Mar. 23, 1979
トヨタ、カローラならびにスプリンターをフルモデルチェンジ
トヨタ自動車工業(株)、トヨタ自動車販売(株)は、大衆乗用車カローラならびにスプリンターを、昭和49年4月以来4年11ヵ月振りにフルモデルチェンジし、3月23日より全国一斉に発売する。
今回のカローラならびにスプリンターのフルモデルチェンジにあたっては、先進的な設計思想のもとに、安全性や省資源・省エネルギーなど、社会的要請に対応しながら、その基本テーマを「総合性能に優れた、80年代をリードする高級大衆車」とし、次の3点を重視している。
- 居住性、静粛性、走行安定性、低燃費の追求
- 多様化する大衆車需要層への対応
- 国際商品としての十分な競争力の確保
また、53年度排出ガス規制および54年騒音規制にも適合している。
なお、今回の改良の主な点は次のとおりである。
-
- カローラ セダン 4ドア 1300GL
(E-KE70-EEKNS) '79.3
- カローラ セダン 4ドア 1300GL
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- スプリンター ハードトップ 1500SE
(E-AE70-FSKES) '79.3
衝撃吸収ウレタンバンパー、樹脂ホイールキャップはオプション
- スプリンター ハードトップ 1500SE
- スタイルの一新
フード、ベルトラインを低くした直線的でシャープなイメージを基調とし、空力特性と居住性をともに向上させたスタイルである。
またセダン、ハードトップ、クーペ、リフトバックのそれぞれの性格・用途にふさわしいボデースタイルとしている。 - 斬新な内装デザイン
カラーコーディネーションに留意し、居住空間を一層落ち着きあるものとするとともに、計器盤まわりを見易く、しかも斬新で機能的なものとしている。
- 居住性・静粛性および乗り心地・走行安定性の向上
- 室内スペース、トランクスペースを拡大するとともに、シートの改良、空調性能の向上により快適性を高めている。
- 防振性能に優れたボデー構造、遮音対策の徹底などにより大幅に静粛性を向上させている。
- サスペンションの改良、ホイールベース、トレッドの拡大、ステアリングの改良などにより、乗り心地・走行安定性を向上させている。
- 安全性の向上
ガラス面積を大きくとり、前後・左右の四方向ともに、広い視界を確保している。また、全車型に前輪ディスクブレーキの採用、シートベルトの装着性をよくするなど、安全性の向上をはかっている。
- 軽量化・低燃費の追求
合理的設計により車両の軽量化をはかるとともに、従来からのエンジン(4K-U型・1,290cc、2T-GEU型・1,588cc)の改良、小型・軽量な新開発エンジン(3A-U型・1,452cc)の搭載、さらに走行抵抗の低減などにより優れた燃費性能を実現している。
国内販売目標は、当面月販カローラ25,000台、スプリンター12,000台をそれぞれ見込んでいる。
なお、カローラならびにスプリンターの車両概要、排出ガスデータ、燃費、車種体系、価格、主要諸元は別紙のとおりである。
以上
別紙
- カローラならびにスプリンターの車両概要
- スタイルの一新
- ボデースタイルは、直線的なウェッジド・シェイプ(楔型)を基調とし、空力特性、居住性など様々な要素を昇華させたものである。
- セダン、ハードトップ、クーペ、リフトバックのそれぞれの性格・用途にふさわしいボデースタイルとしている。
- セダンは、居住空間の確保に最重点を置き、フロント・ロウ、リヤ・ハイ(フードが低く、トランク部が高い)の3ボックス、ノッチバックスタイルである。
- ハードトップは、ノッチバックスタイルのパーソナルカーで、軽快さを強調しながら、同時に居住性を確保している。
- クーペは、スポーティさを追求した直線的なファストバックスタイルで、リヤに大きなハッチバックドアを採用している。
- リフトバックは、後席の居住性を高めるとともにラゲッジスペースを拡大し、多用途性を追求しており、リヤのデザインについてもスポーティな処理をしている。
- カローラセダンには丸型4灯式ヘッドランプを採用し重厚さを、その他の車種には角型2灯式ヘッドランプを採用し、精悍なイメージを強調している。また、全車型に大型のリヤコンビネーションランプを採用している。
- 斬新な内装デザイン
- 室内は低いベルトラインによってガラス面積を増加させるとともに、インストルメントパネルの上面を極力低く押さえている。
このため、視界の良い明るいキャビンとなっている。 - インストルメントパネルは、全面アクリルレンズの大型コンビネーションメーターを採用し、ゲージ類の視認性を配慮するなど、斬新で機能的なデザインとなっている。
- 室内色は三色を設定し、カラーコーディネイトされた落ち着いた居住空間としている。
- 室内は低いベルトラインによってガラス面積を増加させるとともに、インストルメントパネルの上面を極力低く押さえている。
- 居住性・静粛性および乗り心地・走行安定性の向上
- 居住性の向上
- ホイールベースを30mm、トレッドをフロント25mm、リヤ50mm拡げ、居住スペースおよびトランクスペースを拡大している。たとえば、カローラ4ドアセダンGLの場合、室内長を60mm、室内幅を10mm大きくしており、特にショルダー部の室内幅が30mm大きくなっている。
また、トランクについては、容量の拡大に加え、開口部を大きくとることにより、一層使い易いものとなっている。 - クーペおよびリフトバックには、分割可倒式リヤシートを採用しており、後部空間を有効に活用できる。(但し、DXは一体可倒式)
- ヘッドレスト分割式フロントシートの採用。(カローラはGL・SE・GT、スプリンターはXL・SE・GT)
また、クーペには専用のスポーティなバケットタイプのフロントシートを採用。(カローラはSL以上、スプリンターはST以上) - リクライニング式リヤシートの採用。(リフトバックのSE・GTに標準装備)
- 定位置復帰式ウォークイン機構を助手席側に採用し、乗り降りの便をはかっている。(4ドアセダンを除く)
- 温度コントロールのし易いエアミックスヒーターの採用。(1300DX以下を除く)
- ホイールベースを30mm、トレッドをフロント25mm、リヤ50mm拡げ、居住スペースおよびトランクスペースを拡大している。たとえば、カローラ4ドアセダンGLの場合、室内長を60mm、室内幅を10mm大きくしており、特にショルダー部の室内幅が30mm大きくなっている。
- 静粛性の向上
- 防振性能に優れたボデー構造、サスペンションメンバーの剛性アップ、エンジンマウントの改良、ラジエータの防振支持などにより車内騒音を減少させている。
- カウルおよびダッシュサイレンサーの改良、吸音成形天井の採用などにより室内の静粛性を向上させている。
- 突起・段差の少ないボデーを採用するとともに、ラジオアンテナの取り付け位置の改良などにより風切音を減少させている。
- 乗り心地・走行安定性の向上
- リヤのサスペンションをラテラルロッド付4リンク式に変更し、ホイールベース、トレッドの拡大と相まって、乗り心地・走行安定性を向上させている。さらに、SR・GT・レビン・トレノは、リヤスタビライザーを装着し、一層の走行安定性の向上をはかっている。
- ラックアンドピニオン式ステアリングの採用(1300系)など、各車型に適したステアリングを採用することにより、走行安定性の向上をはかっている。
- 装備品の充実
- 衝撃吸収式ウレタンバンパーの装備。(GT・レビン・トレノに標準装備)
- マッドガードの装備。(SE・SR・GT・レビン・トレノに標準装備)
- リヤウィンドゥワイパーの装備。(クーペ・リフトバックのSE・SR・GT・レビン・トレノに標準装備)
- 左右のアウターミラーの角度を室内から調整できる一本レバー式電動リモコンミラーの採用。(SE・GT・レビン・トレノに標準装備)
- 運転席からガソリン注入口のカバーを開けることのできるフューエルリッドオープナーの採用。(カローラは1500GL・SL以上、スプリンターは1500XL・ST以上に標準装備)
- 可動式コンソールボックスの装備。(SE・SR・GT・レビン・トレノに標準装備。但し、セダンを除く)
- エンジンスイッチを切った状態でも燃料の残量が確認できる置針式フューエルゲージの採用。(SE・SR・GT・レビン・トレノに標準装備)
- 水晶式デジタル時計の採用。(SE・SR・GT・レビン・トレノに標準装備)
- リフトバックに、バッグドア連動式パーセルカバーを採用。(カローラのGL以上、スプリンターのXL以上に標準装備)
また、クーペにはバッグドア連動式パッケージトレイを採用している。(カローラのSL以上、スプリンターのST以上に標準装備) - ハロゲン角型ヘッドランプ(カローラのセダンを除く)、専用のカーコンポーネントステレオなどを新たにオプション設定している。
- 居住性の向上
- 安全性への配慮
- ブレーキ関係
全車型ともブースター付前輪ディスクブレーキを装備し、一部車型(GT・レビン・トレノ)には、四輪ディスクブレーキを標準装備している。
- シートベルト関係
- 装着の容易な二重巻取式ELR(エマージェンシー・ロッキング・リトラクター)シートベルトを4ドアセダンのフロントシートに採用。(1500・1600系全車およびカローラの1300GL、スプリンターの1300XLに標準装備)
- テンションリデューサー付ELRシートベルトを採用し、シートベルト装着時の圧迫感の軽減をはかっている。(ハードトップ、クーペ、リフトバックの全車およびカローラ2ドアセダンGLに標準装備)
- その他
- 半ドア警告灯を装備。(カローラはGL・SL以上、スプリンターはXL・ST以上)
- 全車型に大型アウターミラーを採用。
- 4ドアセダンのリアドアにチャイルド・プロテクターを採用。
- インストルメントパネルの照明に透過式を採用し、視認性を向上させている。(SR・SE・GT・レビン・トレノ)
- ブレーキ関係
- 軽量化・低燃費の追求
- ボデー構造を含む各部の合理的な設計により、車両重量を軽減している。たとえば、1500・4ドアセダンの場合従来型1400車と比較して、80kg軽量化している。(カローラDXの4速マニュアルフロアシフト車の比較)
- 車両重量の軽減、エンジンの改良、新型エンジンの採用、空力特性の向上などにより低燃費を実現している。
- 車種体系
- 従来のT-U型エンジン(OHV・1,407cc)搭載車にかえて、新開発の3A-U型エンジン(OHC・1,452cc)搭載車を新たに加えた。
- 2T-GEU型エンジン(DOHC・1,588cc、EFI-電子制御式燃料噴射装置-付)を従来のクーペ、リフトバックに加え4ドアセダン、ハードトップにも搭載し、GT系を充実させている。
- 従来型車に搭載していた4K-U型エンジン(OHV・1,290cc)に改良を加え、燃費・ドライバビリティーを向上させている。
- これらの結果、カローラならびにスプリンターの搭載エンジンは、4K-U型・3A-U型・2T-GEU型の3機種となった。
- カローラならびにスプリンターの車種体系は、ボデータイプ(2ドアセダン、4ドアセダン、ハードトップ、クーペ、リフトバック。但し、2ドアセダンはカローラのみ)、エンジン(4K-U型・3A-U型・2T-GEU型)、トランスミッション(4速マニュアルフロアシフト・5速マニュアルフロアシフト・2速オートマチックフロアシフト)およびグレードの組み合わせによりカローラ44車型、スプリンター37車型の計81車型となった。
排出ガスデータ完成検査目標平均値・10モード
燃費データ
- カローラシリーズ車種体系一覧表
- スプリンターシリーズ車種体系一覧表
- カローラシリーズ主要車種標準価格一覧表
- スプリンターシリーズ主要車種標準価格一覧表