クロード・モネ《白い睡蓮》
1899年,油彩、カンヴァス,89 x 93 cm,プーシキン美術館、モスクワ/ Bridgeman Images

クロード・モネ《睡蓮、柳の反映》
1916–1919年,油彩、カンヴァス,131 × 155 cm,マルモッタン・モネ美術館、パリ/ Bridgeman Images

クロード・モネ《睡蓮》
1919-1922年頃,油彩、カンヴァス,100 x 200 cm,個人蔵/ Bridgeman Images

第6章睡蓮:移ろう光、はてしない風景

1883年にジヴェルニーへ移り住んだモネは、庭園を自然と人工が調和する生きた芸術作品として構想しました。1893年には隣接する土地を取得し、エプト川の支流から水を引いて池を造成します。睡蓮を植え、日本の浮世絵にも着想を得た橋を架けることで、光、水、植物が響き合う「水の庭」をつくり上げました。

モネは1890年代後半から睡蓮を描き始め、水面に浮かぶ花だけでなく、そこに映る空や雲、樹木、刻々と移ろう光を一体として捉えます。やがて水平線や岸辺は画面から消え、上下や遠近の感覚が曖昧な、色彩と光が広がる空間へと変化しました。

1910年代には、この主題を大きな画面へと発展させ、「大装飾画」の制作に取り組みます。第一次世界大戦の休戦翌日、モネは作品を平和の象徴として国家に寄贈する意向を示しました。現在、オランジュリー美術館の二つの楕円形の展示室には、8点の大画面が約100メートルにわたって連続して設置されています。自然光のもと、絵画は壁面を取り囲み、鑑賞者を果てしない水と光の世界へと包み込みます。1927年に公開されたこの空間は、絵画を見るだけでなく、その内部に身を置いて体験する、20世紀美術をはじめ現在までいたる美術を先取りした作品なのです。

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