Oct. 12, 2002

日野自動車株式会社
ダイハツ工業株式会社
トヨタ自動車株式会社

トヨタ、日野、ダイハツ、東京モーターショー(商用車)に
ハイブリッド車、福祉車両、次世代物流システムなどを出展

 

 トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)、日野自動車(株)(以下、日野)、ダイハツ工業(株) (以下、ダイハツ)の3社は、10月29日(火)より11月3日(日)まで千葉・幕張の日本コンベンションセンター(通称:幕張メッセ)で開催される第36回東京モーターショー(商用車)に、参考出品車23台、福祉車両等特装車を含む市販商用車28台の合計51台の車両ならびに各種技術展示物を出展する。

 今回のモーターショーでは、軽トラックから大型トラック・バスまで商用車のフルラインアップを構成する3社が、特に「環境と人への優しさ」の視点から、「環境、福祉、ITS*1」の各分野における取り組み姿勢を一体となり提示している。

 21世紀の物流・人流では、都市生活や産業活動が地球環境と調和し、共生できることをめざし、自動車、鉄道、海運、航空等の各交通機関が各々の長所を活かして連携する、人、物、情報のシステマチックな流れが必要となる。
 この中で自動車は、ドア・ツー・ドアに代表される機動性により、各交通機関が連携する モーダルミックスの核となると見込まれ、そのためには、基本性能の向上、環境との調和および 人への優しさを念頭に高齢者や障害者のより快適な移動の追求など、一段と進化することが求められている。

 トヨタ、日野、ダイハツは、個人・法人需要、小口・大口配送、そして近距離・ 長距離輸送と様々な物流・人流を考慮した車両というハードの技術開発とともに、より効率的な車両運用システムというソフトの開発を進めている。
 今回3社は、CO2の削減、排出ガスのクリーン化をさらに進める燃料電池ハイブリッドバス、ハイブリッド車、クリーンディーゼル車およびCNG*2、LPG*3などの代替燃料車をはじめ、誰もが利用しやすいよう人への優しさに配慮するユニバーサルデザインの概念をとり入れたバスやコンセプトカー、車いすでの容易な乗降、移動を可能としたバスや介護支援車、ASV*4(先進安全自動車)技術を取り入れたトラック、ITS技術を駆使し高効率を追求した次世代の運行管理システムなどを一堂に展示、紹介し、これからの物流・人流を見据えた商用車への取り組みを提示する。

 出展概要は以下のとおり。

*1 ITS:Intelligent Transport Systems
*2 CNG:Compressed Natural Gas(圧縮天然ガス)
*3 LPG:Liquefied Petroleum Gas(液化石油ガス)
*4 ASV:Advanced Safety Vehicle
1.合同出展
環境、福祉、ITSの各分野を盛り込んだ参考出品車および技術展示物により、多面的な 取り組み内容を紹介

(1) 環 境・福 祉
省エネルギー、排出ガスのクリーン化、低騒音など、地球環境保全、都市環境改善に寄与する 先進技術とともに、誰もが利用しやすいよう人への優しさに配慮するユニバーサルデザインの 概念をとり入れた取り組みを紹介
燃料電池ハイブリッド

ユニバーサルデザイン
  エフシーエイチヴイバスツー
FCHV*1-BUS2
 ・ トヨタと日野が共同で開発した燃料電池ハイブリッド ノンステップ大型バスで、高圧タンクに貯蔵した水素ガスを燃料とし、CO2およびNOxやPMを排出しないことと低騒音が特長
 ・ 昨年発表したFCHV-BUS1に対し、燃料電池スタックを1基から2基にする等の性能向上を図り、このほど、国土交通大臣認定を取得、今後、実用化に向けた公道走行試験を開始する予定
 ・ ユニバーサルデザインコンセプトをとり入れ、案内表示への絵文字の活用、室内色に明度差や補色を利用するなど、見やすさ、分かりやすさを追求
トヨタ
日 野
ハイブリッド

ユニバーサルデザイン
   フラッポ
Flappo
 ・ エンジン、モーターとSuper CVTを組み合わせ、低燃費、低排出ガス、低騒音を実現し、さらに、超低床ノンステップ、広いフルフラットフロアを採用したことにより、誰もが乗り降りしやすいコミュニティユースのHV*2超低床小型バス
トヨタ
ハイブリッド車
   デュトロ  ハイブリッド  タウン  デリバリー
DUTRO Hybrid TOWN DELIVERY
 ・ 新高圧コモンレール式燃料噴射や電子制御クールEGRなどの先進システムを採用したディーゼルエンジン(DPF*3装着)に、モーターを組み合わせ、排出ガスのクリーン化と低燃費を実現
 ・ アイドルストップ時でも温度管理ができる電動冷凍システムを搭載したスマートなスタイリングの小型トラック
日 野
  ハイゼット カーゴ ハイブリッド
HIJET CARGO Hybrid
 ・ 660ccガソリンエンジンにモーターを組み合わせ、約30%の燃費向上と、ダイハツ独自に開発した高性能触媒採用により超-低排出ガスレベル*4相当を達成し、軽商用車で初めて実用化、公道走行によるモニター評価を開始
ダイハツ
技術展示物
  ディーエムエイチエス
D M H S( Daihatsu Mild Hybrid System )
 ・ HIJET CARGO Hybridに搭載した1モーター方式のハイブリッド駆動システム
ディーゼル車
ダイナ
 ・ 新高圧コモンレール式燃料噴射系や電子制御クールEGRを採用した先進のディーゼルエンジンと、DPNR*5とを組み合わせたD-CAT*6により、NOx、PMを同時に低減
トヨタ
日 野
技術展示物
D-CAT
技術展示物
1NZ-FE(1.5リットル直列4気筒ガソリンエンジン)
 ・ プロボックス、サクシードに搭載し、超-低排出ガスレベルを実現
トヨタ
*1 FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle
*2HV:Hybrid Vehicle
*3DPF:Diesel Particulate Filter
*4国土交通省の低排出ガス車認定制度における「平成12年基準排出ガス75%低減レベル」
*5DPNR:Diesel Particulate-NOx Reduction System
*6D-CAT:Diesel- Clean Advanced Technology System
(2) ITS
グループ3社で、かねてより取り組んでいる車両運行管理システムのうち、インターネットを 経由してASP*1により運行管理を行う手軽でリーズナブルな運行管理システムを紹介
運行管理・
営業支援
  タイム  アット ナビ
TIME*2@NAVI
 ・ スケジュール管理・位置動態管理、日報作成等、基本業務に対応
 ・ 携帯電話を用い、多業種に対応したフレキシブルなシステムを構築
トヨタ
日野デジタルタコグラフシステム
 ・ 走行燃費、補助ブレーキ操作など車両からの情報を活用し、省燃費運転評価や安全運転管理をサポート
日野
ビジネスサポート i
 ・ 軽商用車に最適な、手軽で使いやすい運行管理システムの提案
ダイハツ
*1 ASP:Application Service Provider
*2TIME:Toyota Intelligent Mobility Enhancement
2.各社出展
▽トヨタ
(1) 参考出品車
プロボックス スノー ボーダー
1. Probox SNOW BOARDER
  • プロボックスのワゴンをベースとし、おしゃれで楽しい使い方を提案するスノーボーダー仕様のカスタマイズカー
サクシード バイオ  フローリスト
2. SUCCEED Bio Florist
  • サクシードをベースとして、夢のあるビジネスシーンを提案する移動花屋仕様のビジネスカスタマイズカー
エイエルエスヴイ
3. ALSV(Active-Life Support Vehicle)
  • 助手席側ピラーごと開く大開口のパノラマオープンドアや両側電動スライドドア、前後席回転シートなど誰もが使いやすい装備とし、操作系をステアリングまわりに集約したスポーツ感覚のフレンドマチックを採用し、ドライビングプレジャーを付与
  • 新しい人とクルマの関係を提案するユニバーサルデザインを具現化させたコンセプトカー
  • 高い歩行者保護性能の確保、超-低排出ガスレベルエンジンやバイオプラスチックの採用、リサイクル性の向上など、安全・環境にも配慮
ウィッシュ
4. WISH
  • スポーティなスタイルと走り、3列シートが特長の新世代ビークル
5. ランドクルーザー100(2002"パリ・ダカールラリー"優勝車)
(2) 技術展示等
1. プロボックス(カットボディ)
  • 重量の異なる車両同士の衝突時の共存を追求するコンパティビリティの概念をとり入れ進化した衝突安全ボディGOA*1、超-低排出ガスレベル達成システム、乗り心地向上のくふう等を提示
*1 GOA:Global Outstanding Assessment(クラス世界トップレベルを追求している安全性評価)
(3) 市販車
1. プロボックス
2. サクシード(モデリスタ仕様 モア)
3. ランドクルーザープラド
4. ハイラックスサーフ
5. イスト
(ウェルキャブ助手席リフトアップシート車)
6. アルファードV
(ウェルキャブサイドリフトアップシート車)
7. カルディナ
(ウェルキャブ助手席回転スライドシート車)
8. ダイナ(低温冷凍車)
9. ダイナ(車両運搬車)
10. ダイナ(ウイングルーフ)
11. トヨエース(アルミバン)
12. トヨエース(清掃ダンプ)
13. トヨエース(クレーン車)
▽日 野
(1) 参考出品車
1. プロフィア トラクター ASV(大型トラック)
  • 未然に事故を防ぐ先進の安全技術を盛り込んだトラクター
  • 走行距離が長く夜間走行が多い商用車の安全性を支援するシステム。夜間の視界・視認性向上システムや事故を回避する各種警報システム等を搭載
2. スカニア・トラクター(大型トラック)
  • 100年以上にわたり、ヨーロッパ・南米・中近東・アフリカ等の世界各国で物資を運び続けているスウェーデン・スカニアトラックを、日本では日野が発売するのに先立ち、第一弾である低床トラクターを出展
3. プロフィア 総輪エアサス スーパーコンフォート(大型トラック)
  • キャビン内のフロアをフラット化し、さらにハイルーフ化。2mを超す頭上空間のゆとりは大きな開放感を生み出す。また総輪にエアサスペンションを採用することにより、輸送品質の確保と梱包材の削減等による輸送コストの低減に大きく貢献
4. ブルーリボンシティ インテリジェント・パブリック・モビリティ(大型ノンステップ路線バス)
  • 携帯電話を利用し、バス利用者へのバス停案内、降車合図、運賃決済等のサービスを個々の乗客に提供する世界初の乗降アシストシステム
  • KDDI、日本エリクソン、日野の3社で開発
  • 今回会場内に実体験コーナーを設置
5. ノンステップミニバス ポンチョ(小型バス)
  • 狭い路地も楽々と走れる、全長6mを切ったコンパクトサイズのコミュニティバス
  • 低い乗降ステップとフルフラットフロアにより、誰もが気軽に安心して利用できる乗降性と親しみやすい楽しいデザインが特長
6. 日野ボンネットバスBH15(大型バス)
  • 1950年にそれまでのトレーラーバスに替わり、高度経済成長時代に全国の人々の足として活躍したボンネットバスで、現在のバスの基礎を作ったBH型路線バスを復元し日野自動車創立60周年を記念して出展
7. 日野レンジャーFT(2002"パリ・ダカールラリー"優勝車)
  • アフリカの大地で繰り広げられる世界一過酷と言われるパリ・ダカールラリーで毎年、群を抜く走行性能と耐久性を実証してきたレンジャー
  • 2002年も菅原義正氏率いる「チームスガワラ」のレンジャーはカミオン部門クラス1優勝、7連覇を達成
(2) 技術展示等
 平成15年排出ガス規制値レベル超低PM排出ディーゼルエンジン Jシリーズ
1. 中型トラック用6気筒ディーゼルエンジン+DPF
2. 中型トラック用5気筒ディーゼルエンジン+DPF
3. 中型トラック用4気筒ディーゼルエンジン+DPF
(3) 市販車
1. レンジャープロ FD
ハイウェイトランスポーター(中型冷凍車)
2. レンジャープロ FC
シティトランスポーター タイプLE
(中型冷凍車)
3. デュトロ CNG
(小型低公害冷凍車)
4. デュトロ LOBOX タイプLE
(小型アルミバン)
▽ダイハツ
(1) 参考出品車(軽自動車、660cc)
ユーエフ ミニ エス
1. UF mini-s(Ultra Fit mini-sedan)
  • スタイリッシュなフォルムとゆとりの室内空間を実現するとともに、90°に開くドアを採用、先進のITシステムや携帯電話ハンズフリー機能も装備し、使いやすさを追求したビジネスミニ
ユーエフミニヴィ
2. UF mini-v(Ultra Fit mini-van)
  • 機能性と走行性能でリードするビジネスバン
エフヴィ ミニ セルフマチック
3. FV mini Selfmatic( Friendship Vehicle mini Selfmatic)
  • 自動乗り込み機構により自操式車いすで直接運転席に乗り込め自分で運転できる、4名乗車も可能な福祉車両
4. 宅配プロ
  • ハイゼット トラックをベースに1,980mmの車高を活かし広い荷室スペースを実現するとともに、両側スライドドアやL型バックドアを採用、荷室、キャビン内照明や荷室外のキャスター収納BOXなども装備した宅配業務支援車(軽商用車の運行管理システム「ビジネスサポート i」を搭載)
5. ハイゼット フックロール
  • PTO(パワー テイク オフ)駆動のアームにより、複数のコンテナを自由に載せ替えられ、集配作業の効率化と車両購入費の節減を実現
6. ハイゼット フレッシュ ショップ
  • ショーケース(強制冷却装置付)を搭載した、生鮮魚介類、精肉など、食料品の移動販売車
(2) 技術展示等
トパーズ ディーアイ
1. TOPAZ*1 DI(660cc直列3気筒直噴ガソリンエンジン)
  • 軽自動車トップレベル28km/リットル(10・15モード走行、社内測定値)の低燃費と超-低排出ガスレベル相当を実現
トパーズユーレヴ
2. TOPAZ U-LEV(660cc直列3気筒ガソリンエンジン、インテリジェント触媒採用)
  • ダイハツが世界に先駆けて開発した貴金属が自己再生する自動車用触媒「インテリジェント触媒」を採用し、超-低排出ガスレベルを実現
トパーズツーシーディーディーアイ
3. TOPAZ 2CDDI( 660cc直列2気筒直噴2サイクルディーゼルエンジン)
  • 軽自動車に搭載可能な次世代直噴ディーゼルエンジンで、平成17年(国内新長期)排出ガス規制レベル相当を実現
ディーオーエスエス
4. DOSS( Daihatsu Operation Support System)
  • 運行管理業務の効率化、顧客の満足度向上をめざし、スモールカーに精通した ダイハツならではのノウハウと最新のITS技術を融合したシステム(機能の組み合わせにより、軽商用車の運行管理システム「ビジネスサポート i」、福祉車両の共同利用・運行管理システム「フレンドシップ i」を提案)
*1 TOPAZ:TOP from A to Zの略。パワー、エコロジー、信頼性など、AからZまですべての面でトップをめざしたパワーユニットという意味の造語です。
(3) 市販車
1. ハイゼット(カーゴ スペシャルクリーン)
2. ハイゼット(カーゴ CNG車 65リットル仕様)
3. ハイゼット デッキバン(LPG車)
4. ムーヴ(スローパー)
5. アトレー(スローパー 福祉タクシー仕様)
6. アトレーワゴン(リヤシートリフト)
7. ハイゼット(温・冷蔵車)
8. ハイゼット(ジャンボ)
9. ハイゼット(消防車)
10. ハイゼット(トラック)
11. ハイゼット グランカーゴ

以上