Aug. 20, 2002

トヨタ、新型車「ヴォルツ」を発売

- GMと共同で企画・デザインした新ジャンルのクルマ誕生-

 

 トヨタ自動車(株)(以下トヨタ)は、新型車「ヴォルツ*1」を開発し、全国のネッツトヨタ店を通じて8月20日より発売した。
 ヴォルツは、アクティブなライフスタイルを志向する若者に向け開発した、新ジャンルのクルマである。
 その特徴は、コンパクトクラスの全長でラージクラスのトレッドとミニバンの室内高を持つディメンジョンにあり、SUVテイストのアグレッシブなデザインと、走りの楽しさ、ステーションワゴンの優れた機能性をクロスオーバーさせた、スポーツユーティリティワゴンを提示している。
 なお、新型車は、トヨタとGM(米国ゼネラルモーターズ社)が共同で企画、デザインし、トヨタが設計・評価を担当、また、生産はトヨタとGMの合弁会社である米国のNUMMI*2で行い、日本に輸入するものである。
【 主な特長 】
  1.アグレッシブなデザイン
ワイドトレッドに加え、個性的なフロントグリル、SUVテイストのクラディングパネルと大径タイヤにより、存在感のあるアグレッシブな外形デザインを創出
ダークグレー基調の室内に、クロムメッキ&メタル調装飾のクラスラー、4眼オプティトロンメーターなどを装備し、スポーティ感を演出
  2.ドライビングプレジャーを追求した基本性能
エンジンは、高出力1.8リットル VVTL-i*3付スポーツエンジン(2ZZ-GE)とトルクフルで扱いやすい1.8リットルVVT-i*4付(1ZZ-FE)の2種類を設定し、4速オートマチックトランスミッションのほか6速マニュアルトランスミッション(Zグレード)との組み合わせにより、走りの楽しさを追求
  3.多彩に使える優れた機能
広い室内空間を確保したほか、リヤシートバック可倒によるフラットなラゲージスペースと、樹脂製デッキとデッキフロアレールにより多彩な使い方が可能なほか、バックドアのガラスハッチ採用などにより使用性に配慮
* 1 ヴォルツ(VOLTZ):Volt(電圧の単位)からの造語
* 2 NUMMI:NEW UNITED MOTOR MANUFACTURING,INC.
* 3 VVTL-i:Variable Valve Timing&Lift-intelligent(連続可変バルブタイミング&可変リフト機構)
* 4 VVT-i:Variable Valve Timing-intelligent(連続可変バルブタイミング機構)
ヴォルツ Sグレード
ヴォルツ Sグレード[UA-ZZE136-BHPNK]
【車両概要】
1.アグレッシブなデザイン
GMとのコラボレーションにより、新感覚のデザインを創出 広い室内空間を確保しつつ、スポーティかつSUVテイストの存在感あるスタイルを実現
(1)パッケージ
ワイドトレッドに加え十分な室内高を確保することにより、足元、肩まわり、頭上にゆったりとした空間を確保
ゆとりある室内空間に加え、乗降性に優れた高めの着座ポイント、広いラゲージスペースを実現
[車両寸法 等 ]  (単位:mm)
全長      4,365 全内長 1,935
全幅      1,775 全内幅 1,445
全高      1,605*1 全内高 1,305
ホイールベース      2,600 着座ポイント
(地上高)
フロント席 605
トレッド フロント      1,515*2 リヤ席 620
リヤ      1,495*2 最小回転半径 (m) 5.4
    *1:4WD車は1,615   *2:Sグレード2WD車
(2)エクステリアデザイン
Vラインを基調とする個性的なフロントグリル、シャープな形状のヘッドランプ、ビルトインされた丸型のフォグランプや、バンパー下側の凹凸状の造形がスポーティさとワイド感を強調
フロントバンパーからつながるホイールアーチ、クラディングパネルと17インチ大径タイヤ(Zグレード)により、SUVテイストのアクティブ感あるスタイルを創出
クーペをイメージさせるウインドウグラフィックスとルーフレールのコンビネーションにより、軽快感を表現
(3)インテリアデザイン
シャープな線と張りのある面のインストルメントパネル、独立4眼オプティトロンメーター、その左右に配したクロムメッキ&メタル調装飾のクラスターにより新しいコクピット感を創出
円と円弧のテーマでメーター、ドアトリムなどを統一し、シンプルな美しさを表現
2.ドライビングプレジャーを追求した基本性能
(1)エンジン
(a)1.8リットルVVTL-i (BEAMS 2ZZ-GE)
吸気バルブタイミングの連続可変に加え、吸・排気バルブのリフト量も制御するVVTL-i技術を導入するとともに、高剛性アルミブロックの採用、大径バルブ、高圧縮比(11.5)などにより、高回転型・高出力エンジンとすることで優れた動力性能を実現
(b)1.8リットルVVT-i (BEAMS 1ZZ-FE)
VVT-iや斜めスキッシュ燃焼室・高圧縮比(10.0)などによる燃焼改善、摩擦損失の抑制により、低中速での扱いやすさと俊敏な加速を両立。さらに、アルミブロックやオイルポンプの小型化などによる軽量・コンパクト化により低燃費にも寄与
*BEAMS: Breakthrough Engine with Advanced Mechanism System(先進機構を備えた画期的エンジン)
 [エンジン主要諸元]
  排気量
(cc)
駆動 最高出力
(kW/rpm)
最大トルク
(N・m/rpm)
10・15モード走行燃費
(km/リットル)
マニュアル車 オートマチック車
2ZZ-GE 1,795 2WD
(FF)
140〔190PS〕/7,600 180〔18.4kg・m〕/6,800 12.2 11.2
1ZZ-FE 1,794 2WD
(FF)
97〔132PS〕/6,000 170〔17.3kg・m〕/4,200 - 13.0
4WD 92〔125PS〕/6,000 161〔16.4kg・m〕/4,200 - 12.2
*国土交通省審査値
(2)トランスミッション
オートマチックトランスミッションは、高効率なスーパーフロートルクコンバーターを搭載した4速電子制御式(SuperECTならびにECT)を採用し、滑らかで応答性の良い変速を実現するとともに、低燃費にも寄与
Zグレードには、小気味良い走りが味わえる6速マニュアルトランスミッションも設定
(3)サスペンション
フロントサスペンションは、ジオメトリーの最適化を図ったL型アームマクファーソンストラット式、FF車のリヤは、トーコレクト機能付トーションビームを備えたイータビームサスペンション、4WD車のリヤは、アーム類を最適配置したコンパクトなダブルウィッシュボーンサスペンションを採用。ワイドトレッド、大径ワイドタイヤとの組み合わせにより、上質な乗り心地と、優れた操縦性・走行安定性を実現
(4)4WDシステム
リヤディファレンシャルのフロント部にビスカスカップリングを配置し、通常の直進状態ではFFに近いトルク配分を行い、滑りやすい路面やコーナリング時などでは前後輪に最適なトルクを配分するVフレックスフルタイム4WDを採用(Sグレード)
      *V: Viscous Coupling(ビスカスカップリング)を意味する
3.高品質、優れた機能性
(1)高品質
部品間の隙間を小さく、面一性を高めたほか、操作フィーリングにも細かな配慮を施し、ミディアムクラスに匹敵する高い品質を実現
外観においてはフード、グリル、バンパー、ボディパネル間の隙間を小さく設計
室内においてはヒーターコントロールパネルのスイッチ類やレジスターの操作性の配慮に加え、グローブボックスの開閉機構にエアダンパーを採用し、上品な作動フィーリングを提供
生産では、北米高品質の生産工場として認知されているNUMMIにて、高品質な造り込みを実施
(2)多彩に使える優れた機能
バックドアに、ドアガラスのみで開閉でき、狭い場所でも荷物の出し入れが容易なガラスハッチを採用
リヤシートバックは6:4分割可倒とし、ワンタッチフォールドダウン機構によりフラットなラゲージスペースを実現し、乗車人数や積載物に応じたフレキシブルな使い方が可能
ラゲージスペースのデッキは汚れなどが拭き取りやすい樹脂製とし、フロアフック等が装着できるデッキフロアレールを装備して多様な用途に対応
助手席のシートバックを倒すとテーブルとして使える機能を設定
大容量の2段式コンソールボックス、脱着式センターマルチボックスや、デッキアンダートレイなど収納スペースを各所に配置
操作性に優れたインパネシフトを採用
4.優れた環境・安全性能
排出ガスのクリーン化と低燃費を追求したほか、優れた緊急回避運動性能を実現する一方、進化した衝突安全ボディGOAの採用などアクティブ、パッシブ両面から優れた安全性を追求
*GOA: Global Outstanding Assessment(クラス世界トップレベルを追求している安全性評価)
(1)エコロジーへの配慮
(a)CO2の削減とクリーンな排出ガス
1ZZ-FEエンジン搭載車は、国土交通省の低排出ガス車認定制度における「平成12年基準排出ガス75%低減レベル(超-低排出ガス)」、2ZZ-GEエンジン搭載車は「平成12年基準排出ガス25%低減レベル(良-低排出ガス)」を達成
CO2の削減を念頭に、VVT-i付エンジン、高効率トランスミッションの採用や徹底した軽量化などにより、低燃費を追求
 
(b)リサイクルへの対応
リサイクル性に優れた熱可塑性樹脂トヨタスーパーオレフィンポリマー(TSOP)を前後バンパー、インストルメントパネルなど内外装部品に採用
 
(c)環境に優しい素材の採用
ラジエーター、ヒーターコア、ワイヤーハーネス被覆材などを鉛フリーとし、車両全体で鉛の使用量を2005年末までに1/3以下(1996年比)に低減するという業界自主目標を早期に達成
 
(2)高い安全性の確保
(a)アクティブセーフティ
優れた操縦性・走行安定性により、高いレベルの緊急回避運動性能を確保
ブレーキは、フロントに大径ベンチレーテッドディスクを採用し、優れた制動性能を実現
EBD付ABSを全車に標準装備
フォグランプ(フロント&リヤ)を全車標準装備し、悪天候時の前方の視認性を高め、また対向車や後続車からの被視認性を向上
*EBD: Electronic Brake force Distribution(電子制動力配分制御)
 
(b)パッシブセーフティ
衝撃吸収ボディと高強度キャビンからなるGOAをさらに進化させ、優れた衝突安全性を追求
40%ラップオフセット前面衝突試験(64km/h)、フルラップ前面衝突試験と側面衝突試験(55km/h)に加え、トヨタ独自の全方位コンパティビリティの概念を取り入れたセルシオとの前面、側面、後面衝突試験を実施
ピラーやルーフサイドレールの内装材に衝撃を吸収するリブなどを内蔵することにより、米国の頭部衝撃緩和基準レベルの性能を確保した構造のインテリアを採用
運転席・助手席に、デュアルステージSRS*1エアバッグを標準装備。このエアバッグは、低速衝突時など衝撃が小さい場合には2段階で展開し、エアバッグ展開に伴う乗員の顔面等への衝撃を緩和。さらに運転席には、シート位置センサーにより検知したドライバーの体格にも対応し、2つのインフレーターの着火時期を制御する先進のシステムを採用
プリテンショナー&フォースリミッター付シートベルト、点滅式シートベルト、非着用警告灯を全車のフロント席に標準装備
被追突時に、乗員の頸部への衝撃を緩和するWIL*2コンセプトを取り入れたシート構造を全車のフロント席に採用
リヤの左右席にはISOFIX*3に対応したチャイルドシート固定専用バーを装備
*1 SRS Supplemental Restraint System(乗員保護補助装置)
*2 WIL Whiplash Injury Lessening(頸部傷害低減)
*3 ISOFIX 誤使用防止、車両適合性の向上、取り付け方法の国際的な統一を目的としたISO(国際標準化機構)規格のチャイルドシート固定方式
【販売概要】
1. 販売店 全国のネッツトヨタ店
2. 月販目標台数 1,500台
3. 店頭発表会 8月24日(土)、25日(日)
【メーカー希望小売価格】 (消費税は含まず、単位:千円)
グレード 駆 動 エンジン トランスミッション 価 格
S 2WD
(FF)
1ZZ-FE
(1.8リットル)
ECT 1,788
4WD Super ECT 1,988
Z 2WD
(FF)
2ZZ-GE
(1.8リットル)
6速マニュアル 1,998
Super ECT 2,052
ECT  :  電子制御式4速オートマチック
Super ECT  :  スーパーインテリジェント4速オートマチック
沖縄は22千円高。
以上

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  • ヴォルツ Sグレード[UA-ZZE136-BHPNK]
    ヴォルツ Sグレード[UA-ZZE136-BHPNK]