Jan. 27, 2006
環境負荷物質を低減する世界初の塗装表面処理剤を開発
トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、自動車塗装の表面処理工程において発生する有害金属と埋立て廃棄物を大幅に低減することができる世界初*の表面処理剤を、日本パーカライジング(株)(以下、パーカ)と共同で開発した。
自動車の塗装工程において、塗装の密着性と耐食性を確保するために塗装前の表面処理を実施する際、従来は、リン酸亜鉛を主成分とする表面処理剤(以下、リン酸亜鉛処理剤)を使用していた。このリン酸亜鉛処理剤には数種類の金属が含まれており、水で洗い流す際にそれらの金属類が排水に流出するため、工場内で排水を浄化する必要があった。さらに、リン酸鉄が副生成物として発生するため、このスラッジの埋め立て処理を実施することが不可欠であった。
こうした排水の浄化・スラッジの発生は、リン酸亜鉛処理剤を用いる限り避けることができない問題であり、自動車メーカーにとって大きな課題となっていた。
トヨタは、これらの環境負荷物質の低減を目的として、新しい表面処理剤の開発を2000年よりパーカと共同で行ってきた。
従来、リン酸亜鉛以外の金属化合物による表面処理剤は、自動車のような鉄材・亜鉛めっき材・アルミ材が混在しているものに用いると、鋼板種によって皮膜の生成が不均一となるため、耐食性が十分に確保できないという問題があった。
今回開発した表面処理剤は、従来のリン酸亜鉛処理剤に含まれていたリン、ニッケル、マンガンを全く使用せず、スラッジの発生をゼロにすることができる世界初の画期的な技術である。
開発においては、数十種類の金属化合物の適用性を試行した結果、ジルコニウム系化合物を主体に有害性の少ない数種の金属や特殊な有機物を採用することで、リン酸亜鉛処理剤と同等な耐食性を確保することに成功した。
さらに、耐食性に加え、密着性や塗装後の耐久性、仕上がりについてもリン酸亜鉛処理剤と同等以上の性能を有しており、近い将来、リン酸亜鉛処理剤に代わる表面処理剤の主流になり得るものである。
なお、この新しい表面処理剤は、2006年1月初旬よりトヨタ高岡工場の部品塗装ラインに導入している。
自動車の塗装工程において、塗装の密着性と耐食性を確保するために塗装前の表面処理を実施する際、従来は、リン酸亜鉛を主成分とする表面処理剤(以下、リン酸亜鉛処理剤)を使用していた。このリン酸亜鉛処理剤には数種類の金属が含まれており、水で洗い流す際にそれらの金属類が排水に流出するため、工場内で排水を浄化する必要があった。さらに、リン酸鉄が副生成物として発生するため、このスラッジの埋め立て処理を実施することが不可欠であった。
こうした排水の浄化・スラッジの発生は、リン酸亜鉛処理剤を用いる限り避けることができない問題であり、自動車メーカーにとって大きな課題となっていた。
トヨタは、これらの環境負荷物質の低減を目的として、新しい表面処理剤の開発を2000年よりパーカと共同で行ってきた。
従来、リン酸亜鉛以外の金属化合物による表面処理剤は、自動車のような鉄材・亜鉛めっき材・アルミ材が混在しているものに用いると、鋼板種によって皮膜の生成が不均一となるため、耐食性が十分に確保できないという問題があった。
今回開発した表面処理剤は、従来のリン酸亜鉛処理剤に含まれていたリン、ニッケル、マンガンを全く使用せず、スラッジの発生をゼロにすることができる世界初の画期的な技術である。
開発においては、数十種類の金属化合物の適用性を試行した結果、ジルコニウム系化合物を主体に有害性の少ない数種の金属や特殊な有機物を採用することで、リン酸亜鉛処理剤と同等な耐食性を確保することに成功した。
さらに、耐食性に加え、密着性や塗装後の耐久性、仕上がりについてもリン酸亜鉛処理剤と同等以上の性能を有しており、近い将来、リン酸亜鉛処理剤に代わる表面処理剤の主流になり得るものである。
なお、この新しい表面処理剤は、2006年1月初旬よりトヨタ高岡工場の部品塗装ラインに導入している。
* 2005年12月現在。トヨタ調べ |
以上