


クロード・モネ《サン=ラザール駅》
1877年,油彩、カンヴァス,75×105 cm,オルセー美術館、パリ / Bridgeman Images
クロード・モネ《嵐、ベリールの海岸》
1886年,油彩、カンヴァス,65.4 × 81.5 cm,オルセー美術館、パリ/ Bridgeman Images
クロード・モネ《プールヴィルの断崖の上の散歩》
1882年,油彩、カンヴァス,66.5 × 82.3 cm,シカゴ美術館/ Photo © Photo Josse / Bridgeman Images
第2章パリから海へ:光をもとめて
パリのサン=ラザール駅は、モネにとって近代都市を象徴する主題であると同時に、ノルマンディーの海岸へと向かう旅の出発点でもありました。1877年、モネはこの駅を覆う光と汽車が吐き出す蒸気の様子を連作として描き、堅固な建築や機関車の姿さえ大気のなかに溶けていく様子を捉えました。
その後、モネの関心は海辺へと広がります。少年時代を過ごしたノルマンディーでは、プールヴィルやヴァランジュヴィル、エトルタなどを訪れ、切り立つ断崖、波立つ海、絶えず形を変える雲を描きました。とりわけ1880年代にはこの地方で集中的に制作し、光や天候によって海と岩の色彩が変化する瞬間を追究しています。 1886年にはブルターニュのベリール島に滞在し、荒々しい岩礁に波が砕ける光景と、大西洋特有の激しい風や変わりやすい空を画面にとどめました。さらに南のリヴィエラでは、強い陽光のもとで輝く地中海と、鮮やかな色彩に満ちた植生に向き合います。
ノルマンディーの海の霧、ブルターニュの激しい波、南の海のまばゆい光。パリから海岸へと続くモネの旅は、土地ごとに異なる光と大気の変化を発見し、それらを絵画にとどめようとする、尽きることのない探求の旅でもありました。