トヨタ自動車株式会社は、6月3日の型式指定申請に関する公表以降、国土交通省による実地での調査、確認をいただいてまいりました。その結果、本日、国土交通省より、認証の手続きにおける規定・手順の整備や経営の関与などについて、適切な認証業務に向けた抜本的な改革を促す是正命令をいただき、追加の事案についてもご指摘・ご指導をいただきました。
認証業務を正しく行えていなかったことを深く反省し、ステークホルダーの皆さまに、ご心配、ご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。

一連のご指摘や社内調査を通じて、弊社としてはこのたびの事案の原因が、現場と経営の両面にあったと捉えております。

  1. 現場における原因
  • 認証申請に必要な書類を作成する際の社内の運用ルールが不明確
  • 認証業務における必要なリソーセスの明確化と管理が不十分
  • 認証業務の重要性に対する認識が不足
  1. 経営面における原因
  • 経営/幹部の認証業務全体における理解と関与が不十分

これらの認識をもとに正しい認証業務を実施するための仕組み・体制に見直すとともに、認証プロセスの責任と権限をあらためて明確化し、正確なデータ管理など基盤の整備を進めてまいります。これらを再発防止策としてすみやかにまとめ、国土交通省にご報告いたします。
TPS自主研を通じて、中長期的な仕組み・風土づくりにも取り組んでまいります。

また、6月3日に届け出た案件に加え、国土交通省による実地調査の結果、規定の手順に沿っていない認証案件7車種8事案のご指摘がありました。
いずれの事案につきましても、今後も国土交通省のご指導のもと、適切な対応を進めてまいります。今回追加で判明した事案についても、国土交通省を含む関係当局にご報告した上で、基準適合性を順次確認中です。
なお、お客様には直ちに使用をとめていただく必要はありません。

6月3日より出荷停止中のカローラ フィールダー/アクシオ、ヤリス クロスの国内仕向け車両は国土交通省より基準適合性を確認いただいたことを踏まえ、9月初からの生産再開を予定しております。
また、ノア・ヴォクシーは追加事案により7月29日から出荷を停止しておりましたが、同じく基準適合性を確認いただいたことを踏まえ、準備でき次第、再開予定です。

あらためまして、ステークホルダーの皆さまに、ご心配、ご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。

事案の対象一覧

  No. 事案 試験項目 車種 試験年 生産 認証機関
6月3日公表 1 試験時にエアバッグをタイマー着火した開発試験データを認証申請に使用 前面衝突時の乗員保護試験 クラウン 2014 終了 日本
アイシス 2015 終了 日本
オフセット衝突時の乗員保護試験
2 規定と異なる衝撃角度 歩行者頭部および脚部保護試験 カローラ アクシオ
カローラ フィールダー
2015 生産中 日本
3 選定と左右逆の打点、左右片側試験を両側に代用
シエンタ 2015 終了 日本
クラウン 2015 終了 日本
4 規定と異なる台車重量
(試験実施時にダミー人形を搭載)←今回追加
後面衝突試験 シエンタ 2015 終了 日本
クラウン 2014 終了 日本
5 規定と異なるブロックで試験 積荷移動防止試験 ヤリス クロス 2020 生産中 日本
6 出力点の制御調整 エンジン出力試験 RX 2015 終了 日本
今回追加 1 別の試験で使用済みのFrバンパを再利用 歩行者脚部保護試験 プリウスα
メビウス(ダイハツ)
2014 終了 海外
2 衝突速度を規定に収まるよう数値処理(小数点第2位の切り捨て) RX 2015 終了 海外
3 規定と異なる積荷ブロック、量産と異なるシートのロック機構部品で試験 積荷移動防止試験 RAV4 2017 生産中 海外
4 申告と異なるステアリングで試験したが、申告時の仕様の写真を成績書に添付 ステアリング衝撃試験 カムリ
アルティス(ダイハツ)
2017 終了 海外
5 量産と異なる部品で試験 ナビディスプレイ 内装の乗員保護装置試験 ノア
ヴォクシー
ランディ(スズキ)
2021 生産中 日本
6 Frドア内部ブラケット ポール側面衝突試験 ハリアー 2022 生産中 海外
7 Rrドア内張り LM 2023 生産中 海外
8 側突衝突
海外当局による認可を受けたもの(「国連の型式認定相互承認協定」による海外当局の認可を用いて日本の車両型式指定を取得)

以上

Sustainable Development Goals

トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。

SDGsへの取り組み
https://global.toyota/jp/sustainability/sdgs/

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