トヨタとモータースポーツ
クルマのスピードやじょうぶさ、性能を競う「モータースポーツ」。
世界中では、さまざまなモータースポーツが行われています。
モータースポーツは、順位を競うだけでなく、
競技に参加することで技術がみがかれ、
さらによいクルマをつくることに貢献(こうけん)します。
モータースポーツの世界をのぞいてみよう!!
モータースポーツを通じた「クルマづくり」
トヨタのモータースポーツへの参加の歴史は古く、今から約70年前、クラウンで
オーストラリアを1周する競技に参加しました。当時、何度もこわれたり、止まったりした
経験が、今のトヨタの「もっといいクルマづくり」のもとになりました。
モータースポーツには、レースやラリーなど、たくさんの種類の競技があります。
砂ばくやデコボコ道を走ったり、速いスピードで長時間走り続けるなど、私たちが、日ごろ、
街中を走っている時より、ずっと厳しい状況(じょうきょう)で行われます。
そこで失敗したことに「なにがダメだったのか」「どうすればもっと速く走れるのか」を
考えることで、クルマやクルマづくりに関わる人がきたえられ、進化します。
それが将来(しょうらい)の「もっといいクルマづくり」につながるからこそ、
トヨタはモータースポーツ活動を続けているのです。
トヨペット・クラウン
主なモータースポーツ競技の種類
スプリントレース<タイムを競う>
決められた距離(きょり)をどれだけ速く走れるか、
そのタイムを競います。
走行距離は、主に100kmから300km程度です。
主なレース : F1、スーパーフォーミュラ、スーパーGT など
スーパーGT参戦車両 : GRスープラ、GR86
耐久レース<長い時間や距離で競う>
決められた時間内にどれだけ多く「周回数」を重ねられるか、
決められた距離をどれだけの「時間」で完走できるかを競います。
中には、24時間走り続ける、とても長いレースもあります。
主なレース : WEC(世界耐久選手権)、
ニュルブルクリンク24時間耐久レース、スーパー耐久レース
トヨタの主な参戦車両 : GRカローラ、GR86、GRヤリス など
ラリー<公道を使って、1台ずつタイムを競う>
サーキットではなく、林道や公道を走りタイムを競います。
ドライバーのナビゲーター役であるコ・ドライバーがいっしょに
乗車し、決められた区間を1台ずつ走ってタイムを競うところが
ラリー競技の特ちょう。
主なレース : WRC(世界ラリー選手権)、ダカール ラリー、
全日本ラリー選手権
トヨタの主な参戦車両 : GRヤリス、ランドクルーザー、
ハイラックス など
見に行こう!!
みんなが通るいつもの道を競技車両がすごいスピードで走ったり、
メカニックがクルマを修理するようすを近くで見ることができるラリー。
そのラリーの最高峰(ほう)であるWRC(世界ラリー選手権)の
日本大会「ラリージャパン」が、
愛知県豊田市にある豊田スタジアム中心に開さい。
また、まちでよく見かけるクルマを改造して手軽に参加できる
全日本ラリー選手権やTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジは、
日本全国でもり上がり中。
みんなのまちで見ることができるかも!?
モータースポーツにおける「人づくり」
いいクルマづくりのためには、そのクルマをつくる人を育てる必要があります。
レースやラリーでは、クルマがぶつかってしまったり、こわれてしまうことがあります。
こわれたクルマをメカニックたちは時間や設備の限られたきびしい条件の中で
修理し、再びレースに復帰させます。『どうやって直すのか』、『1秒でも早く直すには』、
『こわれないようにするには』といったことを考え、
技能や技術力をみがくことで、クルマをつくる人が育ちます。
クルマをつくる人が成長し、モータースポーツで学んだことを、
みなさんが乗るクルマ(市販車(しはんしゃ))の開発にいかすことで、
「もっといいクルマ」をつくることができるのです。
モータースポーツでみがかれる次世代技術
現在、レースで使用するクルマの多くは、ガソリンを燃料と
しており、走行中にCO2(二酸化炭素)を排出(はいしゅつ)
しています。
トヨタでは、レースを通じて環境にやさしいクルマの開発に
取り組んでいます。その一つが「水素エンジン」。
水素エンジンは、ガソリンの代わりにエンジンで直接水素を
燃やして走り、走行中には、ほとんど二酸化炭素を出しません。
この水素エンジンを搭載(とうさい)したGRカローラで、
スーパー耐久シリーズに2021年から参加しています。
同じスーパー耐久シリーズには、空気中の二酸化炭素から作られた
「カーボンニュートラル(再生可能)燃料」で走るGR86も参戦中です。
このほかにも、WRCを走るGRヤリスや
スーパーGT GT500クラスを走るGRスープラでも
カーボンニュートラル燃料が使われています。
このように、レースという厳しい環境の中で、賛同する多くの仲間とともに、
水素エンジンやカーボンニュートラル燃料を使用することで、
新しい技術がみがかれ、その技術が市販車にいかされていくのです。
6才から参加できる「e-Motorsports」
実物のクルマを使わず参加できるモータースポーツが「e-Motorsports」。
レースゲームの『グランツーリスモ7』を使って、世界中のプレイヤーがレースに
参戦しています。6才以上であれば、だれでもGRスープラやGR86で、
レースに参加することができます。
ワクワクドキドキが体験できる「富士モータースポーツフォレスト」
富士山のふもとにある、
ココロも“動く”モビリティの森「富士モータースポーツフォレスト」。
ここには、多くのレースが開さいされる『富士スピードウェイ』のほかに、
メカニックやエンジニアの仕事を間近で見られる『レーシングチームガレージ』、
モータースポーツの歴史に触れる『富士モータースポーツミュージアム』、
モータースポーツのいまと未来を感じる『ウェルカムセンター』
そして客室からサーキットが見られる『富士スピードウェイホテル』まで。
日常では体験できない、“動く”のワクワクがたくさん。
さあ、“動く”を遊びつくそう!