伝わらないかもしれませんが、こんな小さいボディでFRを実現するって“とんでもない”ことなんです。
エンジンを低く置いて、ミッション、プロペラシャフトを配置して、ペダルのレイアウトを考えて、すべてをこのボディに収める。
この話をすると長くなっちゃうのですが、一言で言うと、開発者たちの知恵と工夫が詰まりまくっているんです。
先日、会長の豊田がダイハツのマスタードライバーになるというニュースがありました。コペンにもたくさん乗って、たくさん壊してくれるのだと思います。
ダイハツの皆さん!マスタードライバーとのクルマづくりは大変です。覚悟しておいてください(笑)
でもクルマ屋として、こんなに楽しいクルマづくりはないと思います。
新しいコペンがどんなクルマになっていくのか?私もとっても楽しみにしています。
「小さいからこそできる」トヨタにはできない大発明で、Mobility for Allを一緒に実現していきたいと思います。
そして、もうひとつ。こちらのTO YOUの広告には、「あなたが行けないなら、モビリティが会いにいく」と書いてあります。
自分が乗って動くことだけがモビリティではありません。モビリティが“あなた”に近づいていく。何かを届ける。これも大きな役割です。
写真に写っているクルマは、こちらのKAYOIBAKO。段ボールに色々なサイズがあるように、KAYOIBAKOにもいくつかのサイズがあります。XLからSサイズまで、小さな箱はダイハツがつくり、大きな箱はトヨタがつくります。
冒頭、商用車のルーツであるG1型トラックを紹介しましたが、当時は自動車事業への挑戦を始めたばかりのころで、納車後も、故障が相次ぎました。そのたびに、豊田喜一郎は、すぐさま現場へ駆けつけたと言います。
お客様第一の精神。それに加えて、喜一郎には、2つの想いがあったんじゃないかと思っています。
ひとつは、そのクルマはどんな状況で壊れたのか。自分の目で見て改善したいという「現地現物のエンジニア魂」。そしてもうひとつは、生活を止めてはいけない。日本をもっと良くしたいという「国への思い」。
この想いをしっかり受け継いで、これからもトヨタは、商用車、「運ぶモビリティ」を大切に育てていきたいと思っています。
「Mobility for All」「誰かのために」「TO YOU」「わたしにダイハツメイ」。
こうした言葉は、私たちクルマ屋の創造力を掻き立てて、やる気にさせてくれます。
こうした想いが、もっともっと多様なモビリティをカタチにしていく原動力になります。
例えば、こちらのboost me。こういうモノがあれば、足が不自由な人もそうで無い人も一緒に、本気でスポーツができるんじゃないか。そう考えた仲間はこんなモビリティを提案してくれました。
また、こちらのKids mobi。こういうモノがあれば、子どもたちの世界はもっと広がるんじゃないか。そう考えた仲間は、子ども向けのモビリティをカタチにしてくれました。
誰かを思い、ひとりの“あなた”を見て、どうしたら喜んでもらえるだろう?と考える。
「あなた目掛けて」。
その一心で、「色んな」もっといいクルマをつくって、幸せを量産していきたいと思っています。
“発明”に成功することもあれば、うまくいかないこともあるかもしれません。
でも、難しいからこそ、やりがいがある。それが挑戦の意味だと思います。
世界中の「あなた」がつくる未来。その真ん中には、クルマがあって、たくさんの笑顔があってほしい。
そのために、クルマをもっと楽しくて、もっともっと愛される存在にしていきます。
「クルマの未来を変えていこう」。
この想いを力に変えて、これからもトヨタグループのみんなで、発明に挑戦し続けていきたいと思います。
ありがとうございました!
以上
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。
