よくわかる
「トヨタ生産方式」
TOYOTA PRODUCTION SYSTEM
自分以外の誰かのために
お客様のために良いものを、
より早く、より安くお届けする
働く人のために、より働きやすく楽にする
不良品をつくらない
必要なものを
必要な時に必要なだけ
自働化
Autonomation
トヨタ生産方式では「自動化」ではなく、ニンベンのついた「自働化」という言葉を使います。自働化とは、機械に異常が生じたら、自動で止まる(止める)ようにすることで、不良品の発生を防止することです。これにより、人が機械の見張りをする必要がなくなるため、生産性の向上を図ることができます。
Points of Autonomation
異常が発生した場合は、「呼び出しボタン」を押し、「アンドン」と呼ばれる電光掲示板によって管理者に伝えます。その後、問題を解決してから作業を再開します。
Points of Autonomation
組み付け工具と連動して、部品の締め忘れがないかなどを自動的にチェックします。問題があればランプで知らせて、不良品が発生するのを防ぎます。
自働化の考え方はどうして生まれたのか?
「母の仕事を楽にしたい」
という想い
トヨタグループの創始者・豊田佐吉は、はたを織る母を見て、もっと楽に織ることができないかと織機の研究を始めます。そして片手で操作できる織機、さらには糸が切れると自動で止まる織機を発明します。効率化を図るだけではなく「誰かの仕事を楽にしたい」という想いが、ニンベンのついた自働化の原点なのです。
ジャスト・イン・タイム
Just-in-Time
ジャスト・イン・タイムとは、ムダな在庫を抱えず、注文後の生産時間を短くすることで、適正な価格の製品をタイムリーにお届けする考え方です。必要な部品も、使うタイミングや順番に合わせて届くようにしています。
Points of Just-in-Time
前工程でつくったものを後工程に届けるのではなく、後工程が使ったものを前工程に取りにいくという生産方式です。これを「かんばん」によってスムーズに行います。
Points of Just-in-Time
部品が組立工場に引き取られる際、部品ごとのかんばん情報を使って、必要な時に必要な数が届くよう部品メーカーと連携しています。
ジャスト・イン・タイムの考え方は
どうして生まれたのか?
米国の高い生産性に
追いつくために
1920年代アメリカのクルマ社会を目の当たりにしたトヨタ自動車の創業者・豊田喜一郎は、国産乗用車の製造を決意。資金や資材の乏しい日本でこれを達成するため、ムダなものを一切つくらない「ジャスト・イン・タイム」を提唱しました。そして戦後、高い生産性をもつアメリカに追いつくため、売れたものだけを補充するスーパーマーケットをヒントに、後工程が前工程にものを取りにいく新たな生産方式を確立しました。
喜一郎 欧米視察に向けて横浜港出航