1951
ランドクルーザー(BJ)
1951年、当時の警察予備隊(現 陸上自衛隊)向けに計画された車両で、小型トラックSB型用のシャシーを四輪駆動用に改め、これに「AA型」や「AC型乗用車」に搭載していた、6気筒3,400ccのB型ガソリン・エンジンを搭載した。
大排気量エンジンの採用により、高い性能を示したが、実績があることを理由に「三菱 ジープ(北米ウィリス・ジープのライセンス生産車)」が正式採用されることが決まり、これを機に「トヨタ ジープ」は民生用に転換して、1953年に量産を開始した。
「ジープ」の名がウィリス オーバーランド社の商標であることから、1954年6月に車名を「ランドクルーザー」に変更した。
1955
ランドクルーザー(20系)
1955年11月に発売された2代目で、通称「20系」。初代と異なり、民間向けにふさわしい外観とした。
多岐にわたる用途に応えるべく、シャシーは、ホイールベース2,285mmと2,430mでスタートし、モデルライフ末期の1959年に2,650mmを追加。エンジンは初代から引き継いだ3.4リッター(B)と、初代の末期に消防仕様車に搭載した3.9リッター(F)の直列6気筒ガソリンユニット2機種で、1956年の途中からF型に一本化した。4輪駆動(1速トランスファー)のほか、警察パトロール用に後輪駆動も用意。ボデーバリエーションはソフトトップ、ピックアップ、2ドアバン、4ドアバン、消防車などを設定した。
なお、この2代目から、北米をはじめ海外への本格的な輸出を始めた。
1960
ランドクルーザー(40系)
1960年8月に発売した3代目で、通称「40系」。信頼性の高いクロスカントリー車として海外でも高い評価を得た。
シャシーは、2代目と同じでホイールベースはショート2,285mm、ミドル2,430mm、ロング2,650mmの3種類。1963年に、海外向けのみ、ピックアップとキャブ&シャシー用に2,950mmが追加された。
基本ボデーバリエーションも2代目と同様で、ソフトトップ、2ドアバン、4ドアバン、ピックアップ、消防車を設定した。1967年7月、専用ボデーのステーションワゴン(FJ55)を設定し、4ドアバンと置き換えた。1973年、6気筒3.6リッターディーゼルエンジン(H)を追加。1974年、4気筒3リッターディーゼルエンジン(B)を追加し、日本国内でようやく個人が求めやすい4ナンバー(小型貨物)カテゴリーとなり、「ランドクルーザー」の主力エンジンとなった。3速MTコラムシフトにダッシュボードコントロール式の2速トランスファーを採用し、前席の3人掛けを可能とした。
24年間にわたり世界中で愛用され、「40(ヨンマル、forty)」と呼ばれるようになった。
1984
ランドクルーザー(70系)
1984年11月に発売された「40系」の後継モデル。かつては業務用途主体だった4輪駆動車が、乗用車代わりにも使われるようになってきたため、スタイルを一新し、快適性・操作性・使用性の向上を図り、新たな需要にも応えられるようにした。スタイルは「40系」のイメージを継承したもので、フロントガラスに曲面ガラスを採用。室内は居住空間を拡げると同時に、実用性も向上させた。ボデーバリエーションは従来の幌タイプ、バンタイプに加えてFRPトップ車を設定。広い用途に対応すべく、2,310mmから3,180mmの範囲で5種類のホイールベースを用意し、ボデーなしの特装車用シャシーも設定した。
1999年、フロントサスペンションをリジッドアクスルのままリーフスプリングからコイルスプリングに変更し、乗り心地の向上を図った。エンジンはガソリン、ディーゼルともに4、5、6気筒を使い分け、輸出用にはV型8気筒4.5リッターのディーゼルエンジン仕様も設定した。
2007
ランドクルーザー(70系)
日本国内での販売は2004年に終了したが、海外市場では、過酷な使用環境での走破性や信頼性が評価されており、海外専用車種として生産が続けられた。
発売以来、初めて大きな意匠変更が行われ、「40系」から受け継がれてきた独立したフェンダーが廃止され、全く新しいモダンな顔となった。新型V8ターボディーゼルエンジンを搭載するため、フロントの輻が80mm拡大されエンジンルーム前側の輻を230mm拡大したことで、前方から見たときに堂々としたがっしりした印象を与えた。Aピラーから後ろのボデー部分はデザインも寸法も変更をしていない。
4ドア・セミロングホイールベースの「76系」が追加され、一方2ドア・ミディアムホイールベースの「73系」が廃止された。
2012年8月には、「70系」では初めてとなるダブルキャブピックアップが追加された。
2014
ランドクルーザー(70系)
ランドクルーザー“70”シリーズは、悪路走行に適したヘビーデューティ仕様として1984年に日本国内で販売を開始し、その後30年にわたって世界各国で愛用されてきた。日本国内では2004年に販売を終了したが、“70”シリーズの復活を望むファンの強い要望に応えるべく、誕生30周年を記念して、ランドクルーザー“70”シリーズを期間限定で再び発売した。
ラダーフレーム構造による高い堅牢性・耐久性や、V6・4.0Lガソリンエンジンとパートタイム4WDを組み合わせて実現した高い走破性など、これまで培ってきたランドクルーザーの特長はそのままに、現代的な内外装デザインや安全装備などにより、時代の要請に合った仕様としている。また、過去に発売していた4ドアバンに加え、国内で初めてダブルキャブピックアップトラックを追加し、ラインアップを充実させた。