Jul. 24, 2003

<ご参考>

トヨタ、バイオプラスチック生産実証プラントを建設へ

 

 トヨタ自動車(株)〔以下トヨタ〕は、植物資源を原料としたバイオプラスチック(ポリ乳酸)を生産する年産1000トンクラスの実証プラントを、日本国内の既存工場内に建設することを決定した。

 トヨタは、「地球再生・循環型社会構築」に向け、自動車の生産・使用・廃棄、全ての段階で環境負荷低減に取り組むことはもとより、様々な分野の環境負荷低減技術の研究・開発にも積極的に取り組んでおり、その一環として、バイオプラスチック製造技術の研究・開発を推進している。既に、自動車用に耐久性・耐熱性等を向上させた「トヨタ エコプラスチック」として、本年5月にモデルチェンジした新型「ラウム」に採用を開始している。

 今回の実証プラントは、バイオプラスチック製造のための各工程の要素技術がほぼ確立したことを受け、量産化に向けたコストや品質目標達成の検証を行うことを狙いに建設するものであり、サトウキビを原材料に、乳酸の発酵・精製からポリ乳酸の重合(高分子化)までを一貫して手がける計画である。

 バイオプラスチックは、大気中のCO2を吸収して成長した植物資源を原料とするため、従来の石油系プラスチックに比べ、地球温暖化防止に貢献するだけでなく、土中の微生物により水とCO2に分解されるという生分解性を付与することもでき、廃棄物処理問題の解決にも役立つ等、極めて環境負荷低減に貢献度の高いものである。

 トヨタでは、この実証プラントで生産したバイオプラスチックを、内装材を中心とした自動車部品材料として展開していくと共に、我々の生活に広く浸透している多くのプラスチック汎用製品へも応用を図っていくことにより需要を開拓し、本格プラント建設への足がかりとしていく方針である。
◆バイオプラスチック実証プラントの概要
 建設予定地
  日本国内の既存工場内
 敷地面積
  約5000m2
 建設開始予定
  2003年内
 実証開始予定
  2004年 8月
 生産規模
  年産1000トン
 原材料
  サトウキビ
 投資額
  約23億円

以上