Feb. 25, 2003

トヨタ、2003年のモータースポーツ活動および支援計画を発表

 

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、"フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)"、"IRLインディ・カー・シリーズ (インディ)"、"全日本GT選手権(JGTC)"をモータースポーツのトップカテゴリー参戦の3本柱とし、"頂点を目指す挑戦"を2003年の共通テーマに掲げ活動する。また、将来に向けたトップ・ドライバー育成、モータースポーツの基盤を支える活動についても継続して行う。

 参戦2年目となるF1については、今シーズンを"挑戦の年"としてとらえ、新型エンジン"RVX-03"および新型7速ギアボックスを搭載し、空力面を大幅に進化させた新型F1カー"トヨタTF103"と、新ドライバーのオリビエ・パニスとクリスチアーノ・ダ・マッタの布陣で臨む。初"挑戦"となるIRLインディ・カー・シリーズでは、5チーム10台へ新開発のV8 3.5リットル自然吸気エンジン"トヨタ・インディRV8I"を供給、「インディ・ジャパン(もてぎ)」および伝統の「インディ500」での勝利を目指す。国内では、全日本GT選手権シリーズへ参戦する"スープラ"に、セルシオなどに搭載のV8 4.3リットルエンジン(3UZ-FE)をベースとする新開発のV8 5.2リットルエンジンを投入、ドライバーズ・タイトルおよびチーム・タイトルを狙う。

 また、トップドライバーを継続的かつ長期的に育てることを目的とした"トヨタ・ドライバー・育成プログラム"については、日本国内および欧州での活動を継続し、才能ある人材の発掘と育成を進める。

 さらに、モータースポーツの基盤を支える活動については、日本国内でのワンメイクレース"ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ"や"Netz Cup(ヴィッツ・シリーズ、アルテッツァ・シリーズ)"の開催、米国での"CART・トヨタ・アトランティック・チャンピオンシップ"や欧州での"ヤリス・カップ"への支援などを、積極的かつ継続的に行うことにより、モータースポーツの発展に寄与していく。

 なお、トヨタの様々なモータースポーツ活動は、東富士研究所のモータースポーツ部を中心に、日本ではトヨタテクノクラフト(株)TRD(以下、TRD)、米国ではTRD,U.S.A.Inc.(以下、TRD-USA)、欧州では Toyota Motorsport GmbH(以下、TMG)を、各地域での活動拠点として位置付けている。  

 2003年の活動概要は次の通り。 

              
【活動および支援計画概要】
 1.フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)
"パナソニック・トヨタ・レーシング"として、フルコンストラクター(単独チーム)での参戦を継続し、2年目となる2003年シーズンを、「挑戦の年」ととらえ活動を推進
昨年7月より本格的な稼動を始めた風洞設備を使用し、空力面を大幅に進化させた新型F1カー"トヨタTF103"を開幕戦より投入。軽量化と低重心化、およびパワーアップによる性能向上を信頼性と両立させた新型エンジン"RVX-03"に加え、新型7速ギアボックスを搭載
ドライバーには、オリビエ・パニス(Olivier Panis フランス)およびクリスチアーノ・ダ・マッタ(Cristiano da Matta ブラジル)を新たに起用。また、リザーブ・ドライバーとして、リカルド・ゾンタ(Ricardo Zonta ブラジル)を加え、レース・テスト・開発に万全の体制で臨む
プロジェクトの拡大に併せ、TMGの経営とチーム運営の分離を図るとともに、技術部門の組織を見直し、レース&テスト・エンジニアリング部門を新設するなど、より一層の体制強化を実施
            
 2.IRLインディ・カー・シリーズ(インディ)
IRL"インディ・カーシリーズ(Indy Car Series)"に参戦する5チーム10台を、米国トヨタ自動車販売(株)(以下、TMS)およびTRD-USAを通じ、エンジン開発・供給にて支援
TRD-USAを中心に新開発した、V8 3.5リットル自然吸気エンジン"トヨタ・インディRV8I"を各チームに供給
エンジン供給チームとドライバーは下記の通り
チーム  ドライバー
 マールボロ・チーム・ペンスキー
 (Marlboro Team Penske)
 エリオ・カストロネベス (Helio Castroneves ブラジル) 
 ジル・ド・フェラン  (Gil de Ferran ブラジル) 
 ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング
 (Target Chip Ganassi Racing)
 スコット・ディクソン (Scott Dixon ニュージーランド) 
 トーマス・シェクター  (Thomas Sheckter 南アフリカ) 
 ケリー・レーシング
 (Kelly Racing) 
 アル・アンサー Jr.  (Al Unser Jr. アメリカ) 
 スコット・シャープ  (Scott Sharp アメリカ) 
 モー・ナン・レーシング
 (Mo Nunn Racing) 
 高木虎之介  (Toranosuke Takagi 日本) 
 フェリペ・ジャフォーネ  (Felippe Giaffone ブラジル) 
 AJフォイト・エンタープライズ
 (A.J. Foyt Enterprises)
 A.J.フォイト4世  (A.J.Foyt IV アメリカ) 
 服部茂章  (Shigeaki Hattori 日本)
 3.全日本GT選手権シリーズ (JGTC)
TRDを通じ、"全日本GT選手権シリーズ(All Japan Grand Touring Car Championship Series:JGTC)"に参戦するチームを支援    
参戦車両は、新開発のV8 5.2リットルエンジン(3UZ-FE)を搭載するスープラ(GT500クラス)、および2.0リットルターボエンジン(3S-GTE)を搭載するMR-Sとセリカ(GT300クラス)
新型V8 5.2リットルエンジンは、セルシオなどに搭載するV8 4.3リットルエンジン(3UZ-FE)をベースに、高性能かつ軽量・コンパクト・低重心を狙いに開発    
支援チームおよびドライバーラインナップ(暫定)は下記の通り
  チーム名  ドライバー
 GT500
 クラス
 ESSO・トヨタ・チーム・ルマン
 (ESSO TOYOTA Team LeMans)
 脇阪寿一 (Juichi Wakisaka) 
 飯田章 (Akira Iida) 
 トヨタ・チーム・トムス
 (TOYOTA TEAM TOM'S)
 土屋武士 (Takeshi Tsuchiya) 
 黒澤琢弥 (Takuya Kurosawa) 
 T.B.N. T.B.N. 
 トヨタ・チーム・セルモ
 (TOYOTA TEAM Cerumo)
 竹内浩典 (Hironori Takeuchi) 
 立川祐路 (Yuji Tachikawa) 
 トヨタ・チーム・サード
 (TOYOTA TEAM SaRD)
 ドミニク・シュワガー (Dominik Schwager) 
 織戸学 (Manabu Orido) 
 アドバン・レーシング・チーム
 (ADVAN Racing Team)
 荒聖治 (Seiji Ara) 
 ジェレミー・デュフォア (Jeremie Dufour) 
 クラフト(KRAFT)  服部尚貴 (Naoki Hattori) 
 脇阪薫一 (Shigekazu Wakisaka)
 GT300
 クラス
 ※チーム、ドライバー未定
 4.その他の活動支援
 <日本国内>
TRDを通じ、下記のカテゴリーへの参戦を支援。主に参戦マシン設計・開発・製作を担当するほか、トヨタ車を使用する各カテゴリーのチームへの技術的支援も実施
(1) 全日本F3選手権シリーズ
"全日本F3選手権"に参戦するチームおよびドライバーを支援
支援チームおよびドライバーラインナップ(暫定)は下記の通り
チーム名   ドライバー  
 トムス (TOM'S)  ジェームス・コートニー (James Courtney オーストラリア)
 トムス (TOM'S)   片岡 龍也 (Tatsuya Kataoka 日本) 
 トムス (TOM'S)  小早川 済瑠 (Wataru Kobayakawa日本) 
 NOW MOTORSPORTS   吉本 大樹 (Hiroki Yoshimoto 日本) 
 NOW MOTORSPORTS   番場 琢 (Taku Banba 日本) 
 インギング(INGING)  横溝 直輝 (Naoki Yokomizo 日本) 
 インギング(INGING)  ロニー・クインタレッリ (Ronnie Quintarelli イタリア)
(2) ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ
ワンメイク・フォーミュラ・レース"ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ(全10戦)"の開催
(1990年以来14シーズン目)
参戦用車両(FT30)は、カーボンコンポジット製シャシー、ラジアルタイヤとL.S.Dの採用により、上級カテゴリーへのステップアップを考慮
(3) Netz Cup"アルテッツァ・シリーズ"および"ヴィッツ・シリーズ
"観る"から"参加する"をコンセプトに2000年にスタート、これまで延べ約4300名(アルテッツァ・シリーズ約900名、ヴィッツ・シリーズ約3400名)の参加者を記録
(a) "アルテッツァ・シリーズ"
・主要サーキットを網羅する全国シリーズとし、全7戦を開催
(b) ナンバー付レース "ヴィッツ・シリーズ"
・5つの地方シリーズ(東北、関東、関西、西日本、北海道)全27戦を開催 
・各地方シリーズの上位者が集うチャンピオン戦を開催
(4) その他各種グラスルーツ活動への支援
各種活動(スーパー耐久シリーズ、全日本ラリー選手権、全日本ダートトライアル選手権など)における参戦チームへの支援 
B級ライセンスで初心者も参加が可能なイベントとして、ヴィッツによるワンメイク・ラリー"TRD Vitz Challenge(全6戦)"の開催       
"トヨタモータースポーツクラブ(TMSC)"の活動支援等
 <米  国>
TMSおよびTRD-USAを中心に、IRLへの参戦に加え、主に下記の活動を支援 
(1) NASCAR(National Association for Stock Car Auto Racing)
NASCARグッディーズ・ダッシュ・シリーズ(NASCAR Goody's Dash Series)へV6 4.1リットルエンジン搭載の"セリカ"にて参戦。ドライバーは、ロバート・フォフマン(Robert Huffman)ほか     
NASCARクラフツマン・トラック・シリーズへの2004年からの参戦に向けた、NASCAR用V8 5.8リットルエンジンおよび参戦車両の"トヨタ・タンドラ・NASCARクラフツマン・トラック"の開発     
(2) CART・トヨタ・アトランティック・チャンピオンシップ
今年で15回目となるタイトル・スポンサーおよびワンメイク用1.6リットルエンジン(4A‐GE)の供給にて支援。2003年シーズンは、全12戦、約30台をサポート     
(3) CORR(Championship Off Road Racing)
トヨタ"タンドラ"にて参戦するジョニー・グレーブス(Johnny Greves)、およびトヨタ"タコマ"で参戦するジェフ・キンケイド(Jeff Kincaid)を支援     
(4) グランド・アメリカ・ロード・レーシング(GRAND AM)
"ロレックス・スポーツ・カー・シリーズ"に参戦するセグワ・レーシング(Cegwa Racing)へのV8 4.3リットルエンジン供給による支援
(5) NHRA(National Hot Rod Association)ドラッグレース
"ファニーカー(Funny Car)"クラスに"セリカ"で参戦するアラン・ジョンソン・レーシング(Alan Johnson Racing)とドライバーのブルース・サーバー(Bruce Sarver)への支援等    
CARTチャンプ・カー・ワールド・シリーズ第3戦ロングビーチ・グランプリへのスポンサード 
(ロングビーチ・グランプリへのスポンサードは、1975年以来29回目)
IRLインディ・カー・シリーズ開幕戦マイアミ・ホームステッド、および第15戦フォンタナへのスポンサード
 <欧  州>
ヤリス(日本名ヴィッツ)1.3リットルをベースとするワンメイクレースを開催、2003年は欧州数カ国で各6~8戦を開催予定 
【トヨタ・ドライバー育成プログラム】
 1.基本的な考え方
世界および日本のトップカテゴリーにおいて活躍できるレーシングドライバーの育成を目的に、才能ある人材を発掘するとともに、継続的にステップアップできるプログラムを用意 
 2.プログラムの内容について
 <日本における育成プログラム>
(1) トヨタ/ヤマハ ステップアップ・システム
ヤマハ発動機(株)が展開するレーシングKARTプロジェクトを支援するとともに、優秀ドライバーを"ESSOフォーミュラ・トヨタ・レーシングスクール(FTRS)"に招聘
(2) ESSO・フォーミュラトヨタ・スカラシップ
レーシングKART、入門フォーミュラシリーズの成績優秀者などを対象(18歳前後)とする"ESSOフォーミュラ・トヨタ・レーシング・スクール(FTRS)"より選抜した3名のドライバー小林可夢偉(Kamui Kobayashi 16歳)、中嶋一貴(Kazuki Nakajima 18歳)、大嶋和也(Kazuya Ohshima 15歳)の"ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ"への参戦を支援
(3) F3スカラシップ
2002年"ESSOフォーミュラ・トヨタ・シリーズ"のシリーズ上位入賞者を対象としたオーディションにより、シリーズ・チャンピオンの小早川済瑠(Wataru Kobayakawa21歳)の"全日本F3選手権"へのトムスからの参戦を"ESSO・トヨタF3スカラシップ"として支援
片岡龍也(Tatsuya Kataoka)、小早川済瑠(Wataru Kobayakawa)、吉本大樹(Hiroki Yoshimoto)、番場琢(Taku Banba)、横溝直輝(Naoki Yokomizo)の5名のドライバーの"全日本F3選手権"への参戦を"トヨタF3スカラシップ"として支援
(4) トヨタレーシングスクールの開催
関谷正徳を校長とした"ESSOフォーミュラ・トヨタ・レーシング・スクール(FTRS)"の実施
各スカラシップ選定者を対象としたトレーニング・プログラムの実施(レーシングカーの基礎知識、ドライビング理論、メンタル・フィジカル両面でのトレーニング等の幅広いメニュー)
フォーミュラカーおよびツーリングカーのドライバーを対象とした、新たなレーシング・スクールの設立に向けた準備(富士スピードウェイを拠点に、2005年スタート予定)
(5) 世界トップカテゴリーへ参戦するドライバーへの支援
高木虎之介の"IRLインディ・カー・シリーズ"への参戦を支援
優秀なドライバーのトップ・カテゴリーへの参戦支援については、継続的に検討
<欧州における育成プログラム>
TMGによる"ヤング・ドライバーズ・プログラム"として、将来のF1ドライバー育成を目標に活動
レーシングカーやドライビングに関する理論の習得、メンタル・フィジカル両面でのトレーニングや、PRおよび語学等のトレーニングを実施
2003年は、下記の5名のドライバーが対象
ドライバー  参戦カテゴリー  チーム
 ライアン・ブリスコ 
 (Ryan Briscoe オーストラリア 21歳)
 ヨーロピアンF3(European F3)
 およびマールボロ・マスターズF3
 (Marlboro Masters F3)
 プレマ・パワーチーム
 (Prema Powerteam)
 平中克幸
 (Katsuyuki Hiranaka 日本 21歳) 
 フランク・ペレラ
 (Franck Perera フランス 18歳) 
 イタリアン・フォーミュラ・ルノー
 (Italian Formula Renault)
 およびユーロカップ
 (Formula Renault Eurocup)
 平手晃平 
 (Kouhei Hirate 日本 16歳) 
 ロベルト・ストレイト
 (Roberto Streit ブラジル 19歳)
<ご参考>
【富士スピードウェイ・全面リニューアル計画について】
2003年は、9月15日(月・祝)まで平常営業し、全日本選手権レースを含む主要レースイベントを開催。9月16日以降、約1年半の間、場内の一部を除き営業を休止
現在、平常営業と平行して、順次リニューアル工事に着手しており、進捗状況は当初計画通り。
全面リニューアル・オープンは、2005年4月を予定
以上