環境への取り組み
トヨタは、グローバル社会と協調しつつ、事業活動を通じて社会・地球の持続可能な発展に貢献するために、1960年代から継続して「環境」への取り組みを行ってきました。サステナビリティに関する方針を連結会社も含めたすべての従業員と共有し、社会に愛され、信頼される企業を目指しています。
環境分野では1992年(2000年改定)に定めた「トヨタ地球環境憲章」のもと、トヨタの地球環境に対する2050年までの長期的な取り組みを「トヨタ環境チャレンジ2050」として、COP21*でパリ協定が合意された2015年に策定。これを核としてさまざまな取り組みを推進しています。
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渉外活動に関する基本的な考え方
トヨタは「可動性(モビリティ)を社会の可能性に変える」というビジョン、そして「幸せを量産する」というミッションを掲げています。全体最適を常に目指しており、トヨタのビジネスは17の持続可能な開発目標(SDGs)にも沿っています。渉外活動に関する基本的な考え方は、社会に貢献したいという想いが根底にあります。
気候変動の影響を最小限に抑え、電動車を世界的に広めていくために、政府と政策が果たす役割は極めて大きく、トヨタは、政策、社会的ニーズ、技術の進化、そしてお客様のニーズが最大限同じ方向を向くよう努力していきます。
トヨタはそれぞれの地域で地域社会の一員、「企業市民」であり、透明性と遵法性をもって現地の社会や公共政策に可能な限り貢献する責任があると自覚しています。「人間性尊重」の基本理念のもと、政府、行政機構、規制当局、政党、NGO、地域コミュニティー、お客様、販売店、仕入先、そして従業員と良好な関係を築き、あらゆる人々を尊重し、世界中の人々から頼りにされる企業、必要とされる企業になることを目指します。
トヨタが公共政策に貢献するためには、経済団体・業界団体やその活動への参加が極めて重要です。多くの役員・従業員が世界中の経済団体・業界団体で活動しており、その団体の政策提言策定などにも関与・貢献しています。
気候変動政策に関する渉外活動の開示
トヨタは、重要な気候変動政策に関する基本的な考え方や、渉外活動に関する考え方、そしてトヨタが属している経済団体・業界団体の概要をお示しすることにより、トヨタの活動に透明性を持たせ、社会との信頼関係を構築・強化し、ステークホルダーの皆様との連携を一段と強化していきたいと考えています。
Science Based Targets initiative(SBTi)から目標の認定・承認
トヨタは2022年9月、SBTi*1からScope 1、2とScope 3 Category 11*2の削減目標について、次のとおり認定・承認*3を得ました。
対象 | 目標年 | 基準年 | 削減率 | 認定・承認 区分 | |
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Scope 1、2 | 2035 | 2019 | 68% | 1.5℃ | |
Scope 3 Category 11(排出原単位) | 乗用車、小型商用車 | 2030 | 33.3% | Well Below 2℃ | |
中型貨物車、大型貨物車 | 11.6% |
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*3 |
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環境取り組み事例
自然共生
職場での取り組み
取り組み紹介動画
トピックス
北京2022冬季オリンピック・パラリンピック競技大会の支援(中国)
- 選手や関係者を乗せた小型燃料電池バス
2022年2月4日からの17日間および、3月4日からの10日間、北京2022冬季オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、大会)が、中国で開催されました。期間中、北京2022組織委員会はCO2の排出削減や環境保護に焦点を当て、持続可能な開発目標の実現を目指した様々な取り組みを行いました。
トヨタは、安全・安心でグリーンな大会の実現のために、HEV、BEV、FCEV*といった電動車2,205台をオフィシャルカーとして提供し、選手や関係者の移動をサポート。
中国で初めて大規模に投入した新型MIRAIや、大会に向けてトヨタの小型バス「コースター」をベースに開発した小型燃料電池バスなどの電動車によりCO2の排出削減に大きく貢献することができました。また、福祉車両であるコースター、シエナ、ハイエースが、パラリンピック競技選手の移動に使用されました。
トヨタは、大会後もオリンピック・パラリンピックのレガシーである、これらのFCEVや福祉車両を継続して活用します。また、中国の水素燃料電池産業の発展に協力するとともに、「Mobility for All」を実現することを目指しています。
トヨタは「エコカーは普及してこそ環境への貢献」の考えのもと、中国をはじめ、各国・各地域のニーズに対応し、カーボンニュートラルの多様な選択肢を提供します。そして、工場や販売店におけるCO2排出削減などの努力を続け、カーボンニュートラルを実現するために貢献していきます。
* | HEV : ハイブリッド車、BEV : 電気自動車、FCEV : 燃料電池自動車 |
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- 選手や関係者を乗せた小型燃料電池バス
TKMの工場にて再生可能エネルギー電力導入100%を達成(インド)
- ビダディ工場屋上に設置された太陽光パネル
トヨタは2035年の工場カーボンニュートラル達成に向け、グローバルで様々な取り組みを行っています。
トヨタ・キルロスカ・モーター(TKM)は、2014年度以降、再生可能エネルギーの利用を増やす取り組みを実施してきました。2021年6月には、カルナタカ州ビダディの工場および同敷地内にあるサプライヤーの8つの拠点を含め、TKMが購入する電力の100%再生可能エネルギー化を達成。
発電事業者と太陽光発電の電力販売契約(PPA)を締結し、敷地内8.2MW、敷地外18MWの容量の太陽光発電を活用することにより、2014年から2022年3月にかけて286,794トンのCO2を削減することができました。
今後もトヨタは、グローバル全工場での2035年カーボンニュートラルを実現するために、各地域の特性を考慮しつつ、CO2回収、再利用などの技術開発も進めてまいります。
- ビダディ工場屋上に設置された太陽光パネル
廃シートベルトをクルマの側面保護ネット材に再利用(ブラジル)
- エティオス・アイボの車内の様子(赤枠 : 側面保護ネット)
世界的に、大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした従来のリニア・エコノミー(線形経済)から、今後は廃棄物ゼロを前提としたサーキュラー・エコノミー(循環経済)への移行が求められています。
ブラジルトヨタ(TDB)は、2009年に「ブラジルトヨタ基金」を設立し、2011年より「ReTornar(ヘトナール)」プロジェクト(アップサイクル*に取り組むプロジェクト)を始動。これまで、回収したエアバッグやシートの生地、古い作業着などをバックパックや財布など新たな製品に生まれ変わらせてきました。この取り組みは、廃棄物を減らすだけでなく、地域住民の仕事(裁製)と収入にも貢献しています。
2021年4月、「ReTornar」プロジェクトの一環として、TDBは「エティオス・アイボ」プロジェクトを発表。2022年1月から2023年8月にかけて、1.24トンの廃シートベルトを、アルゼンチン市場向けの荷物運搬用エティオス・アイボ1,389台分の側面保護ネット材にアップサイクルします。この新たなプロジェクトは、2021年のトヨタ中南米地域を対象としたエコアワードにおいて、最優秀賞を受賞しました。
TDBは、究極の循環型社会の実現を目指し、今後も廃棄物資源の活用に積極的に取り組んでまいります。
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- エティオス・アイボの車内の様子(赤枠 : 側面保護ネット)
マングローブ植林による環境保全活動(フィリピン)
- 2021年10月、TMP岡本社長(中央)とボランティア
世界では森林破壊や海洋汚染により、多様な生きもの生息域が分断され、生物多様性の損失が進んでいます。
トヨタ・モーター・フィリピン(TMP)は、「トヨタ環境チャレンジ2050」のひとつ『人と自然が共生する未来づくりへのチャレンジ』を実践するために始められたオールトヨタ・グリーンウェーブプロジェクトを通して、計36,900本の苗木をフィリピン沿岸および高地エリアに植林してきました。
この活動において、TMPは2020年にフィリピン共和国環境天然資源省(DENR)と、リアン地域の沿岸に位置する10haのマングローブ植林エリアの清掃・保護・再生に関する3年間のパートナーシップ契約を締結。2021年10月には、地方自治体などと協力して、20,000本のマングローブを植林。また、沿岸部の清掃を行い50kgのゴミを収拾しました。
マングローブの植林は、生物多様性の保全や、高潮による洪水リスクの低減、地域住民の雇用促進にもつながります。マングローブによるCO2吸収量は熱帯雨林の数倍と言われており、TMPはマングローブ林を増やしていくことが気候変動対策としても不可欠と考えています。今後も、地域社会と良好な関係を築きながら、次世代に美しい地球を残すための活動を続けてまいります。
- 2021年10月、TMP岡本社長(中央)とボランティア
法令等に基づく公表事項
- 自動車リサイクル
- 適正処理関連マニュアル
- 車種別リサイクル料金一覧
- 自動車リサイクル法に基づく再資源化等の実績
- リサイクル関係事業者向け情報(エアバッグ類とフロン類の回収・運搬料金等)
- 車種別環境情報
- 産業廃棄物
- 産業廃棄物処理施設の維持管理の状況に関する情報開示
- 環境アセスメント
- Toyota Technical Center Shimoyamaの自然・地域との共生に向けた取り組み
- 田原工場風力発電所設置事業に関する環境影響評価の手続き