Jun. 16, 2006

株式会社メニコン
豊田通商株式会社
トヨタ自動車株式会社

21世紀の地球環境保全のため
トヨタ自動車、メニコンが畜産向け たい肥化促進システムを共同開発

-豊田通商の飼料販売ル-トを通じて7月1日より販売開始-

 

 トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)とコンタクトレンズの国内最大手メーカーの株式会社メニコン(以下、メニコン)は、効率的で環境にやさしい畜産向け たい肥化促進システム「resQ45*1(レスキュ-ヨンジュウゴ)」を共同開発した。トヨタの子会社であるトヨタルーフガ-デン株式会社が製造・販売元になり、豊田通商株式会社(以下、豊田通商)の飼料販売ル-トを通じ、7月1日より地域を限定して販売を開始する。

 現在、日本国内では年間8,900万トンの家畜排せつ物が排出されているが、2004年11月の「家畜排せつ物法*2」(野積み・素掘りの禁止等)の完全施行以降、畜産農家では適切な処理に多大な労力がかかっている。

 今回共同開発した「resQ45」は、メニコンが保有する分解酵素・微生物を基に新開発した
促進材「特別急酵」・高温菌「サーモ・マスター」を使用し、フィ-ルド試験から得た発酵環境づくりのノウハウを生かして開発した たい肥処理の新システムで、たい肥完成までの期間を約45日間と大幅に短縮し、畜産農家の負荷を軽減できる。また、悪臭や温室効果ガスの低減等、環境負荷の軽減にも大きな効果を発揮する。
 さらに、家畜排せつ物の発酵は、酵素濃度・水分率・送風量・pH等、様々な要素が関係するため、個々の畜産農家の実状に合わせて、本システムを最適に導入する技術指導を実施する。

 事業規模としては、当面、牛を飼養する農家への販売を目指しており、3年後の売上は10億円を見込んでいる。また、5年後には、豚・鶏等にも広げることで、20億円の売上を目標としている。

 「resQ45」の主な効果は以下のとおり。(数値は全てメニコン実験値)
 
  たい肥化期間の大幅な短縮 → 90~180日間→約45日間
 
  悪臭源であるアンモニアガス(NH3)の大幅削減 → 従来の90%減
 
  温室効果ガス(亜酸化窒素:N2O、メタンガス:CH4)の大幅削減 → N2O:従来の90%減
CH
4:検出せず(検出限界:5ppm以下)
 
  水質汚染の少ないたい肥 → 硝酸態窒素:90%減
 
  高品質のたい肥 → 放線菌が100~1,000倍
 
 今後も、トヨタ・メニコン・豊田通商は、畜産向けたい肥化促進システム「resQ45」を新しい環境ビジネスの一つとして位置付け、地球温暖化の抑制・農地の土壌改善に貢献すると共に、資源循環型社会の実現を目指していく方針である。
 
  *1 r : recycle    e : eco    s : speed    Q : Quality    45 : 45日
  *2 正式名称は「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」
 
【ご参考】 「resQ45」 HPアドレス : http://www.toyota-tsusho.com/resq45.cfm

以上