本年1月26日の国土交通省からのご指示に基づき、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は型式指定申請に関する調査を進めてまいりました。まだ調査の途中ではありますが、2014年以降、すでに生産を終了しているものも含め、7車種において国が定めた基準と異なる方法で試験を実施していたことが判明し、5月31日にその旨を国土交通省に報告いたしました。
対象は生産中の3車種(カローラ フィールダー/アクシオ、ヤリス クロス)における歩行者・乗員保護試験でのデータ不備と、生産終了した4車種(クラウン、アイシス、シエンタ、RX)における衝突試験等の試験方法の誤りになります。
トヨタをこれまで信頼いただいてきたお客様、ステークホルダーの皆さまに、ご心配、ご迷惑をおかけすることとなり、深くお詫び申し上げます。先般、認証に関する問題が発覚した日野自動車株式会社、ダイハツ工業株式会社、株式会社豊田自動織機に引き続き、トヨタで問題が判明したことは重大なことと受け止めております。
対象となる車両は、すでに生産を終了しているものも含め、社内での徹底的な検証において法規に定められている性能に問題無いことを確認しております。従いまして対象車両にお乗りのお客様はただちに使用をお控えいただく必要はありません。
今回の調査結果を踏まえ、現在、日本国内で生産中の3車種(カローラ フィールダー/アクシオ、ヤリス クロス)については本日より一旦、出荷・販売を停止することを決定いたしました。国土交通省の指導のもと、速やかに立会試験などの適切な対応を進めてまいります。
本年1月にグループビジョン「次の道を発明しよう」を発表しました。トヨタらしい企業風土である、現場が主権をもった「もっといいクルマづくり」に取り組んでまいります。
あらためまして、お客様、ステークホルダーの皆さまに深くお詫びを申し上げます。
対象車種
車種 | 車両型式 | 生産期間 | 試験項目 | 事案 | |||||||
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前面衝突時の乗員保護試験 | オフセット衝突時の乗員保護試験 | 歩行者頭部および脚部保護試験 | 後面衝突試験 | 積荷移動防止試験 | エンジン出力試験 | ||||||
1 | クラウン | ARS210、AWS210、AWS211 GRS210、GRS211、GRS214 AWS215、GWS214 |
2014/7~2020/12 | ● | ①エアバッグをタイマー着火した開発試験データを認証申請に使用 | ||||||
● | ④規定と異なる台車重量 | ||||||||||
クラウン(ロイヤル・アスリート) | ARS210、AWS210、AWS211 GRS210、GRS211、GRS214 |
2015/8~2020/12 | ● | ③選定と左右逆の打点、左右片側試験を両側に代用 | |||||||
2 | アイシス | ZGM10G、ZGM10W、ZGM11G、ZGM11W ZGM15G、ZGM15W |
2015/9~2018/1 | ● | ● | ①エアバッグをタイマー着火した開発試験データを認証申請に使用 | |||||
3 4 |
カローラ アクシオ カローラ フィールダー |
(アクシオ) NKE165、NRE160、NRE161、NZE161、NZE164 (フィールダー) NKE165G、NRE161G、NZE161G、NZE164G、ZRE162G |
2015/2~生産中 | ● | ③選定と左右逆の打点 | ||||||
● | ②規定と異なる衝撃角度 | ||||||||||
5 | シエンタ | NCP175G、NHP170G NSP170G、NSP172G |
2015/5~2022/7 | ● | ④規定と異なる台車重量 | ||||||
● | ③選定と左右逆の打点 | ||||||||||
6 | ヤリス クロス | MXPB10、MXPB15、MXPJ10、MXPJ15 | 2020/7~生産中 | ● | ⑤規定と異なるブロックで試験 | ||||||
7 | レクサス RX | GYL20W、GYL25W、GYL26W | 2015/9~2022/9 | ● | ⑥出力点の制御調整 |
2024年6月4日掲載
以上
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。