2023年09月19日
トヨタ、クルマの未来を変えるモノづくりの現場を公開-「TPS・現場力」×「デジタル・革新技術」で、工場の景色を変えモノづくりの未来を切り拓く-
トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、この度、「クルマづくりの未来を変えていこう」をテーマとした説明会「トヨタモノづくりワークショップ」を開催しました。執行役員・Chief Production Officerの新郷 和晃より、「人中心のモノづくりで、工場の景色を変え、クルマの未来を変えていく」、モノづくりにおけるトヨタらしさの継承と進化を説明し、当社の貞宝工場、明知工場、元町工場で取り組む様々なモノづくり技術を公開しました。
目次
プレゼンテーション
Chief Production Officer 新郷 和晃
このワークショップでは、6月に開催した「トヨタ テクニカルワークショップ」で公開した技術を具現化するためのモノづくりについて紹介いたします。テーマは「人中心のモノづくりで、工場の景色を変え、クルマの未来を変えていく」です。
私は、これまで長らく開発の担当として、初代プリウスのHEVシステム開発、カローラ、プリウス、ヤリス等の車両企画をしてきました。そんな私がCPOの内示を受けた時は正直驚きましたが、正解のない時代に開発と生産が垣根を越えてベンチャー企業のように一体となって未来を作ってほしい、という大きな期待からだったと考えています。また、会長の豊田からは、働く人がイキイキともっと活躍できる工場にしてほしいと言われました。半年間、現場を回り感じたことを3つお伝えします。
1つ目は、トヨタのどこの現場にいっても感じることです。それは、「誰かの仕事を楽にしたい」、「みんなの笑顔のために」という創業期から変わらぬ精神が現場に息づいているということです。かつて豊田佐吉が自動織機を発明したように、今も「無」から「有」を生み出して改善を積み重ね、魅力ある製品を世に出していく、スタートアップの力は健在です。
2つ目は、モノづくりの「高い技能と技術」がしっかり受け継がれているということです。自動化についても、人がロボットに教えることで高い品質と生産性を両立すると共に、人の技能もさらに高め、またその高めた技能をロボットにさらに教え高めていく。こういったサイクルを回し続けて、技能と技術を磨き続けています。
3つ目は、「人財を鍛える現場の力」です。現場の力とは、TPSが根付き、全員がモノづくりへの情熱を持って自ら改善を続けられることであり、そのような人を育てることだと気づきました。この現場の力で、お客様の多様なニーズに答える、1,000万台のフルラインアップを実現することができています。
今、自動車業界はまさにゲームチェンジとも言える、生き残りをかけた変革の時代を迎えています。このような時代だからこそ、私が現場で感じた3点のトヨタしか持ちえないモノづくりの強み、トヨタの「技」をしっかり「継承」していくことがますます重要になります。
ここからは、CPOとして考えるモノづくりの進化についてお話しします。私は「トヨタの技で、モノづくりの未来を変えたい」と思っています。その為には、「技能/技術」と「デジタル・革新技術」の融合でモノづくりを進化し、そしてリードタイムを短縮して「すばやく、何度もチャレンジする」ことが必要です。トヨタにはTPSを基軸とした「リードタイム短縮」という技があります。進化のスピードを高め、時代の変化に対応していくことこそがトヨタのモノづくりの強みだと思います。
そして工場の景色を変え、モノづくりの未来を変えていきます。その為には今の生産部門のやり方を大きく「壊す」ことも厭いません。ここでCPOとしての決意をお伝えします。トヨタの持つ技とデジタル・革新技術で、工程1/2を実現します。また開発と生産の垣根をなくし、新しいモビリティをすばやく提供します。そして工場カーボンニュートラルや物流などモノづくりの基盤の課題解決にも取り組んでいきます。人とテクノロジーがうまく助け合う、現場の力で実現していきます。
トヨタはこれまでもこれからも、人を中心に、誰かの笑顔のために仕事をする現場、「ありがとう」が自然に溢れ、イキイキと働ける工場をつくることで、新しい時代を切り拓き、幸せの量産を目指していきます。トヨタの技で、クルマの未来を変えていこう!
~マイナスからゼロへ、ゼロを超えた新たな価値を~
トヨタは、「地球という美しい故郷(Home Planet)を次世代に引き継ぐ」ために、社会や個人が抱える様々な課題の解決(マイナスをゼロにする)に取り組むだけではなく、ゼロを超えた新たな価値の創出・提供を目指し、「回答のない未来へ弛まぬ挑戦」を続けていきます。
- BEYOND ZERO
- https://global.toyota/jp/mobility/beyond-zero/
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。