トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、国土交通省による是正命令を踏まえ、本日、国土交通省へ、四半期報告の四回目として、再発防止の進捗状況を報告しました。
是正命令内容
2024年7月31日、国土交通省より、適切な認証業務に向け、①経営・幹部の関与、②規定、③記録、④人材育成の観点で抜本的な改革を促す是正命令をいただきました。
再発防止の具体的な進捗
上記、国土交通省からのご指摘を踏まえ、「基盤の強化」「ものづくり」「人づくり」を3つの柱とし、従業員一人ひとりが法令遵守の意識を高め、正しい仕事ができる仕組み・体制の見直しを進めてきました。また、社長・副社長をはじめとする経営層が現場で、異常に対して適切なアクションを迅速にとる「現場経営」を推進しております。
前回5月報告以降の具体的な活動内容は、以下の通りです。引き続き、優先順位と活動計画を設定して全社で推進してまいります。
基盤の強化
- 経営層が認証業務の現場をまわって困りごとを把握、対応策を即断即決する体制継続
- 現場の苦労や頑張りを把握し、経営として動くべきことを認証関連の役員級ミーティング(毎週実施)で継続して議論
- 車両開発過程での異常管理、社内審査官による認証業務の監査、これら異常管理・監査業務に対する第三者監査を継続
- 認証関連部署の現場実態把握に加え、認証試験の日程や負荷状況等の異常を視える化し、計画的な人材育成とともに、認証業務負荷に応じた適切な人的・物的リソースの充当や柔軟な日程変更などを推進
ものづくり
- 開発中プロジェクトに対し、再発防止策を織り込んだ新運用を継続
適用される法規と認証業務の規模、認証日程や認証車台数の確保状況など、認証業務への影響を節目ごとに確認し経営判断する仕組み(2025年8月時点、のべ137プロジェクトを推進) - 経営層による現場課題への対策議論を前回の報告以降13回実施(計45回)、適時、取締役会に報告する運用を継続
- 認証業務における各工程の責任者や判断基準、規定間のつながりを明確化。仕事の良しあしを確認しながら業務をすすめ、異常があれば止められるよう、認証業務に関する規定体系の見直しを実施
- デジタル技術を活用した転記作業等の削減による現場負担の低減
人づくり
- 経営層と従業員の対話を開発や認証に加え、企画や生産、販売など認証に関連する様々な現場で継続中
- 継続的な社長メッセージの発信を実施(計20回)
- 認証業務に関する社内教育を継続
持続的な認証試験品質の維持向上ならび人材育成を目的に、社内有資格制度(マイスター制度)を導入。正しい認証試験の運営と各現場での自律的な改善を促す「マイスター」を最上位とした5段階の資格と資格別の教育プログラムを整備
昨年2月より、グループの責任者であるトヨタ会長 豊田 章男が中心となり、グループ会社に呼び掛け、法規認証TPS自主研をスタートさせました。目指したのは改善を通じた、より良い仕事の仕組みづくりです。引き続き、認証工程につながる企画、開発、設計、生産、販売等、さまざまな現場に社長以下経営層が日々現場に入り、各工程の停滞要因を明確にし、異常がわかる仕組みづくりに取り組んでおります。
ステークホルダーの皆様にあらためて信頼いただけるよう、今後も全社一丸となって、正しい認証を実施するための改善を継続してまいります。
以上
トヨタは、革新的で安全かつ高品質なモノづくりやサービスの提供を通じ「幸せを量産する」ことに取り組んでいます。1937年の創業以来80年あまり、「豊田綱領」のもと、お客様、パートナー、従業員、そして地域社会の皆さまの幸せをサポートすることが、企業の成長にも繋がると考え、安全で、環境に優しく、誰もが参画できる住みやすい社会の実現を目指してきました。現在トヨタは、コネクティッド・自動化・電動化などの新しい技術分野にも一層力を入れ、モビリティカンパニーへと生まれ変わろうとしています。この変革の中において、引き続き創業の精神および国連が定めたSDGsを尊重し、すべての人が自由に移動できるより良いモビリティ社会の実現に向けて努力してまいります。
