トヨタ自動車(以下、トヨタ)は、堺市と共に現場状況が分かりにくい火災や交通事故等の緊急を要する事案に対して、現場付近を走行する車両のドライブレコーダーの映像を活用する共同実証実験を10月25日より開始します。

トヨタが開発した「選択した車両のドライブレコーダーの映像を閲覧できるシステム」を堺市消防局の消防指令センターに設置します。119番通報だけでは把握しきれない現場の状況をより正確につかむために、消防指令センターのオペレーターが選択した付近の車両の映像を閲覧します。協力企業と連携し、堺市消防管内を走るバスやタクシー、トラックなど約400台に搭載したドライブレコーダーからの映像を活用します。

現場の映像や事故車両の情報など、消防車や救急車などの緊急車両が現場に到着するまでに詳細かつ正確な情報を得ることができれば、迅速かつ適切な活動方針や消防部隊投入、資機材準備など、被害を最小限に抑えることに繋がると期待されます。

なお、このシステムは2022年12月から23年8月まで消防指令センターへ試験的に設置し、9か月にわたる検証を重ねてきました。現場の映像をあらかじめ把握することで、渋滞を回避したルート選択によるスピーディーな現場到着の実現、前もってレスキュー隊が出動し迅速な人命救助につながるなど、有効事例にも繋がっています。

また、映像に映り込んだ歩行者等のプライバシーへの配慮や、個人情報の取り扱いについては、社外有識者の意見を得たほか、ウェブ調査やヒアリングを実施し、堺市民の皆様のご意見をいただきました。市民の皆様のお声を踏まえ、適切な対応を実施するとともに、十分な配慮に努めております。

今後は、システムの改良やプライバシーへの配慮などの議論を重ね、他自治体との検証も検討していきます。

システムの特徴(情報の流れイメージ)

システムの特徴(情報の流れイメージ)
  1. 119番の通報内容から消防指令センターのオペレーターが事故などの発生場所を特定
  2. 消防指令センターのオペレーターが現場の映像を必要とする事案か判断
  3. ②で必要と判断した場合、システムにて事案発生地点を検索
  4. GPS情報を利用し、付近を走行するドライブレコーダー装着車両を選定
  5. 対象車両のドライブレコーダー映像を取得
  6. 消防指令センターでドライブレコーダー映像を確認し、迅速で適切な対応につなげる

協力企業一覧

ドライブレコーダー提供 株式会社JVCケンウッド
バス(ドラレコ搭載) 南海バス株式会社
タクシー(同上) ユタカ中央交通株式会社
トラック(同上) 泉海商運株式会社、サザントランスポートサービス株式会社、株式会社3D、株式会社セカンド、株式会社物流システム
業務用車両(同上) トヨタ南海グループ

トヨタのプライバシー・個人情報への配慮

本実証では、下記の配慮をした上で、映像を提供しています。

  • 堺市消防局より閲覧要望のあった地点・時間のみを提供
  • 同局で映像は保存せず、専用システムを介し、一時的な閲覧のみを可能にして提供
  • 映像に映り込んだ人や車両について個別に追跡したり、その行動特性や移動傾向等を分析したりすることを禁止

今回の取り組みでは、データをよりタイムリーに活用することで、社会課題の解決、よりよい暮らしの実現を目指しており、モビリティ社会の究極の願いである「交通死傷事故ゼロ」、そして、「いい町・いい社会づくり」への貢献を進めていきたいと考えています。

以上

Sustainable Development Goals

トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。

SDGsへの取り組み
https://global.toyota/jp/sustainability/sdgs/

今回の取り組みを通じて特に貢献可能なSDGsの目標

  • 住み続けられるまちづくりを
  • パートナーシップで目標を達成しよう

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