Feb. 25, 1999

トヨタ、新国際規格の固定方式に対応した新チャイルドシートを開発

 

 トヨタ自動車(株)は、従来より幼児・子供の自動車乗車中の安全確保を図るため、チャイルドシートの開発・販売や着用の啓発活動に積極的に取り組んできたが、このほど車両への着脱が確実かつ容易で、乗員(幼児・子供)の保護性能も高めた新チャイルドシートを開発した。

 新チャイルドシートは、新たなチャイルドシート固定方法の国際規格化*1が論議される中、誤使用防止や車両適合性の向上等を目指して開発を進めてきたもの。

新チャイルドシートの主な特長
  1. 車両への確実な装着
    最大の特長は、車両とチャイルドシートの確実かつ容易な固定方法の採用で、具体的にはチャイルドシート固定専用のアンカ(直径6mmのバー)を車両側の座席背もたれ部と座面の間に装備し、チャイルドシート側には、このアンカに直接固定するための機構を備える。この固定機構により、チャイルドシートをワンタッチで確実に着脱することが可能となり、誤使用も防ぐことが出来る。固定専用アンカ未装備の車両に対しては従来通り車両側のシートベルトで固定が可能。
  2. 乗員保護性能の向上
    チャイルドシートは、インパクトシールド*2を採用し衝突時の子供の拘束を確保するほか、サイドウイング*3により子供の頭部を保護するなど、乗員保護性能の向上を図っている。また、通気性に配慮したシート作りやチャイルドシートの対象年令の拡大(~4才を~6才)等、保護性能と幼児や子供へのやさしさの両立を開発のコンセプトとしている。
  3. 使いやすさの向上
    新チャイルドシートは、ベース*4と着座部分である本体を分離した設計により、同じベースを使ってベビーシートからチャイルドシートへの付け替えが可能な点や、扱い易さを目指した本体の軽量化、ベビーシートをベースから取り外して運べるキャリアシステムなど、使用性と安全性能の両立を図っている。

 今回の開発は、チャイルドシートメーカーのタカタ株式会社と共同で進めたもので、確実かつ容易に車両への着脱ができるチャイルドシートの固定方法であるISOFIX*1に対応し、その国際規格化を積極的に進める両社の取り組みの成果として商品化するもの。
 なお、トヨタは、本年夏を目途に車両側の対応を含め新チャイルドシートを発売する予定。

*1 固定方法の国際規格化とISOFIX
ISOFIXとは、誤使用防止、車両適合性の向上、取り付け方法の国際的な統一を目的としたISO(国際標準化機構)規格のチャイルドシート固定方式。1990年スウェーデンが提唱。以降、国際的議論を経て本年1月国際規格に決定。これに準拠したチャイルドシートの開発と車両側の対応が各国で進められている。
*2 胸郭を支持するプロテクター
*3 側頭部をカバーするプロテクター。体格、姿勢に合わせ上下左右に調整可能。
*4 チャイルドシートの車両への固定用アダプター

以上

別紙

新国際規格の固定方式への対応
  1. ベビーシート、チャイルドシート共用の車両への固定用ベース(アダプター)
  • 車両側のチャイルドシート固定専用アンカにロックさせた後、ベビーシート、チャイルドシートをセット
新国際規格の固定方式への対応
ベビーシート
ベビーシート
対象年齢目安……新生児~9ヶ月
  1. ワンタッチで車両へ確実な固定が可能
  2. 本体を軽量化し、ベビーキャリアとしてベースから取り外し、持ち運びが可能
ベビーシート
チャイルドシート
チャイルドシート
対象年齢目安……9ヶ月~6才
  1. ワンタッチで車両へ確実な固定が可能
  2. 装着が容易で胸郭を支持するインパクトシールドを採用
  3. 頭部を保護するサイドウイングを採用
  4. 対象年令の拡大(~4才を~6才)と軽量化により使いやすさを向上
チャイルドシート
掲載写真は、開発中の試作品

ダウンロード(画像)

  • インパクトシールド固定機構
    インパクトシールド固定機構
  • チャイルドシート側固定機構
    チャイルドシート側固定機構
  • ベビーシート
    ベビーシート
  • チャイルドシート
    チャイルドシート